2022年 5月 19日 (木)

女性ならではの視点で行う「仕事と子育ての両立」支援が定着 福井県民生活協同組合の小林文さん

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   福井県民生活協同組合は、全国初で女性活躍に関わる2つの認定を受けている。2017年、厚生労働大臣の認定を受けた子育てサポート企業として、より高い水準の取り組みを行ったことが評価された「プラチナくるみん」、2020年には女性活躍推進の取り組み状況が特に優良な企業・団体に与えられる「プラチナえるぼし」だ。最近では「さばえ38(サンパチ)組」という地域の女性活躍推進活動にも参加している。

   福井県民生活協同組合の取り組みを、管理部人財教育・採用グループ課長の小林文(こばやし・ふみ)さんに聞いた。

  • 仕事と子育ての両立支援は「話を聞く」ことから……(写真は「くるみんの会」福井県民生活協同組合 提供)
    仕事と子育ての両立支援は「話を聞く」ことから……(写真は「くるみんの会」福井県民生活協同組合 提供)
  • 仕事と子育ての両立支援は「話を聞く」ことから……(写真は「くるみんの会」福井県民生活協同組合 提供)

創業時から掲げる「働く女性の応援団」

   ――女性活躍の取り組みは、どのようなにスタートしたのですか。

小林文さん「当生協は創立当初より『働く女性の応援団』を掲げています。組合員がほぼ女性ということ、福井県は共働き率が高いという2点から女性が働きやすい職場をつくっていくことが地域貢献にもつながると考え、女性が働き続けられる職場づくりに取り組んできました。その結果、2007年に『くるみん』マークを取得して、さらに女性活躍のために家庭と仕事の両立支援の取り組みが加速しました。
両立支援制度では、育児休業制度が代表的ですが、出産した女性の100%が取得しています。出産や育児を理由に退職した女性はいません。当生協では、子育て中だけでなく、介護中で1日2時間の短縮勤務を希望する場合に利用できる『短時間制度』があり、育児時短制度については中学校就学前まで取得可能です。
両立支援では女性の利用が定着してきましたので、男性も育児に参画できるように制度を設けました。『配偶者出産休暇制度』は、配偶者が出産予定前後に5日間連続して休みを取ることができます。2008年には『ベビー休暇制度』を導入しました。子供が1歳になるまでに最大7日間取得することができます。こちらを取得時は当生協から1万円支給しています。家族サービスをしてくださいという意味もあり、取りやすいようです。奥さんが仕事復帰する時期、お子さんが保育園に通う時期など家族のタイミングで利用されています」
仕事と子育ての両立支援のため、女性職員同士が働き方の悩みを話す機会を設けた(写真は、福井県民生活協同組合の管理部人財教育・採用グループ課長の小林文さん)
仕事と子育ての両立支援のため、女性職員同士が働き方の悩みを話す機会を設けた(写真は、福井県民生活協同組合の管理部人財教育・採用グループ課長の小林文さん)

   ――仕事と子育ての両立支援では、悩み相談などの活動があると聞いています。どのような取り組みなのでしょうか。

小林さん「当生協は、宅配、店舗、高齢者介護、子育て支援などの、6つの事業があります。そこでそれぞれの場所では人員配置も少なく、女性職員同士が悩みを話す機会も限られていることから出産、育児から復帰の際や今後の自分の働き方などを、話せる機会を設けています。
『くるみんの会』は、育児休業中の職員、出産休暇中の職員、復帰した職員も参加する会で年2回開催しています。組織の活動方針年度方針を伝えるとともに、参加者の交流の場になっており、経験者が参加していることで育児の悩み、保育園、働き方などの不安や悩みの解消に非常に役に立っていると思います。
『ポジティの会』は、両立支援がもうすぐ終わるという職員に対して、今後の働き方を考えてもらいます。年2回実施していて、自分のこれまでのキャリア形成からどこを伸ばしていきたいか考える場となっています。子育てをしていると立ち止まって考えることが難しいので、同じ立場どうしお互い理解しあえ、自分のことを考える機会になったと、前向きな感想があります」

「男性も女性も働きやすい職場を目指す」

「女性のつどい」に集まった女性職員(福井県民生活協同組合 提供)
「女性のつどい」に集まった女性職員(福井県民生活協同組合 提供)

   ――仕事と子育ての両立支援制度が手厚いですね。また、女性活躍という視点ではいかがでしょうか。

小林さん「非正規のパート職員から正規の職員に登用する『登用制度』があります。以前からあったのですが、2014年から積極的に進めていくようになりました。人材不足や頑張っている人により長く働き続けてほしいという思いからです。現在、当生協の女性の割合は、正規職員で52.2%です。非正規のパート職員は女性が多いので、本人の希望を聞いたうえで登用していくことで女性の比率も上がってくると思います。一例として、2012年にお店のパート職員として採用された女性が2018年に正職員になり、今秋から副店長として活躍しています。パート職員の中には熱意のある方も多く、自分で通信講座を受講し、努力されている方もいます。このような通信講座は正規、非正規関係なく同じく一部補助の制度を設けています。
2012年から年1回『女性のつどい』を行っています。分散して勤務しているため、自分のロールモデルが近くにいない、自分の悩みを相談したいなどの理由で若手の女性職員を中心に集まり、先輩職員への質疑応答から、将来のことを考える会です」

   ――事務局として大切にしていることはありますか。

小林さん「『女性が働きやすい職場=男性も女性も働きやすい職場』と考え、子育てだけでなく、介護をする職員、最終的にはすべての職員にとって働きやすくするために取り組んでいますが、制度とともに風土をつくることが重要です。りっぱな制度だけあっても取得しやすい風土がなければ、取得するのが悪いなとか後ろめたいと思うよりは、みんなが『いいよ』と言える職場をつくることだと思います。当生協では、以前からの取り組みによって風土も醸成されてきていますが、今後も継続して職員が働きやすいように取り組んでいきます」

   ――企業風土をつくるために事務局はどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

小林さん「所属長がキーポイントになっていると思います。所属長がしっかりと制度があることを理解する。所属長の上の部長にも制度を推進してもらうこと。所属長の中には制度を取得できる男性もいますので、まずは配偶者出産休暇やベビー休暇制度を取ること。また自分が取ったことで、『取得したほうがいい』と言えるように、所属長に伝えていくことだと思います。
現在、女性管理職は22.4%です。女性が自ら本気で管理職にチャレンジしていけるようにすることも大切だと考えています。自己学習の形式ではありますが、男女問わず管理教育について学ぶ『経営塾』があり、今までは金曜日の夜に開催していましたが、両立支援を受けている女性には通いづらいこともあり、受講者の希望を募り、今年度は日中開催になりました。このように少しでも意欲のある方たちが行動しやすいように事務局でも応援していきます」

   ―-「さばえ38組」の活動について教えてください。

「鯖江地区の経営者でまとまり、女性活躍推進の決起集会がありました。当生協は地域に根差した活動をすることを大切にしていますので、地域連携には積極的に参加しています。女性が頑張れる職場は、女性の声を聞けますし、求めていることも聞けますので、うまく循環していくといいと思っています」

(ライター:水野矩美加)


プロフィール
小林 文(こばやし・ふみ)
福井県民生活協同組合 管理部 人財教育・採用 課長
2000年大学卒業後に福井県民生活協同組合に入協。入協後、1年間宅配事業の担当者として業務に従事。その後、共済担当者、総合品質管理室の課長を経て、2015年より現職。

水野 矩美加(みずの・くみか)
水野 矩美加(みずの・くみか)
アパレル、コンサルタント会社を経てキャリアデザインをはじめとする人材教育に携わる。多くの研修を行う中で働き方、外見演出、話し方などの自己表現方法がコミュニケーションに与える影響に関心を持ち探求。2017年から、ライター活動もスタート。個人のキャリア、女性活躍、ダイバーシティに関わる内容をテーマに扱っている。
戸川 明美(とがわ・あけみ)
戸川 明美(とがわ・あけみ)
10数年の金融機関OLの経験を経て、2015年からフリーライター、翻訳業をスタート。企業への取材&ライティングを多く行う中で、女性活躍やダイバーシティの推進、働き方の取り組みに興味をもつ。
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