2021年3月22日、米Twitterと米SquareのCEO(最高経営責任者)、ジャック・ドーシー氏の初めてのツイートが「NFTマーケット」で、291万5835ドル(約3億円)で落札されました。今、デジタルコンテンツ業界で最も注目を集めている「NFT」(非代替性トークン)について解説します。◆NFT(非代替性トークン)とは?NFT(NotFunsibleToken=非代替性トークン)とは、デジタルコンテンツに証明書のような記録をつけられるトークンのことです。NFTは仮想通貨と同様にブロックチェーン上で発行されますが、それらはお金としてではなく、「アートや商品」として流通します。冒頭のジャック・ドーシー氏の件は、ツイート画像をNFTとしてブロックチェーン上に保存し、そのNFTをオークションに出品していたのです。このNFTには、ツイート画像と「ジャック・ドーシーが発行した」という証明が含まれています。ですので、仮に他人がまったく同じ画像でNFTを発行したとしても、同様に3億円もの価値が付くことはまずないでしょう。◆大手企業がNFTに続々参入Twitter社が発行したNFTジャック・ドーシー氏のNFT発行に続くように、世界的な企業や著名人らが、下記のとおりNFTへ参入しはじめています。●avexがNFTのバーチャルフィギアを発行●Twitter社の公式アカウントでオリジナルのNFTを発行●NiziUやTWICE所属の韓国芸能事務所がNFT事業に参入を発表●Jay-ZがアルバムNFTを勝手に売られそうになり、訴訟を起こす●CNNがNFTサービスを開始、歴史的瞬間をNFTとして所有する◆コレクターの心をくすぐるNFTNFTの元祖「クリプトキティーズ」ブロックチェーン界隈では、2017年に「クリプトキティーズ(CryptoKittie)」と呼ばれるNFTのコレクションカードが流行しました。珍しいレアカードは、なんと600イーサリアム(ETH、2021年7月時点の価格で1億4000万円)で落札されています。このように骨董品や美術品のように「他人からしたら価値がないように見えても、コレクターからしたら、喉から手が出るほど欲しい」といった現象が、NFTを通してデジタルコンテンツ業界にも起きているのです。仮想通貨とNFTどっちに投資するべきか?ここまで読んだ方で、「NFTに投資してみたい」と思った方もいるのではないでしょうか――。結論としては、誰よりも早く狙ったNFTを手に入れられる自信があったり、先見の明があったりするなら、NFTに投資しても良いでしょう。確かにNFTは値崩れが起きにくく、当たれば高騰するため魅力的です。しかし、数に限りがあるNFTは、いわゆる「転売ヤー(転売を主な生業とする者)」との争奪戦が熾烈になりやすいでしょう。転売ヤーとの争奪戦を避けるには、まだ参入されていない「これから価値が高まりそうな分野」で先行投資を行うしかありません。結局、NFTへの投資で成功するには、「そのNFTが好きだから買い、数年後気づいたら高騰していた。でもコレクションだから売らない」といった、純粋なコレクターのような姿勢が必要なのかもしれません。(ひろぴー)
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