米国の量的緩和の縮小(テーパリング)時期が、株式と外国為替相場の大きなテーマになっている。注目の米ジャクソンホール会議での米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演は、年内の量的緩和の縮小開始が適切となる可能性に言及したものの、引き続き利上げには慎重な姿勢を示した。要人発言などには注目したい。一方、国内情勢は不安材料が目白押し。新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大で医療崩壊が現実味を帯びている。加えて、菅義偉内閣の支持率が過去最低まで落ち込み、自民党総裁選や衆院選を控え、政局不安が懸念材料に浮上している。どうなる!?今週の株式・為替マーケット!東京株式市場 政局不安が懸念材料日経平均株価予想レンジ:2万7000円~2万8000円2021年8月27日(金)終値 2万7641円14銭今週の東京株式市場の日経平均株価は、上値の重い展開か。前週の日経平均株価は、急反発した。一時2万7000円を割り込み、年初来安値を更新したことで値頃感が強まり、買いが優勢になった。米国株の上昇も手伝って上昇したものの、2万7800円台では戻り売り圧力が強く、上値は重かった。今週の日経平均株価は、上値の重い展開となりそうだ。国内では、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、医療崩壊が現実味を帯びている。加えて、菅義偉内閣の支持率が過去最低まで落ち込み、自民党総裁選、衆院選を控え、政局不安が懸念材料に浮上している。米国では、量的緩和の縮小(テーパリング)時期が相場の大きなテーマになっている。この金融政策を左右するのは米国の経済動向だが、3日に8月の雇用統計が発表されるほか、経済指標の発表が相次ぐ。日本株に大きな影響を与える米国株の動向に影響があるため、注目だ。東京外国為替市場 上値重く、レンジ相場の動きドル・円予想レンジ:1ドル=109円50銭~110円50銭2021年8月27日(金)終値 109円82銭今週の外国為替市場でドル円相場は、レンジ内の動きか。前週のドル円相場は、1ドル=110円台前半で上値の重い展開となった。一時1ドル=109円台半ばまでドル売り・円買いが進んだものの、その後、1ドル=110円台前半まで値を戻すなど、量的緩和縮小の時期を巡る思惑で上下した。今週のドル円相場は、レンジ内の動きとなりそうだ。相場の最大のテーマは量的緩和の縮小(テーパリング)時期となっており、要人発言や経済指標の結果によってレンジ内を上下している。今週は9月3日に8月の雇用統計が発表されるほか、米国の貿易収支などの経済指標が発表されるため、その結果が注目される。経済指標は、国内では8月31日に7月の有効求人倍率と完全失業率、鉱工業生産、9月1日に4~6月期の法人企業統計、8月の新車販売台数などが予定されている。海外では、31日に中国の8月の製造業PMIと非製造業PMI、米国の8月の消費者信頼感指数、9月1日に米国の8月のADP全米雇用統計とISM製造業景況指数、2日に米国の7月の貿易収支、3日には米国の8月の雇用統計とISM非製造業景況指数などが予定されている。(鷲尾香一)
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