2024年 3月 29日 (金)

30歳のあなたに1億円が舞い込んできたら...資産を増やすには「果実を生むモノ」を購入すること【その4】(小田切尚登)

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   投資すると、なぜ中長期的に増えることが期待されるのか? この問いに答えるのはなかなか難しい。なぜなら厳密に言えば資産価値が増える保証など、どこにもないからだ。

   しかし、増えることが十分期待されるような投資がある。果実を生むものを購入することだ。

  • 株式投資の「果実」は……?
    株式投資の「果実」は……?
  • 株式投資の「果実」は……?

株式投資の「果実」は配当

   たとえば、畜産農家が家畜を購入するのは、羊や牛や馬が子供を生んでいくことを期待するから。果樹農家が果物の苗木を買うのは、毎年毎年果物がなることを期待するからだ。

   会社の株式を買うのにも同じ目的がある。将来会社が利益を上げてくれて、株主に配当を払ってくれるということだ。この場合は配当金が果実に相当する。債券を買ったり預金をしたりする場合は、金利収入が果実に当たる。

   また、不動産の場合はそのスペースを賃貸に出して賃料収入を得ることが果実となる。

   これらがいわば投資の「果実」とも言えるものだ。まとめると、以下のようになる

債券や預金  利息を生む
株式     配当金を生む
不動産    賃料を生む

   そして大事なのは、果実は複利で増えていくということだ。果実が生まれると、その果実がさらに新しい果実を生み出してくれる。雪だるま式に増えるといっても良い。複利は長い年月を減ると恐ろしい威力を発揮する。

   たとえば、100万円を元手に複利で増えていくとしよう。年利3%で増えるとどうなるか。

1年後には103万円
5年後には116万円
10年後には134万円
20年後には180万円
30年後には242万円

   というふうに増えていく。

   10年で1.34倍、20年で1.8倍、30年で2.42倍になる。もう一度言うが、これは100万円が年利3%(複利)で増えていくとこれだけ増えていくということである。

   では、年利5%で増えるとすると、どうなるか。

1年後には105万円
5年後には127万円
10年後には162万円
20年後には265万円
30年後には432万円

   つまり、10年後に1.62倍、20年後に2.65倍、30年後に4.32倍になるということだ。

   さらに年利10%で増えるとするとどうなるか。

1年後には110万円
5年後には161万円
10年後には259万円
20年後には672万円
30年後には1744万円

   となる。

   10年後に2.59倍、20年後に6.72倍、30年後に17.44倍になるというものすごい増加率だ。

   資産運用の王道は複利でじっくり増やしていくということだと言われるが、その理由は一目瞭然であろう。こんなに大きく安定的に増えていく投資は他にないからだ。

   しかし、そのためには我々は一つの投資をしたらじっくりと腰を据えていくことが必要になる。いろんな投資商品を次々に乗り換えていったら複利の効果が失われてしまう。

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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