2023年5月6日、イギリスのウェストミンスター寺院でチャールズ国王とカミラ王妃の戴冠式が行われました。数百年前の世界にタイムトリップしたような荘厳な儀式に、世界各国からロイヤルファミリーやセレブリティが大集結。王室メンバーとの確執が報じられているヘンリー王子に注目が集まるかと思いきや、意外にも(!)SNS上で盛り上がりを見せたのは「3人の美女」でした。日本から出席された秋篠宮紀子さまの「お足元」も、なぜか海外メディアの目を引いたようです。「腕力がすごすぎ!」SNSで話題沸騰 「最もセクシーな英下院議員」英国で70年ぶりとなったチャールズ国王の戴冠式。宝石でずっしりと重そうな王冠やマントから絢爛豪華な黄金の馬車まで、近代的なロンドンの街並みが中世に逆戻りしたかのような荘厳な式典に、思わず息をのんだ人も多かったことでしょう。あれほどの壮大なスケールでも、故エリザベル女王の戴冠式と比べてかなり簡素化したというから驚きます。世界中から約2200人のロイヤルファミリーやセレブたちが参列するなか、前評判で注目度が高かったヘンリー王子を差し置いて話題をさらったのは、年齢も国籍も「バラバラ」の3人の女性でした。なかでも英BBC放送が戴冠式の「見せ場」で堂々の1位に選んだのは、国家の剣を運ぶ役目を務めたペニー・モーダント議員でした。PennyMordauntfirstwomantopresentjewelledswordtoKing(ペニー・モーダントは、国王の宝剣を運んだ初めての女性となった:英BBC)庶民院院内総務・枢密院議長という長い肩書を持つペニー・モーダント議員は、数年前に水着姿を披露して「もっともセクシーな英下院議員」と話題になったこともあります。今回の戴冠式では、儀式の間、1時間以上にわたって重そうな剣を持ち続けるという大役を果たした彼女。金色の刺繍をあしらった中世風の青いドレスを着こなして、50歳とは思えない若々しい姿に、SNSでは興奮気味のコメントが相次ぎました。「腕力がすごすぎる!」「重そうな剣を持っているのに、微動だにしない!」「まるで、ヘンリー8世の妻だったアン・ブーリンみたい」BBCが紹介している一般女性のツイッターからも、モーダント議員が引き起こしたセンセーションぶりが伝わってきます。PennyMordaunthasabsolutelystolentheshowattheAbbeytoday!SheisrockingthatAnneBoleynlook!(ペニー・モーダントが完全に戴冠式の主役の座を奪った。アン・ブーリン風の装いで衝撃を与えた!)stealtheshow:人気をさらう、主役の座を奪う女性として初めて歴史的な大役を任されたモーダント議員は、「腕立て伏せをして準備してきた」と冗談まじりに語ったそうです。が、自身のツイッターでは「式典の安全のために、何時間も立ちっぱなしだった警備スタッフに比べたら、私の役割なんてイージーよ」と投稿。政治家らしい「優等生回答」で、好感度もグンと上がったことでしょう。戴冠式の「主役」はモーダント議員だけではありませんでした。同じく海外メディアが「stealtheshow」(主役の座を奪った)と伝えていたのは、米バイデン大統領の孫娘フィネガン・バイデンさんです。21年にペンシルベニア大学を卒業した22歳のフィネガン嬢は、ジル大統領夫人と並んで式典に参列。青いドレス姿のジル夫人の隣で、鮮やかなレモンイエローのドレスを着たフィネガン嬢は、まるで女優さんのような初々しい美しさでした。二人は、青と黄色のドレスで、ロシアの侵攻を受けているウクライナに対する連帯の意を表したと報じられています。世界中が見守る式典で、ファッションでメッセージを伝えるとは心憎い演出です。これまでもバイデン氏の選挙活動を手伝ったり、公式行事に同行したりしていたフィネガン嬢も、これほどの大舞台は初めてとのこと。輝かしいデビューになったようですが、祖父の後を継いで政界入りするのかどうかが気になるところです。Kimono姿の紀子さま 海外メディアはなぜか「お足元」に注目モーダント議員、フィネガン・バイデン嬢と並んで話題をさらったのは、チャールズ国王の孫娘シャーロット王女です。母親のキャサリン妃とおそろいの白いドレスに身を包んだシャーロット王女は、王室メンバー席の最前列に。英国が誇るデザイナー、アレキサンダー・マックイーンがデザインしたドレスは、国章に描かれているバラ、アザミ、クローバーなどを銀刺繍で施した優雅なスタイルで、とりわけアップにしたヘアスタイルと銀色の髪飾りが印象的でした。色味を抑えた清楚な装いに、SNS上には、「まるで天使みたい」「もっとシャーロット王女の姿を映して!」といったコメントがあふれていたと報じられています。各国セレブの姿がメディアを賑わすなか、残念ながら日本の秋篠宮ご夫妻に関する報道はあまり多くなかったのですが、紀子さまのKimono(着物)姿は、いくつかのメディアが「日本の伝統的な装い」と紹介していました。PrincessKikochosetowearalightbeigeJapaneseKimonowithadecorativebeltandGeta-styleshoes(皇太子妃紀子さまは、薄いベージュ色の日本の着物と華やかな帯、下駄スタイルの靴を選んだ:米セレブ雑誌)「Geta-styleshoes」(下駄スタイルの靴)は、草履のことのようです。わかりやすいように表記しているのでしょうが、やはり日本人としては違和感があります。記事では、紀子さまが宝石類を身に着けていないことにも触れていました。確かに、着物姿にきらびやかな宝石はそぐわないですし、華やかな帯が宝石替わりとも言えます。いずれにしても、日本人とは違った視点が新鮮でした。紀子さまの「お足元」には、他メディアも注目していました。「フットウエア専門サイト」は、草履を「getasandals」(下駄式のサンダル)と紹介。草履よりも下駄の方が、外国の人々には通じるのでしょうか。ちなみに、足袋は「whitesocks」(白いソックス)と解説していました。戴冠式では、参列者の装いだけでなく座席順にも注目が集まっていましたが、秋篠宮夫妻は各国の皇太子席の最前列でした。もしかしたら最前列で前列の「障害」が無かったことから、「お足元」に目が留まったのかもしれません。それでは、「今週のニュースな英語」は、「stealtheshow」(主役の座を奪う)を使った表現です。ひと言で状況が目に浮かぶので、印象に残りやすいです。PrinceLouisstealstheshowwithayawn(ルイ王子、あくびをして注目の的に)TeslastealtheshowatMotorshow(モーターショーで、テスラ車が話題をさらった)Thechildwiththedogstoletheshow(犬を連れた子どもが一番人気だった)故エリザベス女王の葬儀にも各国セレブが集結しましたが、やはり戴冠式はより華やかで明るい雰囲気が漂っていました。本来は主役のはずのチャールズ国王夫妻がかすんでしまうほどの役者が揃った豪華式典。王室メンバーの確執といった「楽屋ネタ」が披露されるのは、これからのようです。(井津川倫子)
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