科学技術研究費、2年ぶりの増加 だが、米国、中国に研究費、研究者数とも水をあけられ...「技術立国」日本の危機感(鷲尾香一)

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大学の研究費は2.9%増 研究者1人当たりでも2.1%増

   一方、基礎研究の中核を担う大学の研究費は3兆7839億円で、前年度比2.9%増となった。

   私立が2兆113億円(大学等の研究費全体に占める割合53.2%)、国立が1兆5381億円(同40.6%)、公立が2345億円(同6.2%)となっている。研究費では私立と国公立でほぼ折半の状況だ。

   研究者数は30万1200人で同0.8%増。

   私立が14万2600人(研究本務者全体に占める割合47.3%)、国立が13万6600人(同45.4%)、公立が2万2000人(同7.3%)となっている。

   研究者1人当たりの研究費は1256万円で、前年比2.1%増で、私立が1411万円、国立が1126万円、公立が1065万円となっている。

   資源に乏しく、先進技術の開発により貿易輸出国として経済力を拡大してきた日本にとって、科学技術研究は国の基盤の要だ。

   しかし、今や科学技術研究は研究費、研究者数とも米国や中国に大きく水をあけられ、後塵を拝している。日本が再び輝きを取り戻すためにも、科学技術研究への投資を進めていく必要がありそうだ。

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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