2022年 1月 21日 (金)

眞子さまご結婚に見た「昭和」の常識を打ち破る強さ 「時代の要請」に鈍いダメ企業は見習え!(大関暁夫)

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   秋篠宮内親王である眞子さまが小室圭さんと結婚されて皇室を離れられたことが、大きな話題として取り上げられています。

   世間では小室さんのご家族の問題がどうとか、米ニューヨークでの生活が不安だとか、結婚とは直接関係のない枝葉の事柄ばかりがセンセーショナルに取り上げられています。しかし、今回の結婚で最も注目すべきは、理由はともあれ通常行われる皇室一族の婚礼の儀式をすべて省略する形で進められた点ではないかと思っています。

  • 「昭和な企業」は変われるのか!?
    「昭和な企業」は変われるのか!?
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次々と明るみに出た「昭和の大企業」の不始末

   この事実をもって、一般的には「異例」と違和感をもって捉えられていますが、私はむしろ戦後76年を経た象徴天皇制をめぐる、さまざまな制度そのものが時代の変遷についていけなくなってきたことの、一つの現れなのではないかとすら思っています。

   昭和の時代には何の疑問もなく画一的であってしかるべきと誰もが信じて疑わなかった女性皇族の結婚の在り方に関して、考え方の多様化を受け入れざるを得ない時代になったのだということに相違ないのですから。

   今の時代、たとえ皇族であろうとも個人の自由は尊重されるべきことであり、言ってみれば平成の時代にはまだかろうじて通用した昭和文化が、令和の訪れとともに音を立てて崩れ始めたその象徴ではないかと思い、まさしく「昭和は遠くなりにけり」ということを強く感じるわけです。

   昭和の常識はもはや令和の常識ではない、ということを我が国の象徴たる皇室自らがつまびらかにしたとすら思えるところです。

   じつは実業の世界でも、同じ類のことを感じさせる出来事が相次いでいます。それは不祥事という形で現れたものに顕著です。たとえば東芝のアクティビストに対する不正対応の問題や、三菱電機で続々明らかになった長年にわたる検査不正の問題。あるいは、3行合併の主導権争いの果てにシステムトラブルを繰り返すみずほ銀行の問題も、どれもみな昭和文化を引きずった果てに、令和の世間から「NO」を突き付けられた「昭和の大企業」の不始末であると思うのです。

いまや芸人も「コンプラ」を口にする時代

   戦後日本は大企業を中心として高度成長という類まれな発展を遂げることで、敗戦国の悲惨な状況から見事なまでの復活を遂げました。従い、これをけん引してきた大企業の思想や方針は、長らく常に正しいものとして世間からも受け止められてきたわけなのです。

   ところが、昭和の終焉と時同じくしてやってきた高度成長の延長線にあったバブル経済の崩壊により、日本の経済環境は一変します。高度成長は一転、低成長に姿を変え、証券市場の国際化や海外に生産拠点や販売網を広げ国際的な取引をする企業の激増によって、産業界にはグローバルスタンダードという考え方が当たり前のように入り込んできたのです。

   1998年以降の金融危機による大不況を境に、この流れは急速に一般的になり、コンプライアンス、ガバナンス、アカウンタビリティといった横文字が、ごく当たり前のこととして、企業経営の根本的思想に入り込んできたわけです。

   特にコンプライアンスなどは、今や実業界では中小零細企業でも経営上ごく当たり前の常識になっており、昭和の時代にはおよそそんなこととは縁遠かったタレントや芸人までもが、テレビ画面でコンプライアンスを口にする時代になったのです。

   考えてみれば、テレビに登場するタレントや芸人は、今の時代を理解しそれに対応していなければ当然使ってもらえなくなるわけで、彼らがコンプライアンス浸透に敏感に対応したのはある意味で当たり前のことなのかもしれません。

   吹けば飛ぶような、われわれ中小零細の企業経営者も、また同じでしょう。逆に時代の要請に一番鈍いのが、先のような不祥事に染まる昭和の大企業たちだったということになるのかもしれません。

眞子さまが行動で示した「企業変革」へのラストコール

   確かに、そこには昭和大企業のおごりが見えるのです。

   東芝が経済産業省を動かしてアクティビストの主張を退けようとしたのは、まさにそれですし、三菱電機が自社基準の検査を過信して法廷検査や発注主が義務づけた検査をしなかったのも、おごり以外のなにものでもありません。みずほ銀行が顧客サービスを二の次にして、社内の旧行バランス優先でのシステムベンダー選びを繰り返したことは、あまりに昭和の大企業的ではないでしょうか。

   いつの世も、不祥事にはその企業の悪しき文化は透けて見えるわけですが、不祥事が表面化していない企業であっても社内で昭和的な常識がまかり通っていると感じるならば、いよいよ先行きが危ないと思うべき時に来ていると思います。

   昭和の終焉から早33年。金融危機、リーマンショック、コロナ禍と、ほぼ10年おきにやってきた経済不況は、昭和企業たちにその都度、昭和文化から脱皮せよと鳴らした警鐘だったのではないかとすら思えます。

   10年後を見渡せば、国が宣言するカーボンニュートラルへの本格対応が2030年であり、国連が明示したSDGs(持続可能な開発目標)の目標達成期限が2030年です。これらの課題に対して、「表面を繕えばなんとかなる」「適当に金を使って、取組姿勢だけ見せれば問題ない」といった昭和的な考え方が通用しないであろうことは、言わずもがなのことです。

   「昭和」を知らない眞子さまは、ご結婚を前に30歳を迎えられました。この昭和にまったく染まっていない皇族が昭和の常識を打ち破る形式での結婚を挙行したことは、否定しようのない時代の変化を象徴する出来事であったと思うのです。このたびの眞子さんのご結婚こそが、昭和企業への変革のラストコールであると感じる次第です。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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