「株価の里帰り」って言うけれど、三菱UFJ株は「いつ帰ってくる」?(石井治彦)【格言で買う! 株式投資】

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   「株価の里帰り」という相場格言がある。

   日本証券業協会の相場格言集には、

「どんどん値上がりしていった株価も、いつか下げはじめ、結局、元の出発点まで戻ってくるという『株価の習性』を言い表した言葉だが、ある程度、長期間にわたって見なければ当てはまらない」

とある。

「その反対に、ある高値から反落した株価が、いつかまたその水準に戻ってくる意味も併せ持っている。長期に徹すれば、株式投資は損をしないという論拠がここにある」
  • 「株価の里帰り」を待つ状況の三菱UFJ株(写真はイメージ)
    「株価の里帰り」を待つ状況の三菱UFJ株(写真はイメージ)
  • 「株価の里帰り」を待つ状況の三菱UFJ株(写真はイメージ)

今こそ平均取得単価を下げるチヤンス

   日本銀行の、長引くマイナス金利政策のもと、苦しい収益環境が続いている銀行業界に、そろそろ出番が来たのではないか――。

   過去1年で三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の株価は、400円から660円まで上昇している。世界的な低金利政策の続くなか、銀行業界は体質改善を進めてきた。三菱UFJFGは、店舗統廃合やATMコーナーの削減、人員の配置転換の進展で、企業体質の強化は相当進んだと考えている。

   三菱UFJ株は、2007年10月に1140円で100株を取得(同年9月末に1株を1000株に分割)。1年後の2008年9月にリーマン・ショックが発生している。三菱UFJ株の過去10年の株価推移を見ると、安値は12年1月に325円00銭、高値は15年6月に936円80銭をつけていて、現在の株価はその中間(631円)を40円下回る590円を挟んでの動きとなっている。

   筆者は三菱UFJ株を現在3100株保有。平均取得単価は669円だ。この取得単価を中間値の631円まで下げられればと考えている。 これまでもナンピン買い(保有している銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増して平均購入単価を下げること)や損切りすることで、平均取得単価を下げるようにしてきた。

   ちなみに最安値での取得は、11年12月の346円37銭だった。さしあたり、ナンピン買いで年内に660円辺りまで下げられればと考えている。

   コスト削減を推し進め、経営体質の改善に努めてきた三菱UFJFGだが、金利が反転して上昇局面になれば、景気敏感株として最初に株価上昇が進みそう。ナンピン買いのタイミングは580円を下回る辺りか。今こそ、平均取得単価を下げるチヤンスと考えている。

まさに「株価の里帰り」を待つ状況

   三菱UFJ株は、まさに「株価の里帰り」を待つ状況にある。つまり、高値圏の900円台に向けて、株価が「帰ってくる」日はそう遠くないというわけだ。

   すでに株式市場は、アフターコロナに向けて動き出している。米FOMC(米連邦公開市場委員会)ではゼロ金利からの脱却が視界に入り、国内では年内にも新型コロナウイルスのワクチン接種の進展による、集団免疫の取得が期待される状況になってきた。

   経済活動の再開に伴う景気回復による、1~2年後の三菱UFJFGの株価上昇が楽しみである。

   ただ、懸念材料がないわけではない。今回の東京オリンピック、大会経費はコロナ禍による1年延期と感染防止対策費が加わり現在1兆6440億円ともいわれている。

   これは、国家予算(2021年度の一般会計歳出総額106兆6097億円)の1.5%に相当する。1兆6440億円のうち、組織委員会が7210億円を、残り9230億円は国と東京都が負担。つまり、9230億円が税金で賄われるのだ。さらには感染拡大の、長期にわたる営業制限により、疲弊している企業や飲食店は少なくない。

   前回の東京オリンピック後の、昭和40年不況(証券不況)の再来にならなければよいのだが......。(石井治彦)

三菱UFJフィナンシャルグル-プ(8306)
保有している株数(2021年7月28日現在)3100株
平均取得単価         668円91銭
年初来高値 2021年3月22日    660円30銭
年初来安値 2021年1月04日   448円00銭
直近の終値 2021年7月28日    587円10銭

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