2024年 4月 26日 (金)

「夫の転勤について行かない専業主婦はわがままか?」 女性の炎上投稿に専門家が問う「会社の責任」

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「これまでの常識」を捨てて転勤命令を断っては...

――「これまでの常識」とは、妻側に格段の理由...... 正社員であるとか、子どもの学校や親の介護問題などがない限り、夫の転勤についていくべきだという考え方ですか。

川上さん「はい。これまで多くの妻たちが、そのようにしてきたということです。それは言い方を変えると、妻たちだけでなく、夫も子どもたちも、会社からの転勤命令によって多大な影響を受け、無理を強いられてきたということでもあるのだと思います。
それらの無理強いに応えることが『これまでの常識』でした。その頑張り自体は評価されるべきだと思いますが、飽くまで『これまでの常識』であって、現在や未来にも同じように振る舞うことを強要するべきだとは思いません。格段の理由があるか否かに関わらず、夫の転勤についていくべきかどうかは、ご夫婦ごとに異なる判断があってよいと思います。
そもそも転勤命令を投稿者さんの夫は望んでいたのかという点が気になります。もし夫が望まない転勤なのであれば、お子さんが生まれたばかりの家庭であることを考えても、転勤しなくて済むようにすることが、本来会社がすべき配慮なのではないかと感じてしまいます」

――川上さんならズバリ、投稿者にどんなアドバイスをしますか。

川上さん「会社内での夫の立場を考えると強く求めづらい選択肢だとは思いますが、転勤を断ることも一つの方法だと思います。ただ、それが現実的ではないのであれば、やはり単身赴任をお願いするか、お子さんと共にご自身もついていくかを選ばなければなりません。
どちらにもメリットとデメリットがありますが、完全にスッキリする回答とはならないでしょう。ご夫婦で、家族全員にとって最適と言える回答を出すために、知恵を絞って話し合いを重ねていただきたいです。避けていただきたいのは、話し合うこともせず、投稿者さんと夫のどちらかが、一方的にあきらめた形で結論を出してしまうことです」

――まず、会社に転勤命令を撤回してもらうよう働きかけるということですか。

川上さん「社員である以上、ご夫婦はどうしても会社の決定に振り回されることになります。よほどの強者でない限り、社員の立場としては転勤命令を断りづらいというのが、これまでの日本の会社文化です。それだけの負荷を社員に強いることが本当に正しいことなのか? 転勤させる権限を有する会社側に考えていただきたい。それが、権限を有する側の責任でもあるはずです。
『これまでの常識』のすべてが悪い訳ではありません。しかし、価値観は多様化し、会社と社員との関係性も時代に合わせて変わろうとしています。もし転勤が、夫が希望したものではなく、会社からの一方的な命令なのであれば、投稿者さんも夫も、生まれたばかりのお子さんも、『これまでの常識』による被害者だと言えるのではないでしょうか」

(福田和郎)

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