2022年 7月 4日 (月)

多様な働き方へ...「週休3日制」検討企業相次ぐ なのに、身近な「週休0日」の仕事改革がスルーされてしまうのはナゼ?(川上敬太郎)

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   多様な働き方を後押しできると、政府は週休3日制を検討しているとか。ファーストリテイリングやヤフー、みずほ銀行、塩野義製薬、日立製作所、パナソニックなど、そうそうたる会社が、すでに週休3日制を導入する方針を打ち出しています。

   アイスランドやスウェーデン、スペインなど、海外でも週休3日制導入が前向きに検討されている、なんて話も聞きます。

  • 週休3日制になっても、結局家でゴロゴロしてしまう?
    週休3日制になっても、結局家でゴロゴロしてしまう?
  • 週休3日制になっても、結局家でゴロゴロしてしまう?

日本の会社員は疲れ切っている...

   休みが増えるなんて、とてもいいことではないですか。

   日本の会社員は疲れ切っています。毎日通勤電車にゆられ、睡眠時間を削り、遅くまで働いてきました。働き方改革の必要性が叫ばれるようになって法律を改正し、長時間労働が規制されるなど環境は変わってきましたが、旧態依然としたままの職場がまだたくさんあります。

   週休3日制が導入され、さらに残業もなくなれば、休める時間はかなり増えます。どれだけ休みが増えるのか、ちょっと計算してみましょう。

   週休2日だと、働くのは週5日です。1日8時間労働として、毎日2時間残業した場合、週の勤務時間は5日×(8+2)時間=50時間。それがもし、週休3日で残業なしになると、週の勤務時間は4日×8時間=32時間。

   ということは、週休2日で毎日2時間残業した場合と比べて、週18時間も休める時間が多くなります。1年は約52週なので、年間だと18時間×52週=936時間! 日数にして39日分にもなるではないですか。

   その分お給料が減ってしまうのは勘弁願いたいところですが、これだけ休めれば日々の疲れを癒すには十分そうです。

   むしろ逆に、そんなに休んで何するの? という疑問が湧いてくるかもしれません。余暇の楽しみがある人なら問題なさそうですが、こんなに休みをもらっても、とくにやることがないという人もたくさんいるのではないでしょうか。

   休んでもすることがなければ、年間39日分の休みも宝の持ち腐れになってしまいます。スキルアップのために勉強したり、副業に勤しんだり、などと頭では思い描いても、結局家でゴロゴロして過ごしてしまう、なんてことになりそうです。

   働き方改革は「休み方改革」とも言われます。週休3日を活かすには、まず休日の楽しみや目的を持った方がよさそうです。

   その一方で、週休3日制という言葉を目にするたびに頭に浮かぶ素朴な疑問があります。

   週休3日どころか、世の中には昔から問題視されている週休0日の仕事があるのに、こちらの対策がおろそかになっていませんか?

主婦業の「週休0日」問題、ぜひ話し合って!

   そう、家事や育児です。

   多くのご家庭では妻が担っているため、家事育児は俗に、「主婦業」と呼ばれます。主婦業には、ほぼ365日休みがありません。ゴールデンウィークだ! 夏休みだ! 年末年始だ! と、世間や家族が浮かれていても、主婦は家周りのことに追われます。というかむしろ、家族が家にいる分、世間が休みの日の方が大変だったりします。

   また、体調が悪い日でも、家族は簡単には休ませてくれません。なかには、インフルエンザで熱を出して寝込んでいる妻に、「今日の晩メシどうする?」と聞いてくる非情な夫もいるそうです。

   家事代行を頼んだり、旅行先で食事付きのホテルに泊まったり、実家に帰って上げ膳据え膳で親に甘えたりできた時だけが、主婦たちにとっての休みです。あとはほぼ週休0日。ブラックです。

   そんな主婦たちの前で週休3日制の話をしたら、

「はぁ?その前に週休1日でいいから主婦にも休みをちょうだいよ!」

と逆鱗に触れてしまいそうです。

   もちろん、「それが務めだから」と意に介さない主婦もいるとは思いますが、週休0日の大変さは、もっと理解されてよいはずです。

   週休3日制の導入は大いに結構なことですが、そんな社員思いの経営者や人事の方々にぜひともお願いです。家に帰ったら、主婦業の週休0日についても、改革案について話し合っていただけませんか? 職場だけ週休3日の議論を進めるというのも、ヘンな話だと思うのです。

   そして、週休3日になってもやることがなく家でゴロゴロしてしまう人へ。増えた休みを「主婦業」に充てれば、やるべきことも見つかるし、主婦の週休を1日増やすことができて一石二鳥ですよ。

(川上敬太郎)

川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)
ワークスタイル研究家
男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌「月刊人材ビジネス」営業推進部部長兼編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関「しゅふJOB総合研究所」所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。
雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する「働く主婦・主夫層」の声延べ4万人以上を調査・分析したレポートは200本を超える。
NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」などメディアへの出演、寄稿、コメント多数。
現在は、「人材サービスの公益的発展を考える会」主宰、「ヒトラボ」編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役、JCAST会社ウォッチ解説者の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。
1973年生まれ。三重県出身。
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