2024年 4月 26日 (金)

企業も歓迎、異業種×異職種への「越境転職」 成功の秘訣はスキル&ワクワク感の掘り起こしにアリ!

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自分の持つスキル、ワクワク感を掘り起こす!

   一方の企業側も、異業種・異職種からの「異能人材」を歓迎している。その背景には、長らく続く構造的な人材不足と、ビジネスモデルの変化への対応がある。企業の業況感を見ると、2008年のリーマンショック以降は回復し、コロナ禍で再び悪化した。ところが、雇用人員の不足感はリーマンショック以降、業況感を上回るかたちで推移している。

   こうした状況を裏付けるように、リクルートが直近で行なった「2021年度上半期中途採用動向調査」(2021年7~8月実施)では、中途採用計画を満たせなかった企業は約7割。そのため、約2割の企業は、人材要件を変更して対応した。理由の上位二つは「自社のビジネスモデルが変化し、これまでと異なる人材が必要になったため」(41.7%)、「これまでの人材要件では必要とする人材を採用できなかったため」(39.2%)とある。

   ビジネスモデルの変化による人材要件の変更とは、たとえば自動車業界を例にすると、電気自動車(EV)へのニーズの高まりから、エンジンの開発者よりも、EV関連の知見を持つ異能人材を求める。または、サブスク的な考えのシェアリングサービスのビジネスも出てきたので、ケータイなどの料金プラン設計の知見を持つ異能人材を求める、などだ。

「絶えず変化して成長したい企業としては、新商品・新市場に打って出るためにも『異能人材』への期待が大きいのです。一方で、働き手としても、同じ会社や同じ業界ではコモディティ化(陳腐化)してしまうので、成長機会を得たいと考えている。双方の考えがあいまって、私たちの調査によると、いまや転職市場では『越境転職』が最多パターンとなっています=図表2参照」(藤井さん)
(図表2)『越境転職』は最多パターン(リクルート作成)
(図表2)『越境転職』は最多パターン(リクルート作成)

   では、こうした「越境転職」を成功させるポイントは何か――。藤井さんはキーワードに「ディグる」を挙げた。「ディグる」とは、自らの経験、スキル、感情を深く掘り起こすこと。そこで得た気づきから、次のステップへと踏み出していくことは「ディグるキャリア」と呼ばれる。中古レコードを探す行為を「ディグる」と呼ぶが、それになぞらえた言葉である。「ディグる」には、宝物を掘り当てる、というニュアンスもあるという。

   それぞれの人が「ディグるキャリア」を考えるには、左脳的な視点で自身の「スキル」を把握するとともに、右脳的な「ワクワクする感情」の両方を棚卸ししていくことがポイントだ。

   元旅行代理店勤務の吉屋さんは、「ディグるキャリア」を実践して、RPA(=ロボットによる業務自動化)を担うエンジニアに華麗なる転身を果たした一人だ(=図表3参照)。

   子どもの頃から、パソコンやプログラミングに興味があった吉屋さん。旅行代理店時代、簡単なプログラミングを組んで職場の業務改善をおこなったところ、同僚たちからはおおいに喜ばれた経験があった。こうしたスキルへの興味と感情の掘り起こし(「ディグる」)がきっかけとなり、自身の成長を意識した「越境転職」につながったのだ。

(図表3)「ディグる」ことで転身を果たした吉屋さん(リクルート作成)
(図表3)「ディグる」ことで転身を果たした吉屋さん(リクルート作成)
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