2024年 4月 20日 (土)

広まる「脱炭素経営」、プライム市場以外の企業も関心...乗り遅れないためにまずできることは?/ゼロボード代表・渡慶次道隆さんに聞く

提供:RX Japan

数年先、まもなく大企業はGHG削減フェーズへ

――情報開示の義務化を背景に、「脱炭素」「脱炭素経営」は加速しているのですね。まだ取り組んでいない企業が、乗り遅れないために必要なことはなんでしょうか。

渡慶次さん「会社の理解が大切です。トップをはじめ、経営陣から明確なメッセージが発せられているとなおよいでしょう。たとえば、社内各所からの情報収集でも協力体制を築きやくなります。かたや、サステナビリティ推進部の人だけが孤軍奮闘しているだけでは前進しません。理解が得られていない会社の担当者さんは『同業他社は進んでいるのに、わが社はできていない』と焦りを感じる人は少なくないと思います。
上場企業などでは、2025年くらいまでかけて、自社のサプライチェーン排出量を把握したいと考えて算定を急いでいます。いまのうちに自社で減らせる箇所はどこか、ステイクホルダーはどのくらい削減できるのかメドをつけたあと、いよいよGHG削減のフェーズへと進んでいくでしょう」
「脱炭素経営EXPO」の様子
「脱炭素経営EXPO」の様子

――「脱炭素」「脱炭素経営」のトレンドを肌で感じるイベントとして、2022年8月31日~9月2日、RX Japanが主催する展示会「脱炭素経営EXPO 秋展」(幕張メッセ)があります。ゼロボードも出展社の常連です。

渡慶次さん「来場者の多くは、脱炭素経営に向けて戦略を考えたい、ビジネスチャンスにしたい、と目的意識を持つ人が多く、毎回盛り上がっていますね。情報収集などで来場すると、脱炭素、脱炭素経営の熱気を感じて、この領域は『いまこそ取り組まなければいけないこと』という気づきを得られると思います。一方、出展企業としては、ブース内で対面で話せるのがメリット。実際、具体的な商談に進むことはよくあります」
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――最後に、今後の展望は?

渡慶次さん「脱炭素、脱炭素経営に取り組まなければ、金融機関の融資を受けられない、評価されない――そんな時代になりつつあります。日本でも、脱炭素へ向けた制度面の整備は、プライム市場企業の開示義務、次いで有価証券報告書での開示も検討されるなど、世界と比べても後れを取っていません。
ただ、大事なのは、やはり企業の姿勢。脱炭素が『やらされる』ものではなく、チャンスととらえ、『企業価値向上のため』と前向きなマインドに変化する会社が増えれば、この取り組みはさらに加速するでしょう。すると、そこで働く従業員、一般の消費者の見る目、意識も変わっていく。そうした姿勢が、脱炭素に取り組む大前提である、次世代が住みよい地球を残すことにつながっていくと信じています」

――ありがとうございました。

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   企業の「脱炭素経営」のヒントとなるソリューションが一堂に会する、国内最大規模の脱炭素経営に特化した専門展「脱炭素経営EXPO」。2022年「脱炭素経営EXPO 秋展」は2022年8月31日~9月2日、幕張メッセで開催。脱炭素の潮流や先進事例などを取り上げるセミナーには、渡慶次さんも登壇予定だ。

【プロフィール】
渡慶次 道隆(とけいじ・みちたか)

株式会社ゼロボード 代表取締役
https://zeroboard.jp/

外資系投資銀行を経て三井物産に転職後、コモディティデリバティブ、エネルギー×ICT関連の事業投資・新規事業の立ち上げに従事する。欧州でのVPP実証実験の組成や、業務用空調Subscription Serviceの立ち上げをリードした。その後、A.L.I. Technologiesに移籍し、電力トレーサビリティシステムやマイクログリッド実証(国プロ)など多くのエネルギー関連事業を組成。2020年末からは企業向けGHG排出量算定・可視化クラウドサービス「zeroboard」の開発を進める。2021年9月、同事業のMBOにより、株式会社ゼロボードとしての事業を開始した。

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