2024年 4月 26日 (金)

夢、ついえる...三菱重工、「国産ジェット旅客機」開発が頓挫 技術力への過信、対応の遅さ、社内体制の不備...約500億円投じた経産省の責任も

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商業飛行に不可欠な「型式証明」が取得できず コロナ禍も打撃 開発再開なら数千億円

   「知見不足」とは、商業飛行に不可欠な型式証明(TC)の取得のことだ。

   TCとは、機体の設計が安全性基準に適合することを国が審査・確認する「お墨付き」である。世界を飛ぶジェットを目指す以上、実質的に米連邦航空局(FAA)のTCを取得しなければならない。実際には、さまざまな角度からの疑問に対し、FAAの納得する回答を示す必要がある。

   TC獲得には、単にいいものを作るというだけではすまない、一定のノウハウが必要ということだ。そのために三菱重工は2018年、外国人エンジニアを機体開発の責任者として迎えたが、日本人技術者との連携がうまくいかなかったといわれる。

   それでも、安全システムを抜本的に見直し、20年1月に改良した試験機を完成させた。だが、そこにコロナ禍が起き、米国に試験機を送ることさえできなくなった。20年秋、三菱重工は開発の凍結を決めた。

   今から開発を再開すると、なお数千億円が必要とされ、中断で去った開発から営業までの幅広い人材を再度集めるのも容易ではない。また、開発の長期化で技術的にも「最新鋭」とは言えなくなっている。かくて、撤退を決断する以外に道は残っていなかった。

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