2024年 4月 17日 (水)

大塚商会株、11%高...最終利益は微増ながらも増収増益、5円増配の130円で好感

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   システム構築大手、大塚商会の株価が2022年2月2日の東京株式市場で一時、前日終値比490円(11.4%)高の4800円まで上昇し、約3か月ぶりの高値となった。

   前日1日の取引終了後に22年12月期連結決算と23年12月期の連結業績予想、配当予想を発表。23年12月期は、最終利益は微増ながらも増収増益で、かつ配当性向の高い増配であることを投資家が好感した。株価はその後も比較的堅調に推移している。

高まるデジタル投資&インボイス制度開始で、23年12月は受注高が増える見通し

   まず、2023年12月期の業績と配当の見通しを確認しておこう。売上高は前期比4.6%増の9010億円、営業利益は7.0%増の586億円、経常利益は5.2%増の596億円、最終利益は0.4%増の401億円を見込む。

   同社の柱であるシステムインテグレーション事業は、各企業の間で、業務効率化や競争力強化のためにデジタル投資への意欲が強くなっているなか、23年は10月に消費税のインボイス制度もスタートするため、受注高が増える見通しだ。

   配当は期末に130円で前期比5円増とする。配当性向は前期の59.2%から61.4%に高まる。日本の上場企業の配当性向は平均30~40%とされており、株主重視の姿勢をより鮮明にしたことが市場に歓迎された。

   ここで、大塚商会の概要を確認しておこう。1961年に東京・秋葉原で複写機取り扱い業者として創業し、以後オフィス用品の販売を幅広く手がけ、業容を拡大してきた。

   1970年にコンピューターの取り扱いを始め、これが現在の主力であるシステムインテグレーション事業に成長した。もう一つの主力は、オフィス用品通販の「たのめーる」、システム保守の「たよれーる」などのサービス&サポート事業で、この2事業がすべてだ。

   2022年12月期の売上高でみると、システムインテグレーション事業が全体の63%、サービス&サポート事業が37%となっている。

上期の「スタートダッシュ」、証券会社も評価

   大塚商会は足元で業績の改善が進んでいた。四半期ベースでみると、2022年12月期の第2四半期(4~6月期)に、それまでの減収・減益から増収・増益(営業、経常、最終利益とも)に転じた。

   さらに第4四半期まで、増収を維持し、営業利益と経常利益の増益率を高めている。2023年12月期の業績予想でも、営業利益は上期7.9%増、通期7.0%増を見込み、「スタートダッシュ」に自信を見せる。

   これについて、SMBC日興証券は2月2日配信のリポートで「処遇改善によって人件費が増加する見通しで慎重な計画が設定される可能性があったが、上期から増益の計画が示されたことは好印象」と指摘している。

   すでに2023年12月期に入って1か月余り経過しているが、計画通り進むならばさらに上値を追う余地もありそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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