2024年 4月 23日 (火)

成長する会社には多様な人材が必要 I&D実現にNECが実施した施策とは?(NEC 人材組織開発部 杉崎真美さん)

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トップダウンとボトムアップの「両輪」でI&Dを実現

オフィスフロアのリノベーションや、各事業場へのコワーキングスペース設置が進む
オフィスフロアのリノベーションや、各事業場へのコワーキングスペース設置が進む

―― 女性の登用や活躍についての現状と数値目標について教えてください。

杉崎さん「当社は女性登用という面では改善の余地が大きいと思っています。IT業界という特性もあり、従業員全体における女性の割合は2021年4月時点で22%、管理職に占める女性の割合は7%とまだ低いのが現状です。これを2025年度までに女性の従業員比率を30%、女性の管理職比率を20%、役員に占める女性・外国人比率を20%にする、という非常に難易度の高い目標を掲げています」

―― 目標達成への具体的な施策はありますか。

杉崎さん「社内での登用を積極的に進めるのはもちろんのことですが、採用の強化を図ることも考えています。新卒もキャリア採用もですが、技術系人材はどうしても男性が多くなってしまいがちなので、いわゆる理系女子や女性の採用も積極的に進めていきたいと考えています。同時に、迎え入れる職場側の意識も変えていかなければいけません。管理職へのアンコンシャスバイアス研修や、多様な人材に対するマネジメント研修も強化していく必要があります」

―― I&Dを一層進めるために、新たな取り組みも始めたとのことですが......。

杉崎さん「2021年4月から、人事部門とコミュニケーション部門横断のI&D変革チームを立ち上げました。先日、このI&D変革チームが主体となり、社長とCHRO (チーフヒューマンリソーシズオフィサー)、人事部門トップを委員とし、副会長とシニアポジションの女性たちをアドバイザーに迎えて、第1回I&D推進委員会を開き、現状の課題について共有しました。こうした取り組みをはじめ、会社全体にI&Dが浸透し、多様な社員がビジネス成長に向けて持てる力を最大限発揮できる職場環境づくりを進めたいと考えています。 最近では、女性の部長や事業部長が、自発的に部下の女性たちに声がけをして、数名でキャリアについての会話の機会を作るなど、女性社員の中での草の根的な動きも活発になりつつあります。NECは約2万人の社員を有するので、トップダウンでの推進にも一定の時間がかかりますが、こうしたボトムアップとトップダウンの取り組みを合わせて、Inclusion & Diversity推進の大きな流れを作っていけたらと思っています」

(聞き手 戸川明美)


プロフィール
杉崎真美(すぎさき・まみ)
NEC 人材組織開発部シニアマネージャー
大学院卒業後、NECにSEとして入社。50社近くのデータウェアハウスシステム構築や分析コンサルティングなどを経験。その後、マーケティング部門、新事業開発プロセス設計およびDX人材育成に従事。その後、人事部門で社内のI&D推進に携わる。2019年10月から現職。

水野 矩美加(みずの・くみか)
水野 矩美加(みずの・くみか)
アパレル、コンサルタント会社を経てキャリアデザインをはじめとする人材教育に携わる。多くの研修を行う中で働き方、外見演出、話し方などの自己表現方法がコミュニケーションに与える影響に関心を持ち探求。2017年から、ライター活動もスタート。個人のキャリア、女性活躍、ダイバーシティに関わる内容をテーマに扱っている。
戸川 明美(とがわ・あけみ)
戸川 明美(とがわ・あけみ)
10数年の金融機関OLの経験を経て、2015年からフリーライター、翻訳業をスタート。企業への取材&ライティングを多く行う中で、女性活躍やダイバーシティの推進、働き方の取り組みに興味をもつ。
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