上場来高値を連日更新の三井物産株...強みの「資源」価格高騰で期待 でも、ウクライナ問題で不透明な状況も

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   大手商社、三井物産の株価が上場来高値を連日更新し、投資家の注目を集めている。三井物産が強みを持つ原油や鉄鉱石といった資源の価格が上昇または高止まりしているほか、機械やインフラ、化学品など非資源分野でも足元の業績が好調なためだ。2022年3月期の連結最終利益予想が大手商社の首位に浮上しており、好調な商社株のなかでもリーダー的な位置づけになる可能性もある。

  • 上場来高値続く三井物産株に注目
    上場来高値続く三井物産株に注目
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14年半ぶりの上場来高値更新後も、上昇

   三井物産株は2022年3月16日から終値が前営業日比で上昇を続け、連騰4営業日目となる22日に一時、前日終値比211円(6.7%)高の3345円まで値上がりし、2007年10月以来、14年半ぶりに上場来高値を更新した。終値は25日まで7営業日連騰。上場来高値は28日まで連日更新した。

   株価上昇を支えているのは資源価格高騰だが、その他にも材料はある。なかでも注目されているのは著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの動きだ。2022年2月末に公開された株主への書簡で、2020年8月に5%ずつ取得した大手5商社のうち、伊藤忠商事、三井物産、三菱商事の出資比率(2021年12月末時点)がそれぞれ5.6%、5.7%、5.5%へ上昇しているのが確認された。伊藤忠も三菱商事も足元で株価が急伸しており、バークシャーの買い増し効果と見る向きが多い。

   証券会社の判断も後押ししている。大和証券は3月17日付のリポートで総合商社セクターの業績予想をアップデートし、セクターとしての「強気」を継続したうえ、伊藤忠と三井物産について最も買いを推奨する「トップピック」に位置づけた。

   同時に、伊藤忠の目標株価を4500円から5200円に、三井物産は3600円から4100円に引き上げた。リポートは「ウクライナ紛争によって資源需給がよりタイトになる」と背景を述べている。

業績順位の入れ替わり激しい大手商社

   大手商社は近年、業績(最終利益)の順位の入れ替わりが激しくなっている。2021年3月期は、伊藤忠が前年首位の三菱商事に代わって5年ぶりに首位となった。

   食料やIT関連など「非資源」に強い伊藤忠に対し、2022年3月期は三菱商事や三井物産が資源高を背景に収益を改善。最新の最終利益予想では伊藤忠、三菱商事の8200億円に対し、三井物産が8400億円と頭一つ抜け出す格好となっている。

   もっとも、当然ながらウクライナ紛争による資源高の行方は不透明だ。欧州各国が脱ロシアの動きを強めて資源価格のさらなる上昇を呼ぶかもしれないが、なかなか見通しがたい。また、上場来高値水準まで株価が切り上がってくると、ちょっとしたマイナス材料で調整局面を招く可能性もある。そのあたりに注意が必要と言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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