銘柄の選定方法を財務指標重視に変更...ロート製薬を買う【企業分析バトル 北海道大学 チームヒゲペンギンズ】

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   こんにちは、北海道大学 チームヒゲペンギンズの中村風五です。

   結論をいえば、今回はヤマハ発動機、島津製作所、マツダをすべて売り、「ロート製薬」(4527)を400株買います。

   前回までは、まずトレンドに合ったテーマを考え、そのテーマの中で時価総額の高い企業の財務指標を確認して銘柄選定をしていましたが、今回からは財務指標によって銘柄をスクリーニングし、景気に合った事業領域を主とする銘柄を選定するという手法に変更しました。このほうがより優れた財務体質の企業を選定できると考えています。

  • ロート製薬のアイケア(目薬)製品(ロート製薬のホームページより)
    ロート製薬のアイケア(目薬)製品(ロート製薬のホームページより)
  • ロート製薬のアイケア(目薬)製品(ロート製薬のホームページより)

「大化け」する可能性大きい

   ロート製薬を選んだ根拠は、ロート製薬の財務情報が優れていて成長を見込める点と、ロート製薬の事業領域が景気に左右されにくいヘルスケア領域である点――の2点です。

   まず、財務情報ですが、

(1)ROE(自己資本利益率)が10%以上、かつROA(総資産利益率)が5%以上であること
(2)キャッシュフローの符号が、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの順に、プラス、マイナス、プラスとなっていること
(3)営業利益率が10%以上であること

   ロート製薬は、これらをすべて満たしていて、成長が見込める財務体質です。財務情報をそれぞれ詳しく説明していきます。

(1)ROEが10%以上、かつROAが5%以上

   ROEが10%以上、ROAが5%以上であれば、日本の上場企業の中で十分に収益を上げていると投資家はとらえることができます。そのため、企業価値が下がりにくいと考えられ、スクリーニングの指標として採用しました。ロート製薬はROEが11.1%、ROAが7.2%で、企業価値が下がりにくいと考えられます。

(2)営業キャッシュフロープラス、投資キャッシュフローマイナス、財務キャッシュフロープラス

   キャッシュフローは、営業キャッシュフロー、投資キャッシュフロー、財務キャッシュフローの正負が順にプラス、マイナス、プラスであると、その企業は成長企業型に分類できます。ゆえにロート製薬は成長企業型に分類されるため、今後の株価の成長が期待できると、考えました。

(3)営業利益率が10%以上であること

   営業利益率が10%以上であれば、その企業の事業で顧客から十分な資金を調達できていると考えられます。また、営業利益率が10%以上であることは、テンバガー(株価が10倍になる銘柄)の共通点の一つです。そのため、この要素を満たしているロート製薬は株価が大きく化ける可能性があります。

景気に左右されにくいヘルスケア領域

   次に、事業領域についてですが、ロート製薬の事業領域は主にヘルス&ビューティーケアです。特に、目薬やリップクリームで国内トップシェアとなっています。目薬・リップクリームは生活必需品と言えるでしょう。そのため、ロート製薬の事業領域は景気に左右されにくいと考えられます。

   今回考慮すべきことに、アメリカのインフレがおさまらず、FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を引き上げる可能性が高くなっていることがあげられます。アメリカ経済が世界経済に与える影響は無視できません。そのため、今回は、アメリカの利上げ後に起こる世界経済の後退を予測し、景気に敏感な工業株を売り、景気に左右されにくい日用品関連の株を狙って買うことにしました。

   結論として、チームヒゲペンギンズは購入していた工業株をすべて売り、景気に左右されにくいヘルスケア株で、成長が見込める財務体質の銘柄を買います。

   具体的には、現時点で保持しているヤマハ発動機、島津製作所、マツダをすべて売り、「ロート製薬」(4527)を400株買いました。

【今回取引した銘柄】
【買った銘柄】
ロート製薬(4527)
年初来高値(2022年8月10日)   4495円
年初来安値(2022年1月27日)   3030円
直近の株価(2022年9月16日終値) 4360円
取引の有無 4360円(2022年9月16日終値)で400株購入

【売った銘柄】
ヤマハ発動機(7272)
現在の価格(2022年9月16日終値) 2892円
年初来最高値(2022年1月7日)   2997円
年初来最安値(2022年3月8日)  2170円
取引の有無 2458円(2022年7月26日終値)で200株取得
2899円(2022年8月30日終値)で100株取得
2892円(2022年9月16日終値)で300株売却

マツダ(7261)
年初来高値(2022年8月8日)  1188円
年初来安値(2022年3月8日)   715円
直近の価格(2022年9月16日終値) 1192円
取引の有無 1141円(2022年6月23日終値)で500株取得
   1192円(2022年9月16日終値)で500株売却

島津製作所(7701)
年初来高値(2022年1月4日) 4910円
年初来安値(2022年3月14日) 3715円
直近の価格(2022年9月16日終値) 3910円
取引の有無  4740円(2022年6月3日終値)で300株購入
3910円(2022年9月16日終値)で300株売却

【2022年9月16日時点での合計損益】 ▲10万6300円

中村 風五(なかむら・ふうご)
中村 風五(なかむら・ふうご)
北海道大学工学部3年
趣味は、バスケットボール、登山、熱力学、読書。挑戦することが好きです。株式投資、積立を取引していますが、「なんとなく」良い銘柄しかわからず苦戦中。株式投資のリターンを増やせるようになりたいです。企業分析バトルを機に全力で企業の分析をやっていきたいと思っています。
伊豆 匠吾(いず・しょうご)
伊豆 匠吾(いず・しょうご)
北海道大学総合教育部総合理系1年
北海道大学金融研究会に所属し、自分が儲けられる手段を必死になって探している。趣味は花札、ルービックキューブ、ペンギン鑑賞などなど。企業分析バトルを、勉強した知識の実践の場としたい。よりよい分析を目指して頑張ります。
企業分析バトル(株式投資)大学対抗戦 競技ルール
・月200万円の投資金額を上限に、銘柄(企業)を選び分析するバーチャル投資とする。
・投資対象は、国内上場企業の現物取引。
・株式の売買価格は任意の時間の価格とする。
・競技期間は6か月。順位は、投資した銘柄(企業)の運用・売買で得た6か月の合計の利益額で決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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