2024年 4月 25日 (木)

世界を席巻する漫画アプリ「WEBTOON」、10代若者から60代シニアまで夢中! いくつになっても男性は「ヒーロー」、女性は「悪役令嬢」にワクワク!?

   分厚い漫画雑誌と違い、スマートフォンがあれば、手軽にいつでもどこでもいくらでも楽しめるコミック(漫画)アプリ・サービス。

   特に最近、10代の若者から60代シニアまでとりこにしているのが、世界を席巻中のデジタル漫画「WEBTOON」だ。デジタル市場専門の調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2022年12月5日に発表した「WEBTOON(ウェブトゥーン)利用者に関する調査」を見ると、その人気の秘密がわかるというものだ。

  • スマホでWEBTOONを楽しむ女性(写真はイメージ)
    スマホでWEBTOONを楽しむ女性(写真はイメージ)
  • スマホでWEBTOONを楽しむ女性(写真はイメージ)

韓国発デジタル漫画、「縦スクロール」の読みやすさ

   「WEBTOON」(ウェブトゥーン)は韓国発のデジタル漫画で、WEBとCARTOON(漫画)を組み合わせた造語だ。コミックアプリの作品は、漫画雑誌で掲載された作品がもとになっている場合が多く、主に横にスクロールしながら読んでいく。

   ところが、「WEBTOON」はもともとスマホやタブレットで読むために作られた漫画だから、「縦スクロール」が読むのが特長だ。日本ならば右上から左下、アメリカであれば左上から右下に読まれるような、国による「漫画の読み方の差異」の影響を受けないため、世界的に人気が上昇している。

縦スクロールで読むのが「WEBTOON」(ウェブトゥーン)の特徴
縦スクロールで読むのが「WEBTOON」(ウェブトゥーン)の特徴

   しかも、出版が前提になっていないためフルカラーで表現することが多い。白黒作品が多い従来のコミックアプリの作品に比べて、迫力がある。さらに、途中で音楽やアニメ動画が入ったりして、スマホの小さな画面でもリッチな読書体験ができるのだ。

   おまけに、目線の動きが縦中心のシンプルなものになり、横にスクロールする漫画より、目があまり疲れないともいわれる。若い世代だけでなく高齢者にも人気だ。「新しいコミックの形」として、「WEBTOON」市場に参入する企業が日本でも増えている。

   たとえば、コミックアプリ大手「LINEマンガ」では、「LINEマンガ・インディーズ報奨金給付プログラム」という作家に対する支援を行っている。作品の読者数、お気に入り登録数などに応じて、報奨金を給付する仕組みだ。

   同じく大手「ピッコマ」でも「ピッコマノベルズ大賞」を開催。受賞者には賞金を付与したり、WEBTOON化の優先を検討したりするなど、コミックアプリ大手各社が作家の発掘に力を入れており、今後、有名WEBTOON作品が日本からも生まれる兆しが出ている。

男性は「バトル」、女性は「ラブコメ」が一番人気

女性はWEBTOONの悪役令嬢がお好き?!(写真はイメージ)
女性はWEBTOONの悪役令嬢がお好き?!(写真はイメージ)

   MMD研究所の調査は、スマホや、タブレット、PCのいずれかを所有する15歳~69歳の男女1万4534人が対象だ。

   まず、コミックアプリ・サービスを利用したことがあるかを聞くと、「ある」(33.8%)と答えた人は3割近くになり、そのうち「WEBTOON」(ウェブトゥーン)の閲覧経験がある人(41.2%)は4割を超えた【図表1】。

(図表1)WEBTOONの閲覧経験(MMD研究所の作成)
(図表1)WEBTOONの閲覧経験(MMD研究所の作成)

   年代別で見ると、20代(45.9%)が最も多く、次いで30代(43.5%)、10代(42.6%)だが、60代(35.3%)と、各年代を問わずに人気があることがわかる【再び図表1】。

   どうして人気があるのだろうか。閲覧経験者にWEBTOONの良いところを「機能面」と「気持ち的な面」でそれぞれ聞くと(複数回答可)、機能面では「スクロールのみで読める」(33.7%)が最も多く、次いで「カラーが豊富」(25.5%)、「絵がきれい」(21.2%)、「絵のサイズが大きい(20.2%)となった【図表2】。

(図表2)WEBTOONの良いところ(MMD研究所の作成)
(図表2)WEBTOONの良いところ(MMD研究所の作成)

   気持ち的な面では「スマートフォンで読みやすい」(39.1%)が最も多く、次いで「手軽に読むことができる」(26.3%)、「短い時間で読むことができる」(19.8%)、「会話の流れがわかりやすい」(17.4%)と続いた【再び図表2】。

   どういったジャンルの人気が高いのか。閲覧経験者に読んだことがあるジャンルの詳細を聞くと(複数回答可)、全体では1位は「ラブコメ」(31.7%)で、次いで「異世界」(29.9%)、「転生・回帰・憑依」(28.1%)がトップ3となった【図表3】。

(図表3)WEBTOONで読んだことがあるジャンルの詳細(MMD研究所の作成)
(図表3)WEBTOONで読んだことがあるジャンルの詳細(MMD研究所の作成)

   しかし、男女別に見ると、男性1位「バトル」(32.1%)、2位「異世界」(30.8%)、3位「ヒーロー・勇者」(29.9%)、女性1位「ラブコメ」(41.6%)、2位「悪役令嬢・悪女」(31.3%)、3位「転生・回帰・憑依」(30.0%)となった。男性はアクション系、女性は恋愛系と、男女差が大きい結果となった【再び図表3】。

「LINEマンガ」と「ピッコマ」、ダントツ人気の両横綱

男性はWEBTOONのヒーローものがお好き?!(写真はイメージ)
男性はWEBTOONのヒーローものがお好き?!(写真はイメージ)

   ところで、WEBTOONが好きな人は、どのコミックアプリ・サービスで視聴するのだろうか。利用したことがあるコミックアプリを聞くと(複数回答可)、全体で「LINEマンガ」(33.0%)、「ピッコマ」(29.8%)がダントツの2トップとなった。それから、「めちゃコミック」(11.7%)、「コミックシーモア」(11.2%)と続く【図表4】。

(図表4)WEBTOONを読んだことがあるコミックアプリ・サービス上位5位(MMD研究所の作成)
(図表4)WEBTOONを読んだことがあるコミックアプリ・サービス上位5位(MMD研究所の作成)

   「LINEマンガ」と「ピッコマ」は男女を問わず、不動の1、2位。年代別に見ると、10代~30代と50代は「LINEマンガ」がトップ、40代、60代は「ピッコマ」が1位と、人気を分け合った。コミックアプリ・サービス界の両横綱といったところだろうか。

   調査は2022年11月7日~11月11日、スマホ、タブレット、PCいずれかを所有する15歳~69歳の男女1万4534人にアンケートをおこなった。(福田和郎)

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