2024年 5月 6日 (月)

未婚者の「一生結婚するつもりない」「結婚せず、仕事続ける」増加の背景...雇用の悪化も影響か 少子化歯止めかからず...経済・社会環境の整備急務(鷲尾香一)

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平均希望子ども数...男性1.82人、女性初めて2人を下回る1.79人

   こうした考えが反映しているためか、未婚者に子どもは何人くらいほしいかを聞くと、結婚意思のある18~34歳の未婚男女の平均希望子ども数は、1982年以降おおむね低下傾向が続き、今回調査では男性で1.82人、女性では初めて2人を下回り1.79人となった=表4

   それでは、実際の夫婦には何人の子どもがいるのか。調査では、子どもを追加する予定がほぼない結婚持続期間15?19年の夫婦の平均出生子ども数を完結出生子ども数と定義し、集計した。

   それによると、完結出生子ども数は、2002年までは2.2人前後で安定的に推移していたが、その後低下し、今回調査では1.90人となり最低値を更新した。

   そして、実際の子どもの割合は、ゼロが前回調査の6.2%から7.7%に、1人が18.5%から19.7%に増加している=表5

   これらの結果を見ても、少子化はなお一層加速する可能性がある。今回の調査結果で未婚者の「一生結婚するつもりはない」の急増や、未婚女性の「結婚せず、仕事を続ける」の増加の背景には、新型コロナによる雇用環境の悪化が少なからず影響しているようだ。

   個人が結婚に対して抱く感情はさまざまで、その理由もさまざまだろう。制度的に結婚を強制することもできない。それでも、少子化が危機的状況にある中で、結婚して子どもを産み・育てていける経済的・社会的な環境を作る努力は続けなければならない。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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