2024年 4月 18日 (木)

「コロナ後」は見えたか! 2022年の不動産・住宅市況はどうなる?(中山登志朗)

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2022年は住宅ローン減税に大きな変化 春先には駆け込み需要も

   では、来るべき2022年はどうなるかというと、まさに住宅ローン減税が制度変更されることの影響が表れるものと思われます。22年度の税制改正大綱では会計検査院の指摘を受けたことから、住宅ローン減税の控除率が1%から0.7%に縮小されることが決まりました。併せて世帯年収要件も3000万円から2000万円に引き下げられます。

   また、新築住宅は13年の減税期間が適用されますが、中古住宅は10年になるため、損得だけで考えれば中古住宅に対するニーズが若干薄らぐ可能性はあるでしょう(来年3月までは現行制度下での1%控除が適用されますから駆け込み需要が発生する可能性もあります)。

   また、住宅ローン減税対象物件の面積要件は40平米以上(新築住宅のみ/世帯年収1000万円以下)に維持されました。これによって専有面積が狭めのコンパクトマンション(戸建てはほぼ対象になりません)の売れ行きも引き続き好調を維持する可能性があります。さらに、住宅購入目的の資金贈与非課税枠1500万円も2年間延長されました。

   住宅政策は、基本的に国や地方自治体の税収を確保するという点で、必要欠くべからざる重要政策であり続けていますし、また国民の住宅購入意欲を維持・喚起することは景気浮揚にも欠かせないものです。

   したがって、コロナ禍で「国の経済を回す」ことを考慮した時、常に住宅購入支援策は経済政策の中心に据えられるべきものです。2022年の住宅市場においては、コロナの影響をいち早く脱して成長軌道に戻すことが期待されているのです。

(中山登志朗)

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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