2024年 5月 5日 (日)

二人以上世帯のネットショッピング利用、初の50%突破&支出金額も右肩上がり...コロナ以降、高齢層にも定着(鷲尾香一)

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何がよく買われているか? 利用項目別に見ると...

   その理由とも言える特徴は、利用項目別の動きに現れている=表3。

   ネットショッピングによる1か月平均の食料購入額は、2019年に1986円だったのが、2020年には前年比55.9%増の3097円に、2021年には同36.4%増の4223円に増加した。

   対照的な動きをしているのが、旅行関係費で2019年の3407円から2020年には前年比51.7%減の1647円に、2021年も同6.4%減の1542円に減少した。新型コロナによる影響が大きく表れており、影響は2021年も続いていることがわかる。

   一方で、出前は2019年に180円だったのが、2020年には前年比3.1倍の560円に増加したが、2021年には同6.1%減の526円となった。2021年には外出自粛が緩み、外食をする人が戻ってきている様子がうかがえる。

   同様のことはチケットにも言え、2019年に684円だったが、2020年には前年比54.2%減の313円にまで落ち込んだ。だが、2021年には同45.4%増の455円にまで回復している。

   つまり、旅行関連には新型コロナの影響が続いているが、外食や映画、コンサート、遊園地などチケット販売では回復が進んでいる。食料では新型コロナの影響だけではなく、ネットショッピングを利用するのが定着していると見て取れる。

   一方で問題もある。ネットショッピングの利用が増加し、定着するということは、新型コロナで大きなダメージを受けた実店舗による販売、小売業への影響が続いているということでもある。

   これは、実店舗による販売という「商売のやり方そのもの」に、課題を投げかけているのかもしれない。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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