2021年8月24日から、東京パラリンピックが始まります。パラリンピックは4年に1度、オリンピックと同じ都市で開催される世界最高峰の障害者スポーツです。今大会は13日間の日程で、22競技539種目を実施。約4400人の選手が参加する過去最大規模になるそうです。オリンピックと比べて注目度が低いパラリンピックですが、2012年のロンドンパラリンピック大会では、選手たちの活躍する姿が「cool」(かっこいい)と大きな感動を呼び、障害者スポーツの認識を変えたとされています。そもそも「パラリンピック」はどういう意味なのでしょうか?今回は、「英語で話す東京パラリンピック」第1弾です。パラリンピックは負傷兵のリハビリから始まった!まずは、簡単なフレーズからご紹介しましょう。TokyoParalympicstostartfromAugust24(東京パラリンピックは8月24日から始まります)パラリンピックの英語表記は「ParalympicGames」です。ちなみに、主催する団体は国際パラリンピック委員会(InternationalParalympicCommittee)で略称は「IPC」です。「Paralympic」(パラリンピック)の語は、元々、脊髄損傷などによる下半身麻痺者を表す「Paraplegia」(パラプレジア)と「Olympic」(オリンピック)をつなげた造語だったとされています。第二次世界大戦の後、戦争で障害を負った若い軍人たちのリハビリテーションの補助的な方法として、スポーツを取り入れたことが背景にあるそうです。その後、大会名の意味を、英語のパラレルの語源となる「Para」(パラ)とし、「もう一つのオリンピック」として再解釈されました。「パラリンピック」が正式名称になったのは1988年のソウル大会からだそうですから、意外と最近ですね。IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は、開会に先立ち次のように述べました。TokyoParalympicsisvitalforpeoplewithdisabilities(東京パラリンピック大会は障がいのある方たちにとって最も重要なイベントだ)vital:重要な、不可欠なpeoplewithdisabilities:障害のある人々パーソンズ会長によると、「(パラリンピックは)世界の中で唯一、障がいのある方にスポットライトが当たるイベント」とのこと。「障がいがあっても不可能なことはないのだと知ることができる」と、その意義を強調していました。困難を乗り越えて戦うアスリートの姿は胸を打つものがあります。ふだんはあまり見る機会のない「パラ競技」ですが、ぜひとも「おウチ観戦」で楽しみたいところです。東京は「ロンドンの奇跡」を超えられる?!パラリンピックで思い出すのは、何と言っても2012年のロンドン大会です。スポンサー企業が大々的にパラリンピックを支援。何年も前から各地で子ども向けのパラ競技体験教室を開催したり、テレビでパラ競技を紹介する動画をガンガン流して競技の魅力を伝えたりしたことで、ふたを開けて見たらチケットが「完売」。テレビの視聴率も過去最高を記録しました。TheLondon2012ParalympicswasthegreatestGamesever(2012年のロンドンパラリンピックは、史上最高の大会だった)Ithaschangedourperceptionsaboutpeoplewithadisabilityandexcitedtheworld(ロンドン大会は障害者に対する人々の認知を変え、世界を熱狂させた)perceptions:認知、知覚ロンドン大会は、それまでの「チャリティーイベント」といった障がい者スポーツに対する人々の認識を、「スポーツとして素晴らしい」に変えたとされています。特に若い世代を中心に、パラリンピックは「cool」(かっこいい)というイメージが定着。英国のテレビ局では、4年後のリオ大会のテレビ視聴率がロンドン大会を上回ったというから驚きです。最後に、いくつか東京パラリンピックに関する最新の話題を、英語でご紹介しましょう。EmperorwillattendTokyoParalympicopeningceremony(天皇陛下が東京パラリンピック大会開会式に出席される)openingceremony:開会式TokyoParalympicswillhavenospectators(東京パラリンピック大会は、無観客で開催される)spectators:観客無観客で開催する理由を「as」を使って補足すると......。TokyoParalympicswillhavenospectatorsasCovid-19situationinJapanremainsserious(東京パラリンピック大会は、日本国内の新型コロナウイルス感染状況が依然として厳しい状況にあるため、無観客で開催される)新型コロナウイルスの感染拡大に不安が広がる中で開催される東京大会。果たして「ロンドンの奇跡」を超えることができるのでしょうか?開会を前に、大会が「パラレルワールド」(異世界)とならないことを祈るのみです。(井津川倫子)
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