2024年 2月 25日 (日)

日銀新総裁のもと、日本経済どう変わる?...東洋経済「日銀 宴の終焉」、ダイヤモンド「超・階級社会」、エコノミスト「信用金庫」を特集

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   「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

日銀の異次元緩和でも、実体経済変わらなかった

   1月16日発売の「週刊東洋経済」(2023年1月21日号)の特集は、「異次元緩和から戸締りの時代へ 日銀 宴の終焉」。

   4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁が推し進めた「異次元緩和」という10年の宴は終わり、金融政策は正常化への舵を切ろうとしている。この壮大な社会実験がもたらしたものを検証し、今後のマーケット、日本経済の行方を展望している。

   元日銀理事で現在はエコノミストとして活躍する3人が、黒田体制の「功罪」に斬り込んだ鼎談が興味深い。東京財団政策研究所主席研究員の早川英男氏は「景気に対して悲観的だった国民の心理が改善したことが大きかった」と評価する一方で、「リアルな経済指標では大した成果はなかった」と語っている。

   みずほリサーチ&テクノロジーズ、エグゼクティブエコノミストの門間一夫氏も「変わったのは空気だけで実体経済はあまり変わらなかった。アベノミクス景気は戦後最低の成長率だった。物価目標2%も達成できなかった」と手厳しい評価だ。

   金融緩和の出口戦略について、門間氏は「マイナス金利も含めたイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃が最大の課題で、最も出口が難しい」と語っている。

   一方、ちばぎん総合研究所な社長の前田英治氏は「新総裁は、まずは異次元緩和の10年、さらにはそれ以前の政策を含めた20年スパンの総括検証をすべきだと思う。よかった点、悪かった点、2%目標の評価も含めて検証してもらいたい。そのうえでYCCやマイナス金利をやめるが、低金利政策はしばらく続けるというのがきれいな形だ」と総括する。

   米国をはじめ世界中の中央銀行が急速な利上げに動く中、日本銀行だけが超低金利政策に固執した原因として、YCC(長短金利操作)という異例の政策を採用したことが挙げられる。マイナス金利も、長期金利の固定も、主要先進国で採用しているのは日本だけだ。

   「日銀新総裁で経済どうなる?」という解説記事で、東短リサーチ社長・チーフエコノミストの加藤出氏は、「次期日銀総裁は、YCCを終了させて、市場が長期金利を決める世界に戻していくと思われる。ただし日本の国債発行額は膨大で、かつ急激な長期金利上昇は金融機関の経営に打撃をもたらしうる」と懸念する。

   他のエコノミストも「総裁が誰になっても、基本的に金融政策は正常化に向かう」(木内登英・野村総合研究所エグゼクティブエコノミスト)、「春闘の結果がどうであれ政策転換は進む」(熊野英生・第一生命経済研究所首席エコノミスト)と見ている。

◆ポスト黒田、有力候補の2人は?

   ポスト黒田の新総裁候補についての予想も。

   「複雑な日銀の金融政策を理解し、内外と細かい調整ができ、情報発信ができる人」として、日銀プロパーが有力候補に挙げられている。

   副総裁の雨宮正佳氏と、副総裁を経て大和総研理事長の中曽宏氏の2人だ。

   岸田首相はすでに人選を終えていると見られ、2月にも具体名が国会に提示される見通しだという。 どの候補者が新総裁に就任するかでも市場の反応は異なると見られ、異次元緩和の副作用を指摘してきた中曽氏が就任したほうが株安になる、と予想する関係者の声を紹介している。

   超緩和の影響を受けてきた主要業界の本音も探っている。

   銀行業界は金利引き上げで恩恵が享受できると、歓迎する声が多いようだ。一方、証券業界では、日銀がETF(上場投資信託)の買い入れや保有に関する政策を変えれば、報酬が減り、向かい風になると見ている。

   金融緩和による「カネ余り」で需要が拡大してきた不動産業界では、利上げが活況に水を差すのではと危惧する声があるようだ。

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