2024年 4月 30日 (火)

日米同業他社「決算書」比較すると...東洋経済「図解で攻略!決算書大解剖」、ダイヤモンド「マンション管理」、エコノミスト「地銀&メガ」を特集

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

  • 決算書を読み解く(「週刊東洋経済」の特集から)
    決算書を読み解く(「週刊東洋経済」の特集から)
  • 決算書を読み解く(「週刊東洋経済」の特集から)

日米の同業他社を比較すると決算書がよくわかる

「週刊東洋経済」(2022年6月4日号)
「週刊東洋経済」(2022年6月4日号)

   「週刊東洋経済」(2022年6月4日号)の特集は、「図解で攻略!決算書大解剖」。決算書の特集といえば、ライバル誌「週刊ダイヤモンド」の「最新超楽チン理解 決算書100本ノック」(2021年6月26日号)や「決算書100本ノック! 2022年版」(2021年12月11日号)が役に立ったが、「週刊東洋経済」の本特集は新機軸を打ち出した。

   テスラとトヨタ自動車。アップルとソニー。ネットフリックスと日本テレビホールディングス(HD)など、日米同業他社の決算書を比較して分析、そこから見えてくるものをズバリ解説しているのだから、面白くないはずがない。

   コンセプトはこうだ。「難解な決算書はビジュアル化し、複数の企業同士や経年で比べてみることで、簡単に攻略できる」。実際の企業の決算書を基に始まる。

   電気自動車(EV)世界最大手の米・テスラとトヨタ自動車を比べて、こう見出しを付けている。

「『身軽さ』で高利益率実現」

   年間出荷台数(2021年度)は93.6万台とトヨタの1割強だが、テスラは営業利益率19.2%を記録した(2022年1~3月期決算)。業界上位の利益率を誇るトヨタでさえ10%前後だから、「ありえない数字」と驚嘆された。

   その秘訣は、身軽さと効率化にあった。決算書を見てみよう。まずはテスラ。賃借対照表によると、総資産は8兆770億円(621億ドル)だが、総資産回転率は0.86回とメーカーとしては高い。

   バッテリー生産を内製化しているものの、有形固定資産は約2.5兆円(188億ドル)と少ない。販売体制も系列のディーラーを使わない直接販売でオンラインが中心だから、販売促進費を大きく削減している。純利益を生産台数で割った1台当たり利益を見ると、トヨタの倍以上の水準だ。

   一方のトヨタ。グループ全体の販売台数は1000万台を超える。多くの工場や設備が必要になり、有形固定資産だけで12兆円を計上している。テスラは約2.5兆円だから、いかにテスラが身軽なのかがわかるだろう。

◆ソニーとアップルを比較

   日本企業としては成功モデルと称賛されるソニーと米・アップルを比較した記事も、興味深い。時価総額はアップルの2.3兆ドル(約300兆円)に対し、ソニーグループは14兆円。

   なぜ、こんなにも差がついたのか。ビジネスモデルは何が違うのか。アップルは主力製品のiPhone事業の売上比率は52%だが、アップルストアなどサービス事業も売上と利益を伸ばしている。全世界で10億人とされる巨大なiPhone経済圏の威力の賜物である。

   かたやソニー。祖業のエレキ部門は売上全体の24%に過ぎない。エレキを上回るのが、ゲーム機「プレイステーション5」を持つゲーム事業の28%であり、映画事業、音楽事業も好調だ。

   ゲーム・映画・音楽のエンタメ3分野で、売上高の51%、営業利益の64%を稼いでいる。規模も稼ぎ方も違うが、「お互いに意識し合う存在であることは間違いない」と見ている。

   このほか、米・グーグルと日本のヤフーなどを抱えるZホールディングス(HD)、米・アマゾンと楽天、中国・アリババ3社の比較などが興味深い。

   国内企業同士でも、セブンイレブンとイオン、JALとANA、伊藤忠と三井物産などを比較しながら分析。損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)という財務3表をビジュアルで理解しながら、企業研究も出来るのだから、ありがたい特集である。

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