2024年 4月 28日 (日)

ヒットメーカー佐久間宣行さんが明かした「ずるい仕事術」

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   テレビ東京で「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」などの人気番組を手がけたヒットメーカー、佐久間宣行さんが書いた「ずるい仕事術」(ダイヤモンド社)が、今売れている。誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術を公開。「いい仕事」をしたいと考えている、すべてのビジネスパーソンの役に立つビジネス書だ。

「ずるい仕事術」佐久間宣行著(ダイヤモンド社)

   佐久間さんは、1975年福島県いわき市生まれ。テレビプロデューサー、演出家、作家、ラジオパーソナリティ。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。ほかに、YouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」も話題だ。著書に『普通のサラリーマン、ラジオパーソナリティになる』(扶桑社)がある。

   テレビ東京に入り、自分が芸能界もテレビ界もサラリーマンも苦手なことに気がついたという。深夜ドラマのAD(アシスタントディレクター)になると、ほとんど休みもなく、先輩に飲みに連れ回される日々。酔った先輩に絡まれ、言い返して喧嘩になった。「会社やめようかな......」と考えたとき、自分に対して、怒りが湧いてきたという。

「おれはまだなんのチャレンジもしていない。昔、おもしろくて憧れた世界に指もかけてもいない。このままじゃやめられない」

   そう思い、自分の人生戦略を考え始め、「もっとずるく働こう」と決意した。「たかが仕事だ。真正面で消耗するのを止めて作戦を立てよう」と。そこから佐久間さんは変わったという。

   本書は、仕事術編、人間関係編、チーム編、マネジメント編、企画術編、メンタル編の6章からなる。62項目の中から、「なるほど!」と感心した仕事術をいくつか紹介しよう。

  • 誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術とは
    誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術とは
  • 誰とも戦わず、好きなことで効率的に成果を出す62の仕事術とは

自分の輝く姿を見せて、楽しく仕事を!

   仕事術編の最初に出てくるのが、「『楽しそう』を最強のアピールにする」ことだ。とにかく楽しそうに働く。その姿を、まわりや上司にアピールする。組織にいるうえで、不機嫌でいるメリットなど一つもないという。人生で関われる人の数は限られている。「だったら自分の輝く姿を見せて、楽しく仕事をするほうが、断然トクだ」。

   「会議は『事前準備』で勝て」というのも大きなポイントだ。その他大勢から抜け出し、上司に認められるチャンスは会議にあるという。そのためには以下の準備が必要だ。

・想定質問を用意して、よどみなく答えられるようにしておく
・必要になりそうな資料はあらかじめ用意する
・いつ振られても答えられるようアイデアを持っていく
・前回の会議で話題に出たことは、調べて次の会議に持っていく

   仕事で結果を出したいと思うなら、まずは会議で結果を出すこと。それがいちばんの近道だと説く。

   会議の終盤になると、グーグル・カレンダーのメモ欄に、その日の要点と次の会議に達成すべきこと、次回までに自分がやっておくことを書き留める。「会議直後の5分間のひと手間が、1週間後の自分の評価を変える」というアドバイスは、参考になるだろう。

企画書は「出すもの」ではなく「通すもの」

   人間関係編で、「なるほど」と思ったのは、「褒める」は最強のビジネススキルということだ。

   コストがかからず、相手も喜ぶ。いいことずくめだ。ただ、「褒めるというクセは、使わないとすぐに衰える筋肉のようなもの」と注意を促している。だから、褒めることを習慣にしないと、いざという時に出てこない。

   会社に「友だち」はいらない、という言葉にはドキっとした。

   会社はあくまでも働く場であり、それ以上でも以下でもない、と戒めている。優先すべきは「仲良くなること」ではなく、「いい仕事をすること」だ。

   佐久間さんはタレントやマネジャー、同僚と飲みに行くことはほとんどないという。その時間で、勉強したり、やりたい仕事の準備をしたりする。

   ただし、会社の外に、損得勘定抜きで付き合える人間関係を持っておくことが肝要だ。学生時代の友だちでも趣味の友だちでもいい。そうした存在が心のセーフティーネットになるという。

   企画術編では「企画書は『ラブレター』」というのも心に残った。

   企画書は「出すもの」ではなく「通すもの」だと強調している。その企画書は、誰が読むのかを意識する。そして、相手は何を求めているかを察知し、数字やデータ、ロジックで裏打ちした説得力あるものを提出する。若い頃はラブレターのように何度も企画書を書き直したという。

   25歳のとき、初めて通ったA4用紙2枚の企画書を公開している。「泣いて、カリフォルニア」というタイトルの番組企画書で、後に「ナミダメ」というタイトルで実現した。

◆メンタル「第一」、「仕事」は第二

   最後に、メンタル編から。メンタル「第一」、「仕事」は第二。「心を壊してまでやるべき仕事なんてどこにもない」と書いている。仕事なんて、「たかが仕事」とタカを括ることも大切だ。

   佐久間さんは、「仮説検証をはじめ、僕が身につけた作戦の数々を盛り込んだので、入社したばかりの方や、責任が重くなって岐路にいる方、やりたいことが見つからない方など、いろいろな人の役に、少しでも立てたらいいなと思います」と語っている。

   ちょうど、雑誌「プレジデント」(2022年6月17日号)が「報われる努力、ムダな努力」という特集を組んでいた。どこか佐久間さんの発想に近いものを感じた。本書はタイトルに「ずるい」と銘打っているが、実は用意周到に準備された、まっとうな努力が陰にあることがわかる。

   努力が報われるためには、賢い戦略が必要なのだ。

(渡辺淳悦)

「ずるい仕事術」
佐久間宣行著
ダイヤモンド社
1650円(税込)

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