2024年 4月 18日 (木)

「390円から」のトイレ修理が55万円に!「暮らしのレスキューサービス」で怖い目に遭わない方法

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   夜、トイレが詰まる、あるいは水道の水漏れが止まらず困った経験はないだろうか。

   トイレや水道の修理、紛失した鍵の交換、ハチやネズミの駆除......。そんな自宅の緊急事態に対応するのが「暮らしのレスキューサービス」 だが、「修理代950円から」のはずが、数十万円もの高額請求される被害が増えている。

   そこで、国民生活センターが、「水回り修理『950円~』のはずが...数十万円の高額請求に!」(埋込リンク:http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20211007_2.html)という警鐘を鳴らすリポートを、2021年10月7日に発表した。

  • トイレの水漏れにも慌てない方法が......(写真はイメージ)
    トイレの水漏れにも慌てない方法が......(写真はイメージ)
  • トイレの水漏れにも慌てない方法が......(写真はイメージ)

害虫の駆除で100万円を超えるケースも

   国民生活センターによると、「暮らしのレスキューサービス」を巡る被害相談は年々増加しており、2016年には全国で2437件だったのが、昨年(2020年)には5882件と2.4倍に増えた。

   ダントツに多いのが「トイレ修理」で全体の4割以上を占める。次いで「水道の水漏れ・配管の詰まり」、「鍵の修理・交換」、「ハチやネズミなどの害虫・害獣の駆除」などの順だ。

   相談を受けた契約額の平均が一番高いのが、「害虫・害獣の駆除」で23万8000円。次いで「水道の水漏れ・配管の詰まり」の17万7000円、「トイレ修理」の17万円となっている。なかには、害虫の駆除で100万円を超える請求を受けたケースもあった。

「暮らしのレスキューサービス」の悪徳商法の手口(国民生活センターの作成)
「暮らしのレスキューサービス」の悪徳商法の手口(国民生活センターの作成)

   たとえば、こんな被害相談の事例が多い。

【事例1】トイレ修理で「390円から」の広告を見て依頼したら55万円も請求された
夜に自宅マンションのトイレが詰まった。インターネット広告に「料金390円から」と記載された事業者に電話。作業員から連絡があり「勝手に自分で直そうとすると逆に詰まるのでしないように」と言われた。男性2人の作業員が到着し、高圧ポンプで10分ほど作業した。詰まりが解消しないので「便器を外して排水管を確認する。3万円かかる」と言われ了承した。「長年の汚れが蓄積した。こんなにひどいのは初めてだ。通貫作業が必要で20万円前後かかる」と言われた。他の部屋の住民に迷惑をかけてはいけないと思い、了承した。
さらに「詰まり再発防止のため、薬剤と特殊な機械による清掃で15万円かかる」と言われた。すべての作業は30分で完了、最終的に約55万円の契約書を渡された。「現金で支払えば50万円に値引く」と言われ、その場で支払った。よく考えるとあまりに高額で納得できない。(2021年4月、40歳代女性)

鍵の修理で「個人情報知ってるぞ」と脅される女性

鍵を紛失しても困らない方法が......(写真はイメージ)
鍵を紛失しても困らない方法が......(写真はイメージ)

【事例2】トイレの水漏れ修理が3万円以内というので依頼すると、結局15万円支払ったのに直らなかった
トイレの給水ホースから水が漏れているのに気づき、インターネットで修理業者を探した。「950円から」と広告していた事業者に電話し状況を伝え、修理代が高額にならないか確認すると「3万円を超えることはない」と言われたので、自宅に来てもらった。電話に対応した事業者とは別の業者が2人来て、「給水管にひどい錆びがついている。このままにすると数百万円の修理が必要になり、大変なことになる。修理代は錆び落としに10万円、部品交換に5万円」と言われた。
高いと思ったが不安になり契約した。作業時間は10分程度で、作業料15万円をクレジットカードで支払った。作業員が帰った後、トイレを見ると、床が水浸しで水漏れは直っていなかった。電話で苦情を言うと「作業は適切だった。これ以上の修理は便器交換しかない」と新しい便器の購入を勧められた。漏水は直っていないし、これ以上支払いたくない。(2021年4月、50歳代女性)

【事例3】解錠で高額請求されて、「個人情報を知っている」と脅されて支払ってしまった
深夜に自宅マンションの鍵を紛失したことに気づき、慌ててインターネットで事業者を探した。検索で一番上に表示されたサイトにアクセスすると「最も高額な作業でも8000円から」と書いてあり、高くても2~3万円程度と思い、電話した。男性作業員が1人来訪し、鍵穴を見てすぐに「これは特殊な鍵だから解錠するだけで8万円、シリンダー交換をするとさらに2万円かかる」と言われた。
10万円も現金はないと言うと、「いくら現金を持っているの? その金額でやってあげる」と言われ、5万円に減額された。私の家の鍵は特殊なものではなく、本当にシリンダー交換も必要なのかと聞くと、「争いたいのか。 こちらはあなたの個人情報を知っている」と言われて怖くなり、支払ってしまった。(2021年2月、20歳代女性)

普段から良心的な事業者をチェックしておこう

   国民生活センターでは、こう注意を呼び掛けている。

   まず、いざという時に慌てないように。普段から自宅のトラブルに備えておくことが大切だ。

(1)まず、インターネット上の広告の金額表示をうのみにしない。

(2)たまたまインターネット上で広告を出している業者に連絡するではなく、地元の工務店や自治体の管工事組合など信頼のおける事業者を探しておこう。自治体によっては修理業者を紹介する窓口があるので、事前にチェックしておこう。ご近所の情報も参考にしよう。

(3)実際に水漏れなどのトラブルが起こった時を想定し、初期対応について調べておく。戸建て住宅の場合は、住宅メーカーや施工業者、賃貸住宅の場合は大家や管理会社に緊急時の対応について相談しておこう。そして、利用できるトラブルサポートの内容と事業者を控えておく。

(4)夜間にトイレの詰まりなどで事業者を緊急に呼び出すケースが非常に多いが、災害時にも役立つ非常時の簡易トイレを備えておくと慌てずに済む。鍵の紛失の場合も、鍵メーカーの修理代行店に修理が必要になった場合の対応を事前に確かめておくとよい。また、家族で合鍵を持ち合うのも方法だ。

   事業者を修理で自宅に呼んだ際も、以下の点に注意しよう。

(5)契約を急かされたり、次々と高額な作業を提案されたりする場合、不安を煽って高額料金を請求される恐れがあるので、作業をキッパリ断る。

(6)料金や作業内容に納得できない場合は、その場で支払いをせずに、最寄りの消費生活センターに相談する。

(福田和郎)

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