2024年 4月 25日 (木)

JFEスチール、「高炉」まずは1基を「電炉」転換へ...CO2排出量削減目指す だが、品質&生産量確保など課題も

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   鉄鋼大手のJFEスチールが、生産の中核設備である高炉1基を電炉に転換する。二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するのが目的だ。大手鉄鋼メーカー3社で高炉の電炉転換は初めて。他社も追随するとみられるが、品質や生産量の確保などの課題もある。

  • 電炉への転換を進めるJFEスチール(同社ウェブサイトから)
    電炉への転換を進めるJFEスチール(同社ウェブサイトから)
  • 電炉への転換を進めるJFEスチール(同社ウェブサイトから)

鉄鋼産業の莫大なCO2削減に向け、JFEは約1兆円投資

   2022年9月1日の発表によると、電炉転換するのは西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)の「第2高炉」。同高炉は、今後5~6年で設備更新に入るタイミングを迎えていた。

   「転換」といっても、既存の構造物をそのまま移行するわけではない。第2高炉を更新せずに2027年にも休止し、代わりに大型電炉を建設することになる。

   その結果、JFEの国内の高炉は全6基体制になる。これとは別に、仙台製造所(仙台市)の電炉も24年に増強する。

   高炉は鉄鉱石と、石炭からタールなどを除いてつくるコークス(炭素)を高熱で化学反応させて鉄を取り出す設備で、大量のCO2が出る。

   一方の電炉は、使用済み鉄スクラップ(鉄くず)を電気の炉で溶解して別の製品に仕上げる。そのため、CO2排出量は高炉の4分の1程度とされる。

   鉄鋼業界のCO2排出量は、製造業全体の4割近くを占めている。それだけに、高炉以外の生産方法の導入が急務となっており、JFEの今回の電炉転換の理由もここにある。同社は電炉導入などの設備投資に2030年までに約1兆円を投資し、30年度のCO2排出量を13年度比で30%減らすことをめざしている。

   他社もさまざまに検討している。

   最大手の日本製鉄は、30年度までに、国内に大型電炉をつくる計画がある。神戸製鋼所も、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)の高炉を、設備更新を迎える30年代に電炉に切り替えることを含めて検討しているという。

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