「株は経済の先行きを映す鏡」という相場格言がある。大和証券「学ぶ・セミナー」の「基礎を学ぶ」にある投資の格言には、「人は、鏡に映る自分の顔や表情、姿などで健康かどうかを判断することが多いものです。同じように、経済・景気を人の顔色や姿に、株価と株式マーケットを鏡に見たてて、経済・景気の健康状態を論じる時に使います。たとえば、株価が下落傾向にある時や株式マーケットで出来高が少なく沈滞しているときは、経済の先行きが思わしくないことを表しているということです」と、解説されている。2022年に入って、新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」の急拡大で株価が下落基調で推移。やはり、日本経済の先行きは暗いのだろうか。いささか、心配になってきた。今がチャンス!?「夜明け前が一番暗い」最近の日経平均株価は、振れ幅が大きくなっているようだ。2022年1月25日は高値と安値の値幅が603円(高値2万7493円~安値2万6890円)となっている。しかし、オミクロン株のピークアウトが確認されれば、株式市場はいち早く株価に反映するはず。実際、このコロナ禍の2年間、緊急事態宣言が発出されれば経済活動が止まるので株価も下がり、解除されれば再び上昇に転じる。そんな感じで推移してきた。日本も、米国も欧州も、そんな動きだった。夜明け前が一番暗いといわれているように、今が底に近いと見て、「良品計画」に注目した。なぜか――。小売りは景気の影響を、真っ先に受けやすい業種の一つだからだ。消費者は「景気が悪い」と聞けば、財布のひもをギュっと握るし、ましてさまざまな商品が値上げラッシュにある今、消費者による買い控えが起こるかもしれない。小売りにとっては逆風なのだ。ところが、良品計画はそうでもないようだ。2021年12月発売の、会社四季報(2022年1集新春号)では、「良品計画」の企業業績について、22年8月期、23年8月期ともに、良好に推移すると予想している。「業績予想記事・材料記事」の項をみると、【増益続く】「店舗純増81(前期純増37)で国内出店大幅増。中国堅調維持、欧米は赤字縮小。出店費用かわし営業益着実増」の状況と書かれていた。海外の店舗展開も、明るさが見えてきたようにも思える。日頃から、良品計画の商品力、海外・国内の店舗展開については、ともに優れていると考えていることもある。今度はナンピン買いを成功させたい加えて、良品計画株はコロナ禍が始まった2020年3月3日に、1450円で100株を買ったのが初めてだった。この時は、20年8月期決算(コロナ禍での変則決算)で、当期純利益は169億円の赤字見込みだった。それが原因で良品計画の株価は大きく下げていた。「ここが底か」と思ったこと、またその後のナンピン買い(保有する銘柄の株価が下がったときに、さらに買い増して平均購入単価を下げる買い方)も考えていた。そして、2021年1月29日に2510円になったところで、10万6000円の売却益を得た。残念だったことは、考えていたナンピン買いのタイミングを、あと一歩で逸したことだった。そこで、今こそ「株は経済の先行きを映す鏡」の格言を信じてみたい。日経平均株価は2万7000円台の低位で落ち着きつつある。今回の良品計画の取得目標価格は、1550円とした。これは、天井をつけた後下落局面に入った時に、底の水準を判断する目安とされる相場格言「半値8掛け2割引」の、「半値8掛け」にあたる1648円から100円マイナスした額になる。ちなみに、高値は2018年6月に付けた4120円。その半値2060円。8掛け1648円。2割引で1318円となる。そんななか、前日の米ニューヨーク・ナスダック市場の株価下落を受けて始まった1月19日の東京株式市場は、日経平均株価が790円安の2万7467円で終えた。その日の後場、良品計画を1531円で100株取得することができた。次は、1480円(半値8掛け1割引き)でのナンピン買いを考えている。前回タイミングを逸したナンピン買いを、今度は成功させたい。ロシアによるウクライナ侵攻への懸念による地政学リスクがくすぶるものの、オミクロン株が収束に向かっていけば、世界経済は明るさが見えてくるはず。今が、買いどきと考えている。【良品計画】(7453)2022年2月4日現在 保有100株 平均取得単価1550円25銭昨年来高値2021/3/182829円昨年来安値2022/1/211475円直近 終値2022/2/7 1763円(石井治彦)
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