オリエンタルランド株3%高、8年ぶり株式分割を歓迎...1株を5株に 株主優待も拡充、ディズニーファンは心待ち?

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   2022年12月28日の東京株式市場で、オリエンタルランドの株価が一時、前日終値比705円(3.7%高)の1万9855円まで上昇した。

   前日に2023年4月1日に1株につき5株に分割する「株式分割」を行うと発表しており、個人投資家の新たな資金が流入して株価を押し上げる可能性があるとの期待が広がった。オリエンタルランドの株式分割は2015年4月以来、8年ぶり。

  • オリエンタルランド株に注目
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単純計算で、株最低購入額は5分の1の約40万円に

   発表内容を確認しておこう。現状、オリエンタルランド株を購入する単位は100株からなので、買うために最低限必要な資金は12月28日の高値で単純計算すれば、1万9855円×100=198万5500円となる。

   これを5分割することで、最低限必要な資金は39万7100円に下がる。200万円となるとハードルが高くても、40万円なら持ってみようかというディズニーファンがいるかもしれない。

   個人投資家が投資しやすい環境を整えるため、東京証券取引所は最低購入金額について従来から「5万円以上50万円未満の水準が望ましい」との基準を示しており、2022年10月の時点で、上場企業の約95%が50万円未満の水準を維持していた。

   東証は同月、オリエンタルランドを含む最低投資金額が100万円以上の39社を公表したうえで、各社に引き下げを要請したと発表した。オリエンタルランドの株式分割はこの「圧力」に対応した措置でもある。

「100株以上、3年以上」の長期保有優待を新規導入

   オリエンタルランドが株式分割と同時に発表した株主優待の拡充も好感されているようだ。

   これまでは、100株で東京ディズニーランドか東京ディズニーシーに入園できる1デイパスポート(有効期間1年)を年間1枚(保有株数に応じてもらえるパスポートは増える)だったのが、株式分割に伴い、最低単位が500株で年間1枚になる。これは、実質的には従来と変わらないことを意味する。

   今回、これとは別に、長期保有の優待を新規導入。2023年9月30日の基準日以降、保有開始時から3年以上継続して同一株主番号で100株以上保有する株主に毎年12月、1デイパスポートを1枚贈る。100株だけでも3年以上保有すれば、パスポートが1枚もらえるということだ。

   コロナ禍から抜け出す局面にあって、オリエンタルランドの業績は好調だ。

   2023年3月期連結決算の営業利益は前期比の10倍の800億円を見込む。就職先としての人気も上昇している。

   就職情報サイト運営の学情の調査では、2024年春入社の人気ランキングで前年の33位から9位へとジャンプアップし、トップ10入りした。学生たちがコロナ禍を克服した先の将来を有望視しているということだろう。

   株価は年末年始にかけてやや足踏みしているが、業績など材料次第で上値を追う展開もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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