2024年卒就活生の内定も徐々に増えてきたなかで、企業・団体の人事担当者の関心は2025年卒就活生にも傾きつつある。では、インターンシップの開催や採用スケジュールなどの動きはどうなっているのだろう?学情(東京都千代田区)が2023年5月23日に発表した「2025年卒採用」に関する企業調査(2023年5月)によると、人口減や大手の採用増によって2025年卒の採用活動はさらに厳しくなると回答した企業は8割に上った。また、インターンシップや選考開始の時期が早期化していることを指摘する企業も8割に達し、現場からは「3年生のうちに、最終選考の合格を出せるスケジュールで進めたい」の声も上がっている。人事担当者の86.1%、25年度も就活は早期化するこの調査は2023年4月24日から28日まで実施したもので、企業・団体の人事担当者を対象に529社から回答を集めた。(学情の作成)はじめに、2025年度卒の採用難易度を聞いてみると、「難しくなる」と回答した企業は「53.5%」に上った。「やや難しくなる」(29.1%)を合わせると「82.6%」の企業は採用が厳しくなる予測をしている。自由回答の意見を見てみると、「年々早期化の傾向が強まっている」「若い世代の人口は減っていくので、新卒採用が今よりも簡単になることはないと思う」「早期化・長期化により、学生が動く時期が分散している。自社が採用したい学生がどの時期に動くかを見極める必要がある」「インターンシップに関するルール変更もあり、より多くの学生・企業が早くから動くと思う」と分析している。インターンシップのルール変更とは、「産学協議会基準に準拠したインターンシップ」が定められることだ。これにより、特定の要件(就業体験、実施期間等)を満たしたタイプのみがインターンシップと定め、選考に生かしてもよいことになる。具体的には、「オープン・カンパニー」や「キャリア教育」、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、「高度専門型インターンシップ」などの4類型のうち、「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、「高度専門型インターンシップ」が選考活動の情報を活用できるようになることをいう。一方で、「一定の内定辞退を織り込む必要があり、どの程度内定を出せば採用目標を達成できるか分からない」「実際に入社するのは2年後なので、今必要な人材とギャップが生じる可能性も否定できない」「ビジネスのサイクルが早く、変化の激しい時代において、2年先を予想して人員計画や採用要件を決めるのは難しい」など、入社までの期間が長く見通しが立てにくいという指摘もあった。(学情の作成)続いて、2025年卒採用は早期化するかという見通しについて聞いてみると、「早期化すると思う」(54.3%)と「どちらかといえば早期化すると思う」(31.8%)を合わせて「86.1%」の人事担当者が早期化を警戒している。意見を見ると、「企業の採用ニーズが高まっている」「学生・企業ともに動き出しが早くなっている」「大手企業が早期からインターンシップやオープン・カンパニーの広報・採用活動を行う動きが、中堅企業やベンチャー企業にも波及している」などが挙がっており、大手や他社の動きを注視する担当者も多いようだ。選考開始時期、2024年1月・2月が最多20.4% 3年次に内々定出したいという意見も(学情の作成)つぎに、選考開始の予定時期はどうか。最多は「2024年1月・2月」の「20.4%」、次いで「2024年3月」が「17.6%」、「2023年11月・12月」が「13.4%」となり、「未定」も「21.7%」と高くなった。3年生のうちに選考を開始すると答えた企業は4分の3にあたる。(学情の作成)さらに、2025年卒採用の内々定出しの開始時期を見てみると、未定を除くと「2024年3月」が「16.6%」で最多になった。次いで、「2024年1月・2月」が「16.0%」、「2024年4月」が「10.8%」で続いていく。回答者の声を拾ってみると、「採用目標数を達成するためには早くから選考を実施する必要がある」「3年生のうちに、最終選考の合格を出せるスケジュールで進めたい」「3年生のうちに就職活動を終える学生が増えると思う」などがある。2025年卒就活生の動き出しも、さらに早まりそうだ。
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