2021年 9月 22日 (水)

「職場の電気料金が高すぎる!」を解決 エネクラウド社長に「電気削減クラウド」の魅力を聞いた

   職場の電気料金を少しでも抑えたい――。

   そんな事業者の悩みを解決するのが、フルキャストグループのエネクラウド(東京都渋谷区)が展開する「電気削減クラウド」というサービスだ。

   電気削減クラウドでは、フルキャストグループが持つ大量のデータベースを武器に、各企業にとっての最安値をシミュレーション。完全成果報酬型で、電気料金が下がったことを確認するまで料金は発生しないという。

   エネクラウドの公式サイトには、「想像以上に安くできて驚きました」「非常にわかりやすかったです」といった利用者の声が掲載されている。その成功体験の裏側には、どのような仕掛けが隠されているのだろうか。

   2021年8月、エネクラウド代表取締役社長の田嶋義輝さんを取材した。

  • エネクラウド社長・田嶋義輝さん(J-CAST撮影)
    エネクラウド社長・田嶋義輝さん(J-CAST撮影)
  • エネクラウド社長・田嶋義輝さん(J-CAST撮影)

電気料金の削減率は平均10.2%

   電気削減クラウド(旧・電気料金削減サービス)は、エネクラウド(旧・日本電気サービス)が19年2月から提供を開始。21年8月1日に社名とサービス名を改称した。現在では、1649社(21年5月時点)と契約している。

   現在、エネクラウドが展開する事業は電気削減クラウドのみ。特別高圧電力・高圧電力を使用する事業者が対象になる。業種としては全体の約8割が工場や倉庫など、電気代がかかる製造業だ。

「基本的に、企業は『相対契約』という電力会社と1対1の契約を結んでいます。まったく同じ条件で電気を使っていても他社と料金が違う、しかもお互いにその条件を知ることができないという状態です。
当社はそれをコンサルティングする立場でデータベース化しているので、『この電気の使い方なら、この単価まで削減可能』という、おおよそのシミュレーションができます」(田嶋さん)
「電気削減クラウド」のシステム(提供:エネクラウド)
「電気削減クラウド」のシステム(提供:エネクラウド)

   シミュレーションで最安値を算出した後は、入札プラットフォーム「ENEBID」を使って、その価格に着地できるよう、顧客へのコンサルティングを行っていく。

「ENEBIDは一度に多くの電力会社から最安値に近い見積もりを取得します。電力会社によって見積もりの見方が違うので、私たちはそれをわかりやすくかみ砕き、お客様が選択できるような形を整えます」(田嶋さん)

   契約期間は5年間で、それ以降1年ごとに自動更新される。電気料金の削減率は平均10.2%、なかには最大で40%を超えるケースもある。

   実際の例として、月の電気代が約2100万円の大規模工場では、約200万円(削減率9.3%)の削減に成功。また、ある病院では約120万円かかっていたところから約25万円(削減率22.2%)カットしている。

商業施設、宿泊施設、介護施設なども導入

   これまで申し込みがあった企業のうち、実際に電気料金を削減できたのは84.9%。残り15%の企業には「これ以上価格を下げることができない」と回答し、契約に至らなかったという。

「情報量がそのまま金額に直結しているような世界なので、自社の価格が適正なのかすら知らない、適正より高くても何も手を打っていない、打っていたとしても本当はもっとできることがあるという企業が非常に多いです。
当社には膨大な量のデータベースがあるため、適正金額がいくらなのかというのを把握した状態で交渉に臨めます。最安値は日々変化するので、更新し続けられるデータが強みとなります」(田嶋さん)
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   顧客は大部分を占める製造業に加え、商業施設、宿泊施設、介護施設なども、最近は増加傾向にあるという。田嶋さんは「サービス需要の高まりを感じている」としつつ、その理由を次のように話す。

「特に中小企業では、売り上げが立ちづらいとコスト削減が次のテーマとして挙がってきます。そのなかでリストラをすると当然売り上げに影響が出ますが、当社のサービスは契約内容を変えるだけなので、売り上げへの影響はまったくなく、削減できたお金はそのまま利益に直結します」(田嶋さん)

今後は「保守支援」「運用支援」を展開

   現在は電力会社との契約支援のみの展開だが、今後は「保守支援」「運用支援」のサービス提供をリリースする予定だという田嶋さん。それぞれどのような事業なのだろうか。

今後のビジネス構想(提供:エネクラウド)
今後のビジネス構想(提供:エネクラウド)
「保守支援は、どの設備にどれだけ電気を使っているかを『見える化』し、管理することで、料金の削減につなげます。
たとえば病院の廊下、この時間は使ってないから強制的にブレーカーを落としてしまうとか。遠隔でマネジメントできるようにしていく構想です。現在、大学との産学連携をしながら技術開発を進めています」(田嶋さん)

   そして、この保守支援を基盤としたサービスが「運用支援」だ。

「運用支援とは、保守支援の段階で電気を監視・制御できるようにしたうえで、発電・蓄電設備を設置して運用することを指します。
例えば、お客様の使っていない敷地に、当社がソーラーパネルを貸し出して設置します。ソーラーパネル設置には初期投資が必要ですが、当社のレンタルだと初期費用がかからず、電気削減クラウド同様に完全成果報酬でできます。お客様との取り決めによって割り当てる電気以外は私たちの方で引き取らせてもらう。取り決め方としてはプロフィットシェア(収益から経費を引いた後の利益を分配する形態)に近いイメージですね」

   保守支援は22年4月、運用支援は24年4月から開始する予定だという。

今後の展望を語る田嶋さん
今後の展望を語る田嶋さん

   最後に、エネクラウドは今後どのような企業を目指していくのか。田嶋さんに今後の展望を聞いた。

「当社が掲げる『すべての企業の競争力を高め、豊かな社会を実現する』というミッションが、これから先の展開のすべてです。それにどれだけ多くの顧客を巻き込んで取り組んでいけるか、ということが非常に重要だと思っています。
またサービス自体も、より多くの声をいただくことによって良いものになっていくと考えています。社内で『こんなサービスがあったら売れると思うから作っていこう』ということだけではなく、様々な顧客の声をきちんと吸い上げた形でビジネスモデルを構成し、経営を成り立たせていきたいと考えています」
「電気削減クラウド」サイトへのQRコードはこちら
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<編集:J-CASTコンテンツ企画ビジネス部>

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