2024年 2月 22日 (木)

銀行と通貨が「信用されない」ミャンマーで、どうしたら融資制度をつくれるか?...日本人銀行員の奮闘記

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ミャンマー版住宅金融公庫の責任者に

   軌道に乗ったと思ったら、次のミッションが降ってきた。

   ミャンマー版住宅金融公庫と言うべき、「建設住宅インフラ開発銀行(CHIDB)」への派遣である。泉さんは三井住友銀行を退職し、CHIDBの実質的なCEO(経営執行役)となった。

   中期経営計画を立てるなど改革を進め、半年後にCOO(最高業務執行役)となった。住宅ローンがなかったミャンマーに、日本のODA(政府開発援助)で住宅ローンができた。

   そんな矢先、コロナ禍により、泉さんは帰国を余儀なくされる。

   この時は、権限委譲を行い、日本からリモートワークで指揮した。だが、給与の受け取りを固辞したため、COOを解任された。無給の「スペシャル・アドバイザー」になったが、やむを得ないことだった、と割り切っている。

   コロナが収束したら、またミャンマーに戻るつもりだったが、2021年2月1日のクーデターで、すべてが水の泡になりかねない事態となった。泉さんのODA関連活動もいったん終了した。

   日本の銀行員が1人で外国の金融制度をつくるさまは、さながら小説のようだが、事実だ。それだけに、クーデターへの失望は深く、一刻も早い民主化路線への復帰を願っている。

(渡辺淳悦)

「ミャンマー金融道」
泉賢一著
河出新書
935円(税込)

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