2024年 5月 15日 (水)

京都市で2026年度導入予定の「空き家税」...「知らない」66.2% 「空き家問題」解消へ、いまこそ考えなければ

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   京都市では、空き家や別荘など、ふだん人が住んでいない住宅に課税する、いわゆる「空き家税」(非居住住宅利活用促進税)を、2026年度にも導入する見通しとなっている。

   空き家の所有者に課税することにより、空き家の有効活用(第三者への賃貸や売却など)を促すことで、住宅供給を増やしたり、安全な生活環境を構築したりするねらいがある。

   全国に先駆けて導入に踏み切った、京都市の空き家税。その認知度や、賛否など、どのように受け止められているのだろうか。

   不動産メディア「幸せおうち計画」を運営するAZWAY(東京都豊島区)は、10代から60代以上までの男女500人を対象に、「空き家税に賛成か反対か」などを聞いたアンケートを行い、その結果を2023年5月22日に発表した

   この調査によると、「空き家問題」を知らない人は36.8%のほか、「空き家税」を知らない人は66.2%で「反対」は51.4%など、今後あらためて「空き家問題」を考えていく必要がありそうだ。

  • どうなる?空き家の問題(写真はイメージです)
    どうなる?空き家の問題(写真はイメージです)
  • どうなる?空き家の問題(写真はイメージです)

もし「空き家」を相続したら...「売る」273人、「自分で住む」98人、「他人に貸す」77人

(AZWAYの作成)
(AZWAYの作成)

   高齢化が進む日本では、2030年には空き家が430万戸になると言われている。そこでまずは単刀直入に、「空き家が20年間で2倍近くに増加しており、2030年には430万戸になると予測された問題を知っているか」と質問したところ、「はい(知っている)」と答えたのは、「63.2%」で過半数を超えた。今後高齢化がさらに進むなかで、「空き家」の問題を認知している人が多いようだ。

(AZWAYの作成)
(AZWAYの作成)

   続いて、もし自分が「空き家」を相続したら、どのように対処をするか聞いた。最多は「売る」で273人、次いで「自分で住む」が98人、「他人に貸す」が77人となった。

   同社は、「空き家を相続した場合、半数以上の人が『売る』ことを念頭に置いていることがわかります。一方『放置する』を選んだ人も28人おり、『誰も住む人がおらず売れる可能性も低いためどうすればわからない』という意見がみられました」としている。

(AZWAYの作成)
(AZWAYの作成)

   つぎに、「京都市が全国で初めて導入を決めた空き家税について知っているか」も聞いた。その結果、「はい」は「15.8%」、「いいえ」は「66.2%」、「聞いたことはある」は「18%」となった。空き家税への賛否を聞くと、「賛成」は「48.6%」、「反対」は「51.4%」と拮抗したかたちとなった。

(AZWAYの作成)
(AZWAYの作成)

   賛否については、以下のような理由が寄せられている。

●賛成の理由
・限定的に賛成です。人が住めるような状態であれば税金をとる必要はないと思います。ただ、明らかに人が住めないような家には税金をかけても良いと思います。(40代男性)
・税金がかかることにより、放置される空き家が減るかもしれないため。また、空き家が減らなかったとしても税収が増えるという利点があるため。(40代女性)
・税金が課されるとなると、空き家の所有者は空き家を放置せずに適切に管理する方向に動くと思われるから。(50代女性)

   同社によると、賛成の理由としては、「人が住めない家には税金をかけても良い」、「放置される家が減る可能性がある」、「適切に管理する人が増えそう」といった意見が挙げられるなど、「税金を課すことでプレッシャーとなり、行動する人が増えることを望んでいることがわかる」とみている。

●反対の理由
・そもそも住む人がいないし、売ったり貸したりできなくて、空き家になってるのに空き家税は、ひどいと思う。(30代男性)
・個人の所有物に対して何でもかんでも税金掛けすぎ。(40代男性)
・空き家が発生する理由というのには、各人でいろんなケースがあると思う。ただの怠慢によるものであれば罰則的な意味も込めて空き家税を課すこともありかもしれないが、そうでないならば通常の固定資産税の枠内での課税とすべきであると思う。(40代男性)

   同社によると、反対の理由としては、「色々な理由があって空き家になっているのに、そこにさらに課税されるのはしんどい」、「固定資産税で十分」、「税金をかけすぎ」という意見が見られ、「ケースバイケースで対応すべき問題を一律で課税対象とすることに、違和感を持っている人が多いことがわかる」とした。

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