2024年 2月 27日 (火)

米カーライルGが買収! 「NewsPicks」運営UZABASE...社員の平均給与はいくら? 気になる業績推移や平均勤続年数もチェック!

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   上場企業の財務諸表から社員の給与情報などをさぐる「のぞき見! となりの会社」。今回取り上げるのは、「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」をパーパスに掲げ、B2Bサービスの「SPEEDA」、B2Cサービスの「NewsPicks」などを展開するUZABASE(ユーザベース)です。

   UZABASEは、2008年に設立。2009年に「SPEEDA」、2013年に「NewsPicks」をリリースし、2016年に東証マザーズに上場しました。

   2018年にグローバル展開に向けて米Quartzを買収するも、2020年に撤退。2020年7月にオープンした「NewsPicks GINZA」も2021年12月期に撤退するなど伸び悩みが続き、11月9日には米カーライル・グループのTOBによる買収、非公開化が発表されています。既存サービスが継続されるのか、気になるところです。

  • 今回は「UZABASE(ユーザベース)」に注目(写真はイメージ)
    今回は「UZABASE(ユーザベース)」に注目(写真はイメージ)
  • 今回は「UZABASE(ユーザベース)」に注目(写真はイメージ)

売上高は急増、利益は伸び悩み

   それではまず、UZABASEの近年の業績の推移を見てみましょう。

   UZABASEの売上高はここ数期、右肩上がりに伸びています。2021年12月期は4期前の3.5倍となる160億6300万円で、急成長と言ってよいスピードと規模です。

   一方、利益は非常に不安定で、2019年12月期に12億円あまりの営業赤字に陥り、翌2020年12月期の営業利益は1億円あまりをかろうじて確保したものの、64億7200万円の最終赤字に転落。2021年12月期にようやく営業利益率9.1%、5億8900万円の最終利益を確保しています。

   なお、2020年12月期の大きな最終赤字の要因は、2018年7月に「3年で黒字化する」と掲げて100%子会社化した米ニュースメディアQuartzの撤退(2020年11月)に伴い、のれん等の減損損失78億円あまり、および関係会社株式売却損10億円あまりを計上したためです。

   2022年12月期の業績予想は、期首の段階では売上高が195~200億円、EBITDAが10~15億円、営業利益が4~9億円と見込んでいました。しかし11月9日の第3四半期決算時には、売上高182億円、EBITDAが10億円、営業利益が3億円と下方修正を行っています。

   そして同9日に、米プライベートエクイティ大手カーライル・グループが、UZABASEの株式に対して公開買い付け(TOB)を行うことを発表しました。UZABASEはこれに賛同し、上場廃止となる見込みです。

経常収益の8割を、B2Bの「SaaS事業」が上げる

   UZABASEの報告セグメントは、2020年12月期まで「SPEEDA事業」「NewsPicks事業」「Quattz事業」「その他(B2B)事業」の4つでした。しかし、Quattz事業から撤退後、2021年12月期はSPEEDA事業とその他B2B事業を統合した「SaaS事業」と「NewsPick事業」の2つに再編されています。

   SaaS事業はB2Bサービスで構成されています。具体的には、ビジネスにおける情報収集・分析の課題を解決するプラットフォーム「SPEEDA」、B2B事業向け顧客戦略プラットフォーム「FORCAS」、国内最大級のスタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」を運営しています。

   NewsPicks事業では、B2Cサービスである、ソーシャル経済メディア「NewsPicks」を運営しています。

   一般的な知名度は「NewsPicks」が高いものの、2022年12月期の第3四半期決算によると、ARR(年間経常収益)の82%、売上高の72%をSaaS事業が生み出しています。SaaS事業のARRは前期比29%増の117.6億円、売上高は同29%増の32.4億円、EBITDAは3.4億円、EBITDA率は10.6%でした。サービス別ARRでは「SPEEDA」が76.3億円と大半を占めています。

   一方、NewsPicks事業のARRは前期比3%増の26.5億円にとどまり、売上高は同2%減の12.4億円、EBITDAはマイナス1.8億円となっています。ただしコスト削減とテレビCM放映が第4四半期にずれた影響で、第2四半期より赤字幅が縮小しています。

平均年齢33歳、平均年収760万円、中途採用は継続中

   UZABASEの従業員数は、2017年12月期末の連結(グループ全体)241人・単体(UZABASE)113人から、Quartz社の買収や事業拡大に伴う採用増などにより、2020年12月期末には連結611人・単体198人まで増えました。

   さらに2021年12月期末には、連結779人・単体373人に増えています。単体での増加要因は、子会社であったFORCAS社およびINITIAL社の吸収合併や、SaaS事業におけるエンジニア組織の強化ならびに営業機能、コーポレート組織の強化等に伴うもの。これに加えて連結ではNewsPicks事業におけるエンジニア組織の強化などもあったようです。

   この中には買収発表直前に入社した人もいると推測され、上場廃止がどのように受け止められているのか、気になるところです。

   UZABASEの平均年間給与(単体)はここ数期で増加傾向にあり、2020年12月期は前期比で100万円を超える増加で800万円に近づきましたが、2021年12月期は759.6万円に。平均年齢33歳、平均勤続年数2.51年です。

   UZABASEの採用サイトを見ると、2024年度の新卒採用のほか、幅広い職種でキャリア採用を行っています。ユーザベースグループの正社員の中途採用では44件の求人があり、たとえば「INITIAL-フィールドセールス(幹部候補)」では、750~1000万円の想定年収が記載されています。なお、有給休暇とは別に、週末を含む7日間連続の休暇を年に2回取得できる「ロングバケーション制度」という福利厚生があるそうです。

非公開化は「既存株主に不利益を与える可能性」があるため

   2022年10月3日に606円の年初来安値を付けていたUZABASEの株価は、11月9日に1500円のTOBが発表されたことを受けて急騰しています。しかし、2021年に3975円、2020年に4445円の高値をつけたところから見ると、急落して終わったといえるでしょう。

   UZABASEとしては、持続的な成長の実現に向けて引き続き投資が必要ではあるものの、「短期的には売上高成長率の鈍化や一時的な収益性の悪化をもたらすリスク」があり、資本市場において「短期的な収益性確保が選好される傾向が強まって」いる中で、「既存株主の皆様に不利益を与える可能性」があるため、非公開化を選択したとのことです。

   買収後に収益性が比較的低い「NewsPicks」の事業譲渡があるのでは、という憶測も流れていますが、UZABASEは「SaaS事業基盤・プロダクトのさらなる強化、当社がこれまで推し進めてきたSaaS事業とNewsPicks事業の融合の加速化を含む全社としての成長戦略、採用力や営業効率向上のための組織体制の強化等を中長期的な視点に立って着実に実行する」としており、既存サービスは引き続き運営されるようです。(こたつ経営研究所)

こたつ経営研究会
こたつ経営研究会
有価証券報告書や決算説明書などの公開情報を分析し、会社の内情に思いをめぐらすニューノーマルな引きこもり。昼間は在宅勤務のサラリーマンをしながらデイトレード、夜はネットゲームをしたりこたつ記事を書いたりしている。好きなピアニストはグレン・グールド。嫌いな言葉は「スクープは足で稼げ」。
姉妹サイト

注目情報

PR
コラムざんまい
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中