2021年 9月 23日 (木)

五輪後の国内景気は視界不良! ワクチン接種で経済正常化のシナリオ、デルタ株で崩壊

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   東京オリンピックが終わり、パラリンピックが始まったが、新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、日本経済の先行きは不透明感を増している。

   ワクチン接種の進展につれて、人々の行動制限を徐々に緩和し、経済活動の正常化を目指すというシナリオは、デルタ株のまん延もあって見直しを迫られそうだ。

  • TOKYO2020のために建て替えた新国立競技場
    TOKYO2020のために建て替えた新国立競技場
  • TOKYO2020のために建て替えた新国立競技場

無観客五輪で「レガシー効果」は期待薄

   本来であれば、オリンピックで盛り上がった景気が終了とともに減速する「五輪の壁」が関心を集めているはずだった。実際には、海外からの観光客の当てが外れたうえ、国内でも無観客開催となって、テレビ観戦と「巣ごもり」で、テレビなどの家電販売、配食や家飲みの需要で一部潤ったところはあるものの、全体に「五輪後経済」が話題にもならない寂しい状況だ。

   もともと、五輪は大会開催に伴う競技場や交通網などのインフラ整備や、消費の盛り上がりで経済活動が活発化になっても、大会終了とともに景気が減速したり不況になったりすることがある。1964年の前回の東京五輪は競技施設のほか、東海道新幹線や高速道路などのインフラ整備で経済は頂点に達したが、その後は深刻な不況に陥り、五輪翌年の1965年には、政府は経済対策のため戦後初めて、赤字国債の発行を余儀なくされた。

   最近も、2000年のシドニー五輪、2004年のアテネ五輪後、その国の景気が低迷した例がある。

   もちろん、今回の東京は巨大なインフラ整備はなかったが、それでも招致決定以降、首都高の老朽化対策、首都圏の交通インフラ整備事業が前倒しで進み、また、JRや私鉄のホームへのエレベーターやホームドア設置などバリアフリー化も加速した。 東京五輪・パラリンピック組織委員会は2017時点で五輪による需要増加が2兆円弱と見込み、新国立競技場など施設整備費3500億円を除く1兆6500億円ほどは国内総生産(GDP)に寄与している。

   もとより、インフラ整備が「目玉」だった前回と比べて経済効果は限定的だったわけだが、むしろ、今回の期待は五輪をきっかけとする経済活性化だった。東京都は、直接効果以外に「レガシー効果」で12兆2397億円の新たな需要が生まれると弾き、たとえば観光では東京を訪れる外国人旅行者数の目標を20年2500万人、24年3000万人としていた。

   コロナ禍、五輪の無観客化でこうしたシナリオは崩れ、20年の外国人旅行者の実績は約252万人にとどまった。

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