2022年 7月 6日 (水)

社内に眠れる「宝の山」顧客情報、すぐ発掘を! 「オンライン営業」時代のいまこそ最大活用できる!〈その1〉(大関暁夫)

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   営業のオンライン化が進んでくると、リアル営業で有効面談時間を増やす足かせになってきた移動時間が大幅に削減されます。したがって、その浮いた時間をいかにして有効面談時間に振り替えることが出来るかが、営業成果の法則(営業成果=営業知識×営業活動量)からみて、営業成果を伸ばすポイントになるのです。

   新たな有効面談を作り出すためには、やみくもに新規活動を増やすよりも、まずはリアル営業で、アプローチが疎かになりがちだった潜在的取引先を掘り起こすことが効果的といえます。そのための有力手段として、顧客推進リストの整備・活用をおすすめします。

  • いまこそ顧客推進リストの整備・活用を
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非効率でもったいない営業活動になっていませんか?

   昔は企業規模の大小を問わず、取引実績先でも担当者の交代等を機に、取引が疎遠になってアプローチをしていなかったり、そもそも取引実績先でありながら存在そのものすら営業担当者が知らなかったり......。およそ非効率でもったいない営業活動がまかり通っていたものです。私自身が知る限りにおいては、ネット営業を活用する時代になっても、中小企業の多くでは、これと大差ない非効率営業がいまだに多く存在していると感じています。

   取引実績先のリストが整備されていないというのはオンライン営業が重要性を増した今、論外である、と申し上げておきます。同時に、取引実績はなくとも、たとえば過去に営業アプローチした先や、展示会出展時などに自社ブースで名刺交換した先の名刺情報など、有力推進ターゲット情報が営業担当者個人所有の情報になっている――これも、営業情報管理の点で失格です。やるべきことは、会社として顧客情報をしっかり管理し、その全体を会社把握したうえで推進方針を会社が指示し、その進捗を管理するということなのです。

   大企業では近年、デジタルマーケティング技法の進展によって、セールスフォースなどを活用した顧客管理が一般的になってきています。具体的には、既存先推進における過去の取引先情報や、あるいは有料で手に入れた地域別・業種別の法人情報などを、推進目的に合わせた必要な条件でソートをかけて営業推進リストをつくり、各リスト掲載先に目的別のアプローチを試みるという手法です。中小企業では大きなシステム投資まではできなくとも、これに類する顧客推進リストづくりは手作業でも十分に可能です。手始めに、取引実績先や営業アプローチ実績先などをリスト化することからはじめるのがいいでしょう。

過去の取引実績、あらためて確認しよう!

   具体的な手順について説明しましょう。

   まず、過去の受注台帳など社内に眠っている取引実績先情報、営業担当が個々人で持っている接触実績先の名刺情報等、現時点で動いていない眠っている情報を収集します。会社によっては受注台帳のような形式で整理されていなくとも、売上票、受注票あるいは発注書などの情報は必ず社内に存在しています。

   それらを一覧にして、営業推進候補先リストとして整備するのです。どのぐらい古い情報が社内にあるかにもよりますが、実際にやってみると、現在の営業担当者全員が全く面識のない過去の取引実績先が、驚くほど多く出てくることもよくある話です。

   取引実績に関する情報は、一般的には税法上管理の必要から、どこの企業でも最低過去7年分は保管されているはずです。経験から申し上げれば、それよりも古い情報も捨てられているケースの方が圧倒的に少なく(不要データを定期的に廃棄するような管理が定着しているような企業では、過去の取引先実績は既にしっかり活用されていることがほとんどです)、さかのぼること10年~20年分の取引実績が社内のどこかに紙データで残っていることも多いのです。これらは社内に埋もれた「宝の山」と考えてください。

   取引実績情報がそろったら、次に各取引実績企業の基本データを整備します。必要データは、「正式社名」「本社所在地」「業種」「電話番号」「窓口部署」「担当者氏名(当時の)」「メールアドレス」「直近受注時期」「直近受注内容」を基本とします。不明な部分は空欄でかまいません。必要に応じて、これら情報に追加情報を加えていただて結構です。データはエクセル形式で保存しておけば、CSV形式での吐き出しが可能なので、将来的に市販の営業管理ソフト等を使う際にも汎用性が期待できます。

   データの調査方法ですが、まず何よりも、現在その企業が存続しているか否かを調べます。一番簡単な方法は、ネットの検索エンジンで会社名を検索して、ホームページがあれば現存、なければいったん保留先とします。現存先は、ホームページから先の基本データをわかる範囲で埋めていきます。名刺情報も同じく、存続確認をして、ホームページでデータの補完をします。

玉石混合?!名刺情報も洗い出そう!

   名刺情報は、今では名刺データ化ソフトなどを使ってデータベース化している企業も多いと思います。ところが、古い情報で漏れているケースもあるので、それもあわせてリスト化するのが好ましいです。

   この情報は玉石混合ですが、初期情報は多いに越したことはありません。過去に営業担当がアプローチして取引に至らなかった先で、タイミングさえあえば受注可能性のある先が埋もれているケースも間々あるからです。前任から引き継いだ名刺等も含め、あるものはいったんすべてリストに入れて、個人管理から会社管理に移行させてください。

   ここまでの作業は、営業担当自身がやる必要はなく、営業事務担当、あるいは総務担当に手伝ってもらうことで、フィールド・セールス(渉外営業)とインサイド・セールス(社内営業)部隊の役割分担の第一歩とすることが可能です。

   次回〈その2〉では、空欄情報の埋め方、保留先の対処方法等について説明します。

(大関暁夫)

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
藤崎 健一(ふじさき・けんいち)
ディーキューブ株式会社
代表取締役社長
大学卒業後、大手カタログ通信販売会社へ入社。ダイレクトマーケティングを学ぶ。米国シリコンバレーで研修後、「すべての企業に顧客データ活用のマーケティングを!」を掲げ、日本初の「Eメール・マーケティング」サービスを手掛け、自動車や化粧品、ゲームメーカーなどへサービスを提供。大手消費財メーカー向けオンライン営業を立ち上げ、非対面で顧客との関係性を構築し、ポテンシャルある顧客を営業へ繋ぐ「インサイドセールス」を実践。中堅・中小のBtoB事業者向けにデジタル活用の営業の仕組み化サービスを展開している。
静岡県生まれ。
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