2024年 5月 3日 (金)

経営破綻から復活のスカイマーク、再上場へ 躍進のカギ握るのは、今後も続くANAHDとの関係?!

スカイマーク株の保有続けるANAHD...今後への影響は?

   さらに、今後の経営戦略とも絡んで、上場後の株主構成も注目だ。

   新株発行と既存株主の保有株放出で、上場後の大株主の保有比率は、筆頭株主の投資ファンド・インテグラルが現在の50.1%から27%、三井住友銀行(SMBC)と日本政策投資銀行の共同ファンドが33.4%から13.9%、ANAHD16.5%から12.9%に、それぞれ低下する見通し。

   ここでのポイントは、ANAHDとの関係だ。

   新株発行があるから保有比率はやや下がるが、上位2ファンドが一定の株を放出するのに対し、ANAHDは放出せずに保有を続けるという。

   ANAHDといえば、経営不振に陥ったスターフライヤー、エア・ドゥ、ソラシドエアという「第三極」航空会社を支援し、積極的に傘下に収め、コードシェア(共同運航)を実施している。

   この際、「第三極」航空会社からすると、自社運航便の一定の席をANAに売ってもらうことで搭乗率の向上が見込め、販売システムの共通化でコスト削減も図れる。一方で、ANA便として販売できるようにするため、座席の間隔などANAと同等のサービス水準が求められ、極端な低価格販売もできない。

   ANA、JALより安価でありながら、一定水準のサービスを提供するスカイマークは、ANAなどの大手とLCCの中間という立ち位置にあり、それが強みだ。今後、この特徴を維持し成長していけるのか、あるいは独自性を薄めていくことに活路を求めるのか――。ANAHDとの関係は、スカイマークの行く末を占うカギになりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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