2024年 4月 19日 (金)

主婦層の女性が「これからも仕事をしていきたい」理由とは? 調査で判明...キーワードは「金銭」と「社会との接点」

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   厚生労働省の調査によると、育児休業取得率は女性で8割台と高い水準で推移しているという。男性の育児参加が推奨されているが、まだまだ家事や育児の女性への負担は大きい。そのため、いったん仕事を辞め、子どもが小さいうちは子育てに専念したいと、主婦になる女性も少なくない。

   そんな中、「しゅふJOB総研」を運営するビースタイルホールディングス(東京都新宿区)が2023年3月8日、「女性が働く理由」をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を実施し、その結果を発表した。それによると、「これからも仕事をしていきたい」人は30代以上で89.7%に上ることがわかった。

   その理由をみてみると、「今後の生活に不安を感じる(収入面)」(65.2%)と「社会とかかわり視野を広げたいため」(63.2%)の割合が高く、求人を選ぶときに「金銭面」と「社会との接点」が大切な要素になっている実態が浮かび上がった。

  • 女性が働き続けたい職場とは?(写真はイメージです)
    女性が働き続けたい職場とは?(写真はイメージです)
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「仕事が好き」77.8%、「仕事を続けたい」89.7% 意識の高さ明らかに

   この調査は仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の本音と実情を探る「しゅふJOB総研」がネットアンケートで30歳以上の女性522人に調査したもの。

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   はじめの質問をみると、「あなたは仕事することが好きですか?」に対して「とても好き」が「24.7%」で、「どちらかといえば好き」は「53.1%」となり、仕事に対して肯定的な意見が77.8%を占めた。

   「どちらかといえば嫌い」(10.0%)、「とても嫌い」(1.3%)と否定的な意見は「11.3%」だった。仕事が嫌いな人の意見の理由をみると、

生活のために働きたいとは思うが、仕事は選びたい(40代)
出来れば、扶養範囲内で働きたい。毎日ではなく、少しゆとりを持ちつつ働きたい(50代)
家族がいるので、仕事だけのことを考える時間がない(40代)

   などが集まった。

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   続いて、仕事に対するこれからのスタンスを聞いてみると、「非常に強く仕事をしていきたいと思う」(27.4%)と「できれば仕事をしていきたいと思う」(62.3%)を合わせると、89.7%とほとんどを占めることがわかった。

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   仕事をしたいと思う理由をみると、第1位は「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」が最も高く「65.2%」となった。次いで「社会と関わり視野を広げたいため」が「63.2%」で、「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」は「62.2%」となり、「老後への備えのため」(54.7%)、「自己実現、自己成長のため」(41.7%)と続く。

「対価を得て自己肯定感高まる」「仕事を通じて責任果たしたい」が仕事のモチベーションに

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   つづいて、30代、40代、50代の仕事をしたいと思う理由の年代別ランキングをみてみると、まず30代では1位が「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」が「81.6%」でトップとなった。以下、「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」(78.9%)、「社会と関わり」視野を広げたいため」(57.9%)の順になっている。

   30代では、まだ幼い子どもの養育と教育費の準備のために、夫婦で「稼ぐ」必要があるのだろう。

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   次に、40代では「社会と関わり視野を広げたいため」(66.7%)がトップになった。子どもが小学校や中学校に入学し、子育てに手がかからなくなってきた頃に、自分のやりがいや働き方について再スタートを考える年代なのかもしれない。

   このあと、「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」が「63.0%」、「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」(61.6%)などが並んでいる。

(「しゅふJOB総研」の作成)
(「しゅふJOB総研」の作成)

   最後に50代の仕事をしたいと思う理由をみると、「旅行や買い物など自分または家族の生活を豊かにするため」が「64.8%」、「今後の生活に不安を感じるため(収入面)」が「62.6%」、「社会と関わり視野を広げたいため」が「62.2%」という結果になった。

   回答者のうち、仕事することについて「好き」「とても好き」と答えた人のコメントをみてみると、

「雇用状態に関係なく、仕事において自分の思う責任を果たしたいと思う」(50代)
「対価を頂けることで自己肯定感が高まる。家事育児だけではなかなか得られない」(40代)
「子どもが大きくなり、自分の時間が増えたが、年齢が上がると仕事の種類が限られてしまう」(50代)
「もっと柔軟に気軽に仕事との距離感を調節できるような社会であるといいと思う」(30代)

   などの意見が挙がっている。

   この調査を受けて、「しゅふJOB総研」の研究顧問である川上敬太郎氏は、

「仕事していきたい理由を年代別に集計してみると、『子供の教育費のため』は、就学前あるいは就学中のお子さんがいる人が多いと思われる40代以下の比率が高く、『旅行や買い物等自分又は家族の生活を豊かにするため』は60代以上で低い一方30代以下では8割を超えました。
また、『今後の生活に不安を感じるため(収入面)』と『社会と関わり視野を広げたいため』については、どの年代でも総じて高い傾向が見られました。
『金銭面』と『社会との接点』は女性にとって年代を超えた共通の動機であり、求人の際には給与条件とともに、その仕事を通じて社会とどんな接点が生じるのかも大切な要素になっていると言えそうです」

   とコメントしている。

   なお、調査はインターネット調査で2023年1月26日から2月2日まで実施。ビースタイルスマートキャリア登録者と求人サイト「しゅふJOB」の登録者を対象に、女性から522件の回答を得た。

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