2024年 4月 20日 (土)

ネクステージ社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や平均勤続年数もチェック!

   上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる「のぞき見! となりの会社」。

   今回取り上げる中古車販売のネクステージは1998年に愛知県で創業。2013年7月に東証マザーズ上場にすると、翌14年9月に東証一部へ市場変更し、同年12月には名証一部へも上場しています。現在は本社を名古屋に置き、北海道から沖縄まで全国に店舗網を形成しています。

  • 業績が好調な中古車販売大手のネクステージ(写真はイメージ)
    業績が好調な中古車販売大手のネクステージ(写真はイメージ)
  • 業績が好調な中古車販売大手のネクステージ(写真はイメージ)

業績は右肩上がりの絶好調

   それではまず近年の、ネクステージの業績の推移を見てみましょう。

ネクステージの業績は右肩上がり!(表は、筆者作成)
ネクステージの業績は右肩上がり!(表は、筆者作成)

   ネクステージの業績は上場以来右肩上がりで、売上高は2011年11月期の283億2000万円から2021年11月期の2912億6300万円へと、10年間で10倍を超える伸びを見せています。

   利益も順調に伸びており、2011年11月期の営業利益は前期比99.8%増の136億3700万円、最終利益は同103.9%増の96億6300万円。営業利益率は4.68%で、前期の2.83%から1.85ポイントも改善しています。

   2022年11月期の期末業績予想は、売上高が前期比20.2%増の3500億円、最終利益は同24.2%増の120億円となる見込みです。

   ちなみに、中古車買取チェーンとしてはIDOM(旧ガリバーインターナショナル)という最大手のライバル会社があり、2022年2月期の業績予想として売上高4500億円、営業利益170億円を見込んでいます。

◆2021年11月期はすべての事業部で黒字を初達成!

   ネクステージは「自動車販売及びその附帯業務」の単一セグメントですが、(1)中古車販売事業(2)新車販売事業(3)整備事業(4)保険代理店事業(5)自動車買取事業及び自動車出張買取事業(6)カーコーティング事業――の6つの事業を展開しています。

   そして、これらを取り扱う「販売店」「買取店」「整備店」「ディーラー店」という4種類の店舗事業を展開。2021年11月期には赤字だった整備店とディーラー店の収益が改善し、営業利益ベースで初めて全事業部での黒字を達成しています。

   店舗のカテゴリーブランドには、総合店の「ネクステージ」のほか、大型専門店の「SUV LAND」、大型中古輸入車専門店の「UNIVERSE」があります。新車販売店では、スウェーデンのVOLVOやイギリスのJAGUARやLAND ROVER、イタリアのMASERATI、ドイツのVOLKSWAGEN、AUDIといった輸入車を扱っています。

   地域別販売高は、本社のある東海北陸地方が最も大きく全体の33.8%を占め、次いで関東甲信越地方の25.5%、関西地方の16.6%です。

   右肩上がりで業績を上げてきたネクステージは、従業員数も急速に増えています。

   2021年11月期の売上高は4期前と比べると2.4倍に増えていますが、従業員数は単体3471人、連結3725人でそれぞれ3倍近く増えています。

   ちなみに、業界最大手のIDOMの従業員数(2021年2月期)は単体3318人、連結4629人で、単体ではネクステージより少なくなっています。

ネクステージの平均年間給与、業界最大手より高いかも?

   ネクステージの平均年間給与(単体)は、一時減少した期間があったものの、2021年11月は2期前と比べて22万円増の540万円に。平均年齢29.8歳、平均勤続年数2.8年も増加傾向にあり、社員の定着率が上がっていることがうかがえます。

社員の定着率は上がっている(表は、筆者作成)
社員の定着率は上がっている(表は、筆者作成)

   中途採用の求人広告によると、営業系総合職(販売/買取)の給与は、みなし残業代42時間分を含めて月給23~32万円。賞与は年2回支給で、入社1年目の平均年収は「500万円以上可能」とされています。

   これに加えて、月間販売台数に応じたインセンティブ(成功報酬)が支給されます。インセンティブの平均額は、全営業で月15.5万円、トップセールスですと月150万円以上稼ぐ人もいるようです。

   ちなみに、ライバルIDOMの平均年齢(2021年2月期・単体)は32.3歳とネクステージより高く、平均勤続年数(同)は5.5年と2倍近く長いですが、平均年間給与(同)は472万1766円とネクステージを下回っています。

   ネクステージの取締役7人(社外取締役を除く)の報酬などの総額は2億9900万円です。代表取締役会長は、同社の前身である有限会社オートステージヒロタを創業した広田靖治氏(48歳)。代表取締役社長執行役員は、競合のビッグモーター出身の浜脇浩次氏(52歳)です。

◆「2030年売上高1兆円」に向けて採用育成強化

   ネクステージが2022年1月に公開した「中期経営計画」によると、ネクステージは「2030年ビジョン」として「売上高1兆円、営業利益率9.0%」という高い目標を掲げています。

   この達成に向けて、販管費率を14.0%に抑え(直近15.2%)、売上総利益率も23.0%(同20.0%)に改善。管理顧客数も300万人(同50万人)に拡大していくことが目標に掲げられています。

   このほか、店舗数を2022年11月期までに56増やし238まで伸ばす予定で、採用方針として「人材獲得と離職防止」を掲げています。平均年間給与が業界最大手のIDOMより高く設定されているのも、これらの方針に沿ったものといえるでしょう。

   ネクステージの株価は2500円前後で推移しています。2020年春のコロナ禍ショックを除けば、安定した右肩上がりの上昇を続けており、2021年1月20日の1275円から2022年1月17日の3200円まで、1年で2.5倍増を記録しています。

(こたつ経営研究所)

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
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