えっ! 急騰中のガソリン価格を安くできる? エコノミストが指摘する「とっておきのカード」を政府が切らないワケ

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   レギュラーガソリンが、ついに1リットルあたり平均168円台に突入した。原油価格の高騰が止まらないのに、産油国でつくるOPEC(石油輸出国機構)プラスは2021年11月5日、追加の増産を見送り、現状の生産を維持することを決めた。

   ガソリンの価格はどこまで上がるのか? 人々の暮らしは、日本経済はどうなるのか? そんななか、エコノミストが、日本政府はガソリン価格を引き下げる「とっておきのカード」を切るべきだという声をあげた。いったい、どんな切り札なのか――。

  • ガソリンを給油する時も気が重くなるほど高い(写真はイメージ)
    ガソリンを給油する時も気が重くなるほど高い(写真はイメージ)
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東日本大震災の発生で「凍結」した免税措置

   インターネット上で盛んに上がっているのが、「トリガー条項を発動せよ!」という意見だ。「トリガー」(trigger)とは、引き金を引く、起動させる、などの意味を持つ。ガソリンにかかっている高い税金の一部を免除するということだが、正式には、租税特別措置法第89条の「揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の税率の特例規定の適用停止」のことを指す。

   なにやら難解な表現だが、内容を簡単に説明すると、こうだ。

「レギュラーガソリン1リットルあたりの価格が3か月連続して160円を超えた場合、財務大臣は翌月からガソリン税の上乗せ分(旧暫定税率)25.1円の課税を停止し、その分だけ価格を下げる」

   今回は、10月4日にレギュラー1リットルあたりの平均価格が160円を超えてから、連続してあがり続けているため、このまま来年(2022年)1月まで高騰すれば、この「トリガー条項」発動の条件がそろうことになる。

   トリガー条項は、ガソリンにかかる税金が高すぎるという批判を受け、旧民主党政権下の2010年4月に成立した。しかし、翌年3月に東日本大震災が起こったため、復興財源を確保するという名目で運用が凍結されたままだった。

   過去に2度、トリガー条項の凍結解除の条件がそろったことがあった。「1リットル160円オーバー」が2014年に7か月間と、2018年に5か月間あったが、いずれも発動されなかった。まだ、復興途中というのが理由だった。

   しかし今回は、「新型コロナウイルスの感染拡大で、国民生活が苦しくなっている」「復興五輪を掲げた東京五輪の成功によって復興は果たした」などの理由から、凍結解除を求める声が高まっているのだ。

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