2024年 4月 20日 (土)

夢、ついえる...三菱重工、「国産ジェット旅客機」開発が頓挫 技術力への過信、対応の遅さ、社内体制の不備...約500億円投じた経産省の責任も

新聞各紙も社説で追及 朝日「(経産省には)失敗を検証し、責任の所在を明らかにする姿勢は見られない」

   大手紙各紙はこぞって社説で取り上げた。

   ほぼ共通して指摘しているのは、三菱重工の技術力への過信、それもあっての対応の遅れ、社内体制の不備だ。

   日本経済新聞(23年2月8日)は「日本の産業史に残る失敗と言える。約500億円もの国費もつぎ込まれた大型プロジェクトである。......経営責任が問われるのは言うまでもない」と断じ、毎日新聞(2月22日)は「開発の難航を受けて、海外メーカーで型式証明の取得に携わった外国人を責任者に据えたが、あまりにも遅い対応だった。......開発子会社の社長は何度も交代した。現場と経営陣の意思疎通が不十分だったのは明らかだ」などと具体的に指摘している。

   経産省の責任にも多くの社説が言及し、朝日新聞(2月14日)は「失敗を検証し、責任の所在を明らかにする姿勢は見られない。それどころか経産省は半導体産業に巨費を投じるなど、補助金の規模を拡大している。官庁には、有望な技術を見極める能力が欠けているという自覚が求められる」と書いた。

   「日の丸ジェット」の挫折は、一民間企業の失敗であるのはもちろん、経産省の産業政策にも改めて大きな疑問符を付けた。(ジャーナリスト 済田経夫)

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