ロボットや自動運転の最先端技術開発などに取り組む株式会社ZMP(東京都文京区、代表取締役社長谷口恒)は、ロボットが街や職場、地域インフラなど人々の生活を支える「日本ロボタウン化」を目指しさまざまな研究開発を行っている。そんなZMPがこのほど、「WelcometoRoboTown」をテーマにその技術や一部の製品に触れることができるイベントZMPWorld2022を開催した。このイベントは3日間におよび、大手報道機関も来場するなど、にぎわいを見せていた。目の不自由な方が初めての場所に行くための支援がしたいZMPWorld2022での「EYECAN」紹介時の様子ZMPWorld2022で発表があった技術の一つが、高精度ナビゲーションアプリ「EYECAN(R)(アイキャン(R))」だ。EYECANは、ZMP社の技術で3次元高精度マップ化が完了している場所について、目の不自由な方がとても歩きやすくなるという。利用者はスマートフォン端末を前方に向けて携帯するだけで、進むべき方向や障害物の有無、信号の色などの情報を得ることができる。当日は、実際に目の不自由な方がEYECANを利用して、歩道を歩いている様子も取材することができた。次の写真のように、横断歩道の手前では信号色を確認して音声で知らせてくれる。歩行速ロボ3兄弟などの展示も!人を乗せることができるRakuRo。目の表情が変化するZMPWorld2022では、製品の体験もできる機会があった。ZMP社の歩行速ロボ(R)3兄弟「DeliRo(R)」「RakuRo(R)」「PATORO(R)」なども展示されており、記者も実際にRakuRoに試乗させていただいた。信号の手間で止まり信号状態を判断したり、障害物があれば手前で止まるなど、まさに自動運転そのものの動きで、とてもラクに移動ができた。さらに、ZMP社の思いから付けられているRakuRoの「目」はかわいい表情をたたえていて、人とすれ違う時にRakuRoが人を認識して「こんにちは」とあいさつするので、すれ違う人も気持ちよく道をあけてくれていたことが印象に残った。自動運転のバスや、物流ロボットもZMPWorld2022では、歩行速ロボ3兄弟のほかにも、無人自動運転バス「RoboCar(R)MiniEVBus」やその新ソリューション、無人けん引車「CarriRo(R)Tractor5T」などの発表も行われた。まず、無人自動運転小型EVバス「RoboCarMiniEVBus」は、2018年から空港制限区域内を中心に実証実験を積み重ねてきた自動運転レベル4対応のバス。自動運転レベル4というのは、運転手は運転操作を必要としないのが特徴だ。「RoboCarMiniEVBus」は、高精度3DMAPの作成や各走行環境によるセーフティーアセスメントが完了できると、無人自動運転の導入につながっていくということだ。RoboCarMiniEVBusレベル4構成図(ZMP社ホームページより)そして、最大可搬重量が5トンの無人けん引車「CarriRoTractor5T」も注目を集める製品だ。「CarriRoTractor5T」は「レーザー誘導方式」を採用しているため、路面への誘導ガイドの設置工事が不要となり、簡単にルート設置や変更が可能だという。無人フォークリフトとの連携でパレット搬送の完全無人化を実現できるそうだ。5トンの余裕が、物流の可能性を広げてくれると期待が寄せられている。CarriRoTractor5T(5トン対応)で荷物をけん引している様子(ZMP社ホームページより)このほかにも、ZMPWorld2022では、病院で医療機器の搬送を自動化する新型ロボットなどの発表も行われるなど、同社の幅広い研究開発や製品化情報が発表された。高度な技術や最先端のセンサーを積んだロボットは、イメージ的にはクールで冷たい感じがしてしまうものだ。だが、イベントでの発表を見ていて感じた印象は、同社のロボットや乗り物はかわいらしさもまとっていたこと。技術を生かしていくためには、インターフェイスも重要なファクターであることを改めて実感したイベントだった。なお、J-CASTニュース会社ウォッチでは、冒頭で紹介した「EYECAN」の開発のきっかけなどについて、ZMP社長・谷口恒さんに話を聞きました。ぜひ<初めて行く場所も、これなら安心...視覚障がいの方、期待のアプリ「EYECAN」開発秘話ポイントは自動運転技術【前編】/ZMP社長・谷口恒さんに聞く>もご覧ください。
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