2024年 4月 19日 (金)

みんなが探した「本気」で住みたい街ランキング! 近畿圏の「買って住みたい街」は「姫路」 では、「借りて住みたい街」は?【住みたい街 近畿圏・中部圏・九州圏】

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   近畿圏の「買って住みたい街」ランキングで「姫路」(兵庫県)が、「みんなが探した住みたい街ランキング 2023」で、第1位に輝いた。不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULL(東京都千代田区)が2023年2月13日に発表した。

   ランキングは、LIFULL HOME'Sに2022年に掲載された物件のうち、実際の検索・問合せ数から算出した「実際に探されている街・駅」で、「買って住みたい街」は購?物件、「借りて住みたい街」は賃貸物件の順位となっている。

   「借りて住みたい街」はどこか? では、気になるランキングを見てみよう。

  • 近畿圏・中部圏・九州圏、「本気」で住みたい街は?(写真はイメージ)
    近畿圏・中部圏・九州圏、「本気」で住みたい街は?(写真はイメージ)
  • 近畿圏・中部圏・九州圏、「本気」で住みたい街は?(写真はイメージ)

「姫路」が返り咲き! 物件価格の高騰で「二極化」の兆し

【近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府)】

近畿圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)
近畿圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)

   近畿圏の「買って住みたい街」ランキングは、「姫路」(兵庫県)が前回の4位から上昇して1位に返り咲いた。2018年、19年に1位となって以来の3度目のトップ。20年以降も2位→5位→4位と上位の常連で、人気、実力ともに高いエリアとして定着している。

   1位の要因を、LIFULL HOME'S 総合研究所は「コロナ禍で大きく後退したインバウンド効果が2022年に戻り始め、姫路市を中心とした『播磨圏域連携中枢都市圏』の再活性化および事業集積性の高まりとともに、居住ニーズが顕在化したことがある」としている。

   2位は「本町」(大阪市)。商都・大阪の中心だが、ここ数年タワーマンションの分譲が本格化して注目されている。最近でも300戸超、500戸超クラスの大規模タワーマンションの分譲が続いており、「これらの物件への注目度が高いこともあって問い合せ数を大きく伸ばした」とみている。

   3位は「堺筋本町」(大阪市)で、2022年の35位から急上昇。徒歩5分ほどの距離に位置する「本町」との中間エリアで分譲されているタワーマンションへの問い合せ数が急増した。

   トップ3の顔ぶれが入れ替わった。

   前回1位の「谷町四丁目」(大阪市)は4位に後退。3位だった「三ノ宮」(兵庫県神戸市)も、今回はマンション分譲が少なかったことから、18位に大きく後退した。

   5位は「寝屋川市」(大阪府)、6位は「大宮」(京都市)、7位「高槻」(大阪府)、8位「垂水」(兵庫県神戸市)、9位には前回104位から急上昇した「西長堀」(大阪市)、10位には明石市(兵庫県)の「大久保」がベスト10入りした。

   京都・四条大宮エリアでマンションの分譲があった「大宮」や、46階建て・総戸数500戸の大規模タワーマンションが分譲中の「西長堀」がランキングを大きく上げたように、「買って住みたい街」は、エリア以上に物件に対する注目度によって順位が変動する傾向が顕著だった。

   LIFULL HOME'S 総研は

「大阪市、京都市の中心部でのマンション分譲が継続、拡大していることから、物件の供給スタイルが、やや二極化の兆しを示しはじめていることがわかる。首都圏から2年ほど遅れたが、徐々にニーズが生活スタイルに応じて分化している」

と、分析している。

◆借りて住みたい「江坂」「三ノ宮」僅差のトップ争い

   近畿圏の「借りて住みたい街」ランキングは、大阪メトロ・御堂筋線の「江坂」(大阪府吹田市)が2年連続の1位だった。2017年から5年連続でトップを守っていた「三ノ宮」(兵庫県神戸市)が2位で、その差はわずか。「2強」を形成する。

   1位の「江坂」は、2駅先の「新大阪」で東海道・山陽新幹線と大阪メトロ・御堂筋線が交わり、大阪国際空港にも近いため、大阪中心部や他の地域へのアクセスの良さから、単身者の流入が多いエリア。また、吹田市は子育て関連の行政サービスが手厚いことでも知られ、ファミリー層からも支持されていることがトップの要因としている。

   2位の「三ノ宮」は、神戸市営地下鉄「三宮」、JR神戸線「三ノ宮」、阪急・阪神線「神戸三宮」を最寄りとする賃貸物件があり、結果的に駅勢圏(駅周辺の繁華性が維持されているエリア)がとても広く、物件問い合せ数も確実に積み上がる。

   3位の「大正」(大阪市)は、前回7位に躍進し、今回は初のベスト3入り。京セラドーム大阪には徒歩圏で、駅周辺に大型スーパーやホームセンターもあり、賃貸物件もコンスタントに供給されてきたため、徐々に人気が高まってきた。

   4位は「出町柳」(京都市)、5位「大国町」(大阪市)、6位「新大阪」(大阪市)、7位「京橋」(大阪市)、8位「阿波座」(大阪市)、9位には「武庫之荘」(兵庫県尼崎市)、10位には「神戸」(兵庫県)がランクインした。

「近畿圏では首都圏のような『賃貸ニーズの郊外化』は認められない。特に大阪市内では賃料水準の比較的安価なエリアで探そうというユーザーの意向はあるものの、それが首都圏のように準近郊・郊外まで拡散することはなく、現在居住するエリアから大きく移動せずに生活を継続するケースが多いようで、これは各市街地中心部の賃料水準も首都圏のように高くなく、物価高騰の状況にあっても郊外方面に転居する経済的メリットがやや希薄なことが要因とみられる」(LIFULL HOME'S 総研)

「名古屋」中心部と「衛星都市」のニーズ二極化

【中部圏(愛知県、三重県、岐阜県)】

中部圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)
中部圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)

   中部圏の「買って住みたい街」ランキングは、2020年に48位だった「名古屋」が21年以降3年連続で1位を獲得した。名古屋周辺は全国有数の事業集積地で、これまで「名古屋」を最寄り駅とする住宅は想定できなかったが、2020年に約500戸のマンションが2物件分譲されたことがきっかけに、マンションの分譲が続いている。

   2位も2年連続して「岐阜」。前回3位だった「名鉄岐阜」は6位に後退したが、「岐阜」とは徒歩で5分程度しか離れておらず、同じエリアでの問い合せ数が両駅に振り分けられた結果が順位に表れたとみられる。物価や物件価格の上昇の状況が続くなか、ユーザーは岐阜中心部に注目していることがわかる。

   名古屋まで快速で20分。アクセス良好なベッドタウンであるにもかかわらず、名古屋市内よりも物価や物件価格が安価で生活しやすいというコストパフォーマンスとタイムパフォーマンスの良さがある。

   3位は、前回4位だった「伏見」(名古屋市)。名古屋周辺で、中部圏での「住みたい街覇権争い」はここ数年「名古屋」vs「岐阜」の構図となっている。

   4位は、「久屋大通」(名古屋市)。5位は前回34位から大きく伸びた「岡崎」(愛知県岡崎市)、6位は「名鉄岐阜」(岐阜市)、7位「藤が丘」(名古屋市)、8位も26位から上昇した「金山」(名古屋市)、9位「高蔵寺」(愛知県春日井市)、10位には前回57位だった「吹上」(名古屋市)がベスト10入りした。

   LIFULL HOME'S 総合研究所は

「中部圏でも、一戸建てからマンションへという流れが完全に定着。今後は大規模マンションやタワーマンションの開発で活性化したエリアがランキングの上位へと、年ごとに入れ替わりで登場することも考えられる」

と指摘するように、マーケットが変化しはじめているようだ。

◆「借りて住みたい街」は「岐阜」「岡崎」「豊橋」が3強

   中部圏の「借りて住みたい街」ランキングは「岐阜」(岐阜市)が5年連続で1位を堅持した。名古屋までのアクセスの良さに加えて、名古屋市内よりも物価や賃料が安価でコストパフォーマンスの良さでも支持を集めている。

   2位の「豊橋」(愛知県)、3位の「岡崎」(愛知県)は3年連続で順位を維持した。「岐阜」とほぼ同じ、名古屋市内よりも賃料水準が安価なこと、また駅勢圏(駅周辺の繁華性が高いエリア)が広くて生活に便利な施設が整っていることなどの要因がある。

   特に「岡崎」は駅周辺でのマンション開発も並行して進んでいて、購入と賃貸ともに居住ニーズが高まっている。

   4位は3年連続で「新栄町」、5位「藤が丘」、6位「鶴舞」(つるま)は、いずれも名古屋市。7位は「豊田市」(愛知県豊田市)、8位「中村公園」(名古屋市)、9位「一社」(同)、10位は「今池」(同)という顔ぶれ。「鶴舞」、「豊田市」、「今池」が新たにベスト10入りした。

   上位にランクされた駅周辺の賃貸物件が、単身者からファミリー層まで幅広く豊富にあることに加え、「名古屋」「栄」「久屋大通」などの事業集積地へのアクセスがいずれも良好であること、駅周辺に生活に便利な施設がそろっていて暮らしやすいことなど、ベッドタウンとしての機能をバランスよく満たしている。

   LIFULL HOME'S 総研は、「これらの条件が整っているエリアに人気が集中。順位の変動要因を低くしているものと考えられる」という。

   中部圏は、首都圏や近畿圏と比べて圏域が名古屋市とその周辺エリアにほぼ限られているため、コンパクトに構成されており、「職住近接」が実現しやすいという利点がある。

   そのため、コロナ禍でも移動に時間や乗り換えなどの負荷がかかりにくく、あえて中部圏の郊外方面に転居するという動機には、基本的にはつながりにくいものと考えられる。

買って住みたい「博多」前回15位からトップに躍進!

【九州圏(福岡県)】

九州圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)
九州圏の「借りて住みたい街」「買って住みたい街」ランキング(LIFULL HOME'S)

   九州圏(福岡県)の「買って住みたい街」ランキングは、前回15位だった「博多」が一気にトップへと昇り詰めた。コロナ禍前の2019年に30位だったが、20年以降19位→15位へと順位を上げてきたが、今回いきなり1位に躍り出た。

   これまで地下鉄・空港線沿線はマンションの開発用地が不足していることもあって、福岡市中心部からやや離れた西側一帯の開発が活性化していた。しかし、22年以降は「博多」から徒歩10分前後のエリアでのマンション開発が相次いではじまり、「博多」を最寄り駅とするマンションへの注目度が一気に高まったと考えられる。

   LIFULL HOME'S 総研は、「これまで博多周辺は賃貸物件が多くを占めていたが、今後は買って住むことも前提として、新規供給される物件への関心が高まる可能性がある」と指摘する。

   また、前回1位で百道(ももち)エリアの最寄りである「藤崎」は8位に後退。2位には「西鉄平尾」がランクイン。3位は前回6位から3つ順位を上げた「高宮」だった。

   2位の「西鉄平尾」は2020年の1位で、それ以降3位→2位→2位と推移している。高い人気を維持していることがわかる。福岡市中心部の「西鉄福岡(天神)」まで2駅と交通に便利ながら、隣接する浄水エリア同様に閑静な住宅地として知られており、今回10位の「大濠公園」と並ぶ福岡市内屈指の高級住宅地でもある。

   3位の「高宮」は、「西鉄福岡(天神)」から3駅と交通の利便性も高く、「西鉄平尾」同様に住宅地として知られる。また「高宮」近くで100戸超の規模のマンション開発があることも注目を高めて順位を押し上げた一因となっているようだ。

   4位の「大橋」は「高宮」の隣駅。前回3位の「竹下」は、大規模商業施設である「ららぽーと福岡」「キッザニア」の開業効果で前回52位から一気に3位まで急上昇したが、今回は5位だった。

   6位は「六本松」、7位は前回13位から上昇した「薬院」、8位は1位から下がった「藤崎」、9位の「千早」も前回17位から躍進した。10位は「大濠公園」だった。

   エリアが福岡市中心部にコンパクトにまとまっていることで、職住エリアが近接・混在しており、短時間で効率的な移動が実現する福岡市の特性をよく表しているという。

◆「借りて住みたい街」も「博多」 6年連続1位で2冠達成

   九州圏(福岡県)の「借りて住みたい街」ランキングは、「博多」が6年連続の1位を獲得。「買って住みたい街」と併せて2冠を達成する、圧倒的な人気と賃貸ニーズを誇っている。

   1位の「博多」は、事業の集積性と交通の利便性が福岡県内にとどまらず、大阪以西の西日本でも群を抜いて高いため、今後も「借りて住みたい街」の1位の座を譲ることは、ほぼないとみられる。

   周辺エリアには、オフィスやホテルなどが立ち並ぶ大規模商業地。そのため、就業者向けの賃貸物件が常に開発され続けていることも6年を通じて変わっていない。

   福岡県内での賃貸ニーズは圧倒的に「博多」に集中しているが、2~4位を占める「西鉄平尾」「大橋」「高宮」、8位の「井尻」、12位の「薬院」、18位の「雑餉隈(ざっしょのくま)」、30位の「西鉄久留米」など西鉄天神大牟田線の各駅も上位に多数ランクイン。

   これは、福岡市南区から大牟田方面へ南下するエリアの賃料水準が福岡市中心部よりも圧倒的に値ごろ感があること、バスでも福岡市中心部にダイレクトアクセス可能なことなど、コストパフォーマンスとタイムパフォーマンスに優れていることが挙げられる。

   なお、調査はLIFULL HOME'S ユーザーが対象。2022年1月1日~12月31日に、LIFULL HOME'S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問い合せの多かった駅名をそれぞれ集計。LIFULL HOME'S 総合研究所が分析した。

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