2024年 4月 16日 (火)

食品値上げが止まらない!...上場食品105社、計6000品目で これまでの内容量減らす「ステルス値上げ」では限界

値上げの背景に「企業努力で吸収可能な余力を超えている」

   値上げ率が15%と最も高いのが、酒類・飲料(744品目)だ。焼酎類はサトウキビなどから作られる粗粒アルコールの価格高騰の影響が大きい。一方、ワインは、輸入ワインが物流費の高騰と円安のダブルパンチを受けたため、値上げ幅が大きくなった。

ワインも物流コスト高騰と円安のダブルパンチで値上げに(写真はイメージ)
ワインも物流コスト高騰と円安のダブルパンチで値上げに(写真はイメージ)

   菓子(431品目)は、ジャガイモの不作のほか、油脂、砂糖といった原料高、包装資材の高騰が響いた。乳製品(400品目)は、乳牛の飼料であるトウモロコシの価格高騰と、中国国内で健康食品としての「チーズ人気」が高まり、世界的に輸入チーズの消費が拡大したことが影響している=図表3参照

(図表3)価格改定の食品・分野別の原因など(帝国データバンクの作成)
(図表3)価格改定の食品・分野別の原因など(帝国データバンクの作成)

   それぞれ、さまざまな事情がからんでいるわけだが、帝国データバンクでは、

「これまで食品メーカーでは、大多数が値段を据え置いたまま内容量を減らす『ステルス値上げ』でコストアップに対応してきた。しかし、世界的な食料品相場の上昇に加え、原油価格の高騰に伴う物流費と原材料費の値上がり、為替でも円安傾向が続くなど全方位でコスト増が続き、企業努力で吸収可能な余力を超えていることが、今年以降価格への転嫁をせざるを得ない背景としてあげられる」

と分析している。

(福田和郎)

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