2024年 6月 17日 (月)

【2024年卒就活生】「入社決める前に、配属先の確約を望む」8割、「実際に配属先確定した」3割...企業側も「配属ガチャ」で悩む学生を救ってほしい

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   「配属ガチャ」という言葉があるように、近年、入社を決める前に配属先の明示を求める学生が増えているが、企業側は就活生の希望にどこまで対応しているのだろうか。

   リクルート就職みらい研究所(東京都千代田区)が2023年7月24日に発表した「【2024年卒 就職活動TOPIC】入社後の配属希望と確定状況(6月12日時点調査)」によると、今年6月12日時点で、就職先が決まる前に配属先を確約されたほうがいいと考えている学生が約8割いることがわかった。

   ただし、確約希望の学生の半数以上が希望通りにはいかない現実も明らかになった。

「内定取得時までに配属先知りたい」学生が半数以上

   リクルート就職みらい研究所の調査は、2024年卒業予定の大学生・大学院生4567人が対象。まず、「就職先を決める前に、配属先が確約されているほうがよいと思うか」と聞くと、「確約されているほうがよい」と「どちらかというと確約されているほうがよい」を合わせて80.7%の学生が「確約」を希望した【図表1】。

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(図表1)就職先を決める前に配属先が確約されたほうがいいか(リクルート就職みらい研究所の調査)

   続いて、「配属先を明示してほしい時期」を聞くと、「内々定・内定取得後~入社を決める前まで」(22.3%)が最も高く、「入社を決めた後~入社前まで」(20.9%)が2番目に高かった。

   なお、「配属確約での応募」「選考時」「内々定・内定取得時」「内々定・内定取得後~入社を決める前まで」を合わせた割合は73.6%で、7割以上が入社を決める前までに配属先を明らかにすることを求めていた【図表2】。

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(図表2)配属先について明示してほしい時期(リクルート就職みらい研究所の調査)

   このうち、配属先が「確約されているほうがいい」と答えた学生をみると、「配属確約での応募」と「選考時」を合わせて半数近く(49.5%)が非常に早い段階での配属先明示を希望している様子がうかがえる【図表2】。

   さて、調査を行なった6月12日時点で、63.9%の学生が民間企業への就職が確定していた。そのうち、「入社決定前に、配属先が確定していたかどうか」を聞くと、配属先が確定していた学生は27.1%だった。約4人に1人が入社決定前に明示されていたが、逆に言うと、7割以上(72.9%)が明示されなかったわけだ。

入社して何をやりたいかより、どの場所で、どのポジションで働くか

   その配属先が確定した(する)時期を聞いた結果が【図表3】だ。これを見ると、入社を決めた後に、「まだ配属先は確定していないが、入社後に確定する予定」(27.7%)が最も高く、「配属先がいつ決まるかわからない」(24.7%)が2番目に高かった。学生の希望とは裏腹に、企業側が厳しい現実を突きつけたかたちだ。

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(図表3)配属先が確定した(する)時期(リクルート就職みらい研究所の調査)

   そのことは、就職先を決める前に、配属先が「確約されているほうがよい」と答えた学生でも、現実に「入社を決める前に確定していた」学生は約4割(40.8%)だったことでもわかる【図表3】。

   ところで、配属先について確約してほしい内容とは何なのだろうか。重要視する内容を聞くと(複数回答可)、「職種」(営業職や研究開発職など仕事の種類)と「勤務地」(本社など働く場所の住所)、「勤務エリア」(関東、中部、近畿など働く場所の地域)の割合が約60%と高かった。

   次に、「部門」(研究本部やシステム部門、医療機器事業部、ITサービス事業部など)、「仕事内容」(何をどのように売るか、何をどのように作るかなど具体的な仕事の中身)が約40%で続いた【図表4】。

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(図表4)配属先について確約してほしい内容(リクルート就職みらい研究所の調査)

   どちらかというと、入社して具体的に何をやりたいかよりも、どの場所で、どういうポジションで働きたいかを重視していることが伝わってくる。

   そのことは、最後に「志望先企業を選ぶときに重視した条件」を聞いた結果(複数回答可)で、うかがうことができる【図表5】。これを見ると、「勤務地」(69.6%)で最も高く、次いで「業種」(68.0%)、「職種」(67.0%)と続く。

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(図表5)志望先企業を選ぶときに重視した条件(リクルート就職みらい研究所の調査)

配属確約の選考を進めることは、企業にもメリットになる

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希望の職種を確約されて大喜びの女子学生(写真はイメージ)

   今回の調査結果について、就職みらい研究所の栗田貴祥所長はこうコメントしている。

「就職先を決める前に、配属先が確約されていたほうがよいかを聞くと、『確約されているほうがよい』と回答した割合は約8割でした。
配属先を明示してほしい時期を聞くと、『配属確約での応募』は14.0%、『選考時』は19.3%、『内々定・内定取得時』は18.0%、『内々定・内定取得後~入社を決める前まで』は22.3%、『入社を決めた後~入社前まで』は20.9%で、希望明示時期は学生の志向や状況によってさまざまです。
こうした現状を踏まえ、企業の皆さまにおいては、学生が入社を決める前までに、配属確約の応募ルートを設ける、選考中に配属先について可能な範囲で明示するなど、多様化する個人の志向や価値観に合わせて、配属先に対する不安を取り除くための柔軟な対応をとっていくことが、採用戦略実現に向けた一手となり得るかもしれません」

   と、入社決定前に配属先を明示することが、新卒採用にもメリットがあると、訴えた。

   調査は、2023年6月12日~19日、2024年卒業予定の大学生・大学院生を対象に、リクルートが運営する就活支援サイト「リクナビ」のモニターに登録した学生4567人(大学生3574人・大学院生993人)にアンケートした。(福田和郎)

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