2024年 5月 7日 (火)

広告は7000円なのに、25万円! 自治体の許可受けない「違法」不要品回収業者にご注意...「態度に危険感じたら警察を」

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「7000円のつもりが25万円も支払わされた」「納得できないならすべてトラックから降ろすと脅されて...」

   自治体の許可を受けずに違法に一般家庭の不用品を回収する業者の被害が後を絶たないため、国民生活センターは2022年11月2日、「不用品回収サービスのトラブル」という報告書を発表、警鐘を鳴らしている。

   同センターが「身の危険を感じたらすぐ警察に連絡を!」と呼びかけるほど悪らつな手口とは――。

  • 自治体の許可を得ている一般廃棄物処理業者に頼もう(写真はイメージ)
    自治体の許可を得ている一般廃棄物処理業者に頼もう(写真はイメージ)
  • 自治体の許可を得ている一般廃棄物処理業者に頼もう(写真はイメージ)

「納得できないなら不要品を全部、トラックから降ろすぞ」

   国民生活センターによると、引っ越しや自宅整理などの機会に利用する不用品回収サービスをめぐるトラブルは年々増えており、2021年度には2231件に達した。これは3年前の2018年(1354件)の1.6倍だ。【図表参照】

(図表)不用品回収サービスに関する相談件数(国民生活センターの作成)
(図表)不用品回収サービスに関する相談件数(国民生活センターの作成)

   その代表的な手口をみると――。

【事例1】7000円のはずが25万円も支払わされ、「クーリング・オフはできない」と書かれた書面にサインをさせられた

   引っ越しに伴い不用品を回収してもらうためにインターネットで事業者を探した。「軽トラックパック7000円、2トントラックパック2万5000円」との広告を見て事業者に電話し、「広告のパック料金でお願いしたい」と申し込んだ。「実際に行ってみないと、どちらのコースになるか分からない」と言われた。一人暮らしで不用品が少ないため、軽トラックパックになるものと考えた。

   ところが、当日男性作業員3名が2トントラックで来訪し、不用品の積み込みが終わると、料金は25万円だと言われた。不動産業者の立ち合いの予定があり、早く部屋を出なければならないと焦っていたので、その場で親に電話をして送金してもらい支払った。その際、「クーリング・オフはできない」と記載された書面にサインをした。クーリング・オフできないのか。(2022年5月・20歳代女性)

【事例2】事前の説明の5倍の料金を請求され、納得できないなら不用品をすべて下ろすと言われた

   倉庫内の不用品を処分しようとインターネットで見つけた事業者に電話した。不用品の量を伝えると、「全行程込みの軽トラックパック料金で2万円程度になると思う」と言われた。しかし当日、作業員は2トントラックで来訪し、すでに荷台の半分ほどに他の人の不用品が載っていた。

   2トントラックの料金として5万円、廃棄費用として5万円で合計10万円になると言われたので、「依頼時の話と違う」と抗議した。すると「消費税分だけ減額する。納得できないなら不用品をすべて下ろす」と言われた。やむを得ず支払ったが、請求金額に納得できない。(2022年5月・30歳代男性)

「1人で運べないのでもう1人呼ぶ」と言い、トラック2台分の料金

不当な高額料金を取る業者に気をつけよう(写真はイメージ)
不当な高額料金を取る業者に気をつけよう(写真はイメージ)

【事例3】「トラック詰め放題」との広告を見て依頼したら、当日荷台の囲いの高さまでしか載せられないと言われ、断るとキャンセル料を請求された

   空き家になっている母の家を整理しようと思い、「○○市ゴミ回収」とインターネット検索した。出てきたサイトを見ると、「一軒家丸ごと、事業所に最適。2トントラック詰め放題」と書かれており、通常6万円のところ5万円程になるとのことだった。見積もりを取りたいと思い電話したら、「うちは見積もりをしていない。2トントラック詰め放題で、料金はサイトに表示しているプランのみだ」と言われたので依頼した。

   2トントラックで作業員が来訪したが、不用品を載せることができるのは荷台の囲いの高さまでだと言われた。囲いの高さは20~30センチだ。トラックには一般廃棄物処理業の許可の表示はなかった。「詰め放題」と広告しながら、詰め放題ではなかったため回収を断ると、「キャンセル料1万5000円を支払え」と言われた。支払わないと作業員が帰らなかったので、しかたなく現金で支払った。(2022年4月・50歳代男性)

【事例4】不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが2台分を請求され、銀行で現金をおろすように言われた

   ポストに入っていた不用品回収業者のチラシを見て電話をかけ、冷蔵庫などの回収を3万5000円で依頼した。数日後、作業員が軽トラックで来訪して不用品を確認すると、価格表を見せながら「5万5000円だ」と言われた。さらに、「冷蔵庫は1人で運べないので、もう1人呼ぶ」と言い、別の軽トラックで男性が来訪した。不用品の量は軽トラック1台分に満たなかったが、作業終了後に「トラックが2台になったので11万円だ」と言われた。

   私が「高すぎる。現金がないため支払えない」と言うと、「すぐ近くに金融機関があるので現金を下ろしてくればよい」と言われた。怖くなって銀行へ行き、11万円をおろして事業者に渡した。契約書等の書面は一切もらっていない。(2022年6月・70歳代女性)

冷蔵庫など家電4品目は、家庭で勝手に処分すると法律違反に

不用品を持っていてもらう前に、まず自治体の担当窓口に相談しよう(写真はイメージ)
不用品を持っていてもらう前に、まず自治体の担当窓口に相談しよう(写真はイメージ)

   共通しているのは、「一般廃棄物処理業」の無許可業者が、一般家庭の廃棄物を違法に収集・運搬していることだ。「廃棄物処理法」に基づき、一般家庭から出る廃棄物の収集・運搬は、市区町村から「一般廃棄物処理業」の許可、あるいは委託を受けた事業者しか行うことができないことになっている。

   そこで、国民生活センターでは次のようにアドバイスしている。

   (1)不用品の処分は、住んでいる市区町村の担当窓口に相談・依頼する。一般家庭から出る廃棄物には法律や市区町村ごとにルールがあり、それに従わなくてはならない。

   たとえば、家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機)は家電リサイクル法の対象品目だから、買い替える家電業者や引き取り専門業者が適切に処分しなくてはならない。

   (2)市区町村の窓口に相談せずに不用品の処分する場合は、一般廃棄物処理業者に依頼する。インターネットやチラシなどで広告を出している事業者が必ずしも一般廃棄物処理業の許可業者とは限らない。

   市区町村のホームページや窓口に問い合わせで一般廃棄物処理業の許可業者を探し、複数社から見積もりを取り、追加料金がかからないことなどを十分に確認したうえで依頼する。

   (3)事前の見積もりとは異なる高額な料金を請求された場合は、支払いをきっぱり断る。もしも支払いを迫る作業員の態度に身の危険を感じることがあれば、警察に連絡する。

(福田和郎)

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