2024年 4月 26日 (金)

「若者よ、借金してまで儲けたいか!」カネがないと断っても強引に借金させる詐欺が横行

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「何もしなくても楽に儲かるよ。えっ、今お金がない? 大丈夫、借りればいいジャン」

   こんな甘い声に引っかかって、消費者金融や学生ローンから多額の借金をする若者が増えている。断ってもしつこく借金を迫られて、根負けして泣きを見る結果に追い込まれるのだ。

「借金をしてまでお金儲けがしたいですか! 頭を冷やしてください」」

と、国民生活センターは2021年8月12日、警鐘を鳴らすリポートを発表した。どう、断ればいいのか――。

  • 詐欺師の悪らつな手口に引っかかってはダメ
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「お金がない」と断ると、貸金業の無人契約機まで同行

   国民生活センターによると、金儲けなどの勧誘に対して、「お金がない」と言って断っているのに、強引に借金をさせて契約を結ぶ手口の被害相談が、特に10歳代~20歳代で増えている。2015年度には313件だったのが、2020年度には448件に達した。

   一番多いのが、ファンド型投資や副業などの儲け話に関連した商品・サービスで、マルチ取引が多いのが特徴だ。

   マルチ取引とは、新たに会員を誘えば紹介料を得られるとして、会員になった人間が次々と新規会員を増やすことで儲ける商法だ。特定商取引法の「連鎖販売取引」として規制の対象となっている。

   あなたを勧誘しようとする「大学の先輩」「友人」も、新たな会員を誘わないと自分の儲けにならないので、声をかけてきたわけだ。そのほか、「就職活動に役立つ」とうたうウェブデザインなどのビジネス教室の教材や、女性向けでは痩身エステの会員勧誘なども目立つ。

   たとえば、こんな事例が多い。

【事例1】「お金がない」と断ったら、事業者に貸金業者の無人借入機まで同行され、借金したお金で契約してしまった

「就職活動の一環で、ウェブデザインを学べるオンラインスクールに興味を持ち、事業者に連絡を取った。担当者からカフェで話を聞き、仕事で稼げるまでサポートするというコースの契約書に署名した。そこで初めて契約金額は約100万円と聞かされ、『高額なのでお金がなくて支払えない』と言うと、『消費者金融で借りればいい』と言われた。
担当者と貸金業者の無人借入機に行き、学生だと借りられないので社会人と偽って借りるよう指南を受けた。その日のうちに50万円は借り入れできたので、預金と合わせて約70 万円を担当者に手渡した。友人に相談したら『高額すぎるし、怪しい』と言われた。事業者にクーリング・オフを申し出たが、返金されるだろうか」 (2021年2月、20歳代女性)

来年4月から「18歳で大人」だ。もう保護されないよ!

【事例2】「高額で払えない」と断ったら、学生ローンで借りる方法を事細かく指示されて、結局、高額の借金をしていました。

「大学の先輩にファミリーレストランへ呼び出され、『50万円のFX自動売買システムを購入すれば、何もしなくても稼げる』と、もうけ話の勧誘を受けた。商品代金が高額で支払えないと断ると、『みんな学生ローンで借りて支払っているよ。資格を取るための学校に通う費用と言えば貸してくれるよ』と指南され、申し込み時に申告する学校名や資格講座名を教えられた。
学生ローンで30万円を借り、手持ちの現金とともに先輩に手渡し、翌日、別の学生ローンにも行って20万円を借りて指定された口座に振り込んだ。結局、50 万円も借金してしまい、不安になった。FX 自動売買システムの契約書はもらっておらず、会社の住所や連絡先もわからない。商品も届いていないので、クーリング・オフしたい」 (2021年3月、20 歳代男性)
断っても借金させてまで契約させる悪質な手口(漫画は、国民生活センター公式サイトより)
断っても借金させてまで契約させる悪質な手口(漫画は、国民生活センター公式サイトより)

   国民生活センターでは、こうアドバイスしている。

「そもそも借金をしてまで契約すべきものかよく考えましょう。投資や副業で『儲かるから借金は返せる』と言われても不確実な話であり、借金を返せる保証などどこにもありません。投資は原則として余裕資金で行うものであり、借金をしてまで行うものではありません。断る際は『お金がない』ではなく、『いりません!』ときっぱり断りましょう 『お金がない』と断ると、『借りればいい』と、貸金業者から借金をするように持ちかけられるのがオチです」

   そして、大事な忠告を付け加えた。

「民法の改正によって来年(2022年)4月から『18歳で大人』になります。これまでは、未成年者が契約する際、原則として親権者の同意を得なければならなかったので、同意を得ずになされた契約は取り消すことができました。来年4月からは、『大人』になって一人で契約できる半面、一方的にやめることもできなくなります。くれぐれも慎重に考えて行動しましょう」

(福田和郎)

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