2024年 5月 17日 (金)

株式投資の目的は「FIRE」「老後資金」...いやいや、Z世代の場合は、もっと切実な理由かもしれません?

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   いわゆるZ世代が株式投資に取り組む理由を聞いたところ、最も多かった答えは「生活に使えるお金を増やすため」だったことが、オンライン株式スクール「株の学校ドットコム」を運営するトレジャープロモート(東京都千代田区)の調べでわかった。2023年7月14日の発表。じつに59.0%の若者が、そう答えた。

   「老後資金を増やすため」は41.0%で、2番目に多かった。Z世代にとって株式投資の理由は、意外に切実なようだ。

「FIREの達成」が投資理由のZ世代は2割

   調査は、株式投資に取り組んでいる全国の20代、30代の男女800人を対象に聞いた。

   3月に実施した「株式投資への取り組み調査_2023年春」(対象:20~70代の男女2923人)で、現在の投資状況が「含み益」となっている人の割合は、20代と30代が74.0%で最も高く、反対に「含み損」の人は20代が最も低いという結果だった。

   そこで、多くが利益を出している20代、30代に、株式投資に取り組んでいる理由や、株式投資によって実現したい目標について、今回さらなる調査を実施した。

   「あなたが株式投資に取り組んでいる理由は何ですか?」(n=800)との問いに、20代と30代から最も多く選ばれた理由は、「生活に使えるお金を増やすため」で、59.0%(回答数472人)がそう答えた。じつに6割近くが日々の生活費に充てるために株式投資に取り組んでいる実態がわかった。

   次いで多かったのは、「老後資金を増やすため」の41.0%(同328人)。若い世代でも老後への関心が高いことがうかがえる。続いて、「趣味や旅行などのやりたいことに使うお金を増やすため」が39.6%(同317人)で、「家やクルマなどの購入資金」20.4%(163人)や「子どもの養育資金を増やすため」の18.0%(144人)よりも2倍近く多かった。

   トレジャープロモートは、

「自分自身が求めることに時間とお金を使いたいという、Z世代の傾向が表れていると言えるのかもしれません」

   としている。

   また、いわゆる「FIRE(経済的自立による早期リタイア)を達成するため」と答えた人も2割を超え(21.5%)、依然として人気があることがわかった。【図1参照】

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図1 「20代、30代が株式投資に取り組む理由」(トレジャープロモート調べ)

20代は「自分のやりたいことに使うお金を増やしたい」!

   株式投資に取り組んでいる理由を20代、30代に分けて見てみると、どちらの年代も「生活に使えるお金を増やすため」が最多であることは共通していた。

   だが、30代は「老後資金を増やすため」が2番目に多い回答であるのに対して、20代では「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」が2位だった。【図2参照】

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図2 20代、30代が株式投資に取り組む理由を比べると...(トレジャープロモート調べ)

   また、男女別にみると、男性では「FIREを達成するため」や「家やクルマなどの購入資金を増やすため」が上位に入り、女性では「子どもの養育資金を増やすため」が「FIRE」を抑えて4位にランクインした。【図3参照】

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図3 株式投資に取り組む理由;男女別(トレジャープロモート調べ)

   さらに株式投資で達成したい目標を、取り組んでいる理由ごとに分類して聞いた(自由回答)ところ、「生活に使えるお金を増やすため」と答えた人からは、

「お金を気にすることなく食事をしたい」(29歳、男性)
「自分の給料だけでは買えないブランドものなどを買うこと」(26歳、女性)
「グレードアップした生活」(25歳、女性)
「安定した収入を得て、生活を豊かにしたいから」(26歳、男性)
「日々の生活を楽にしたい」(35歳、女性)
「月々の電気代やガス代くらいを、配当で払えるようになりたい」(37歳、女性)
「値段を気にせずに果物とか買えるようになりたい」(33歳、女性)

   といった声が寄せられていた。

「給料だけで買えないブランドものを買うこと」(26歳、女性)

   また、「老後資金を増やすため」と答えた人に株式投資で達成したい目標を聞いたところ、こんな声が。

「老後のために1000万円の利益達成をする」(37歳、男性)
「貯金と合わせて老後2000万円問題を解決できるくらい」(28歳、女性)
「老後安心して過ごすため」(28歳、男性)
「定年後の生活に余裕を持たせたいので」(27歳、女性)
「60歳で仕事をやめられるくらいの貯蓄」(36歳、男性)
「老後資金一人3000万円と子供の養育費1500万円をためること」(33歳、女性)

   「趣味や旅行など自分のやりたいことに使うお金を増やすため」と答えた人からは、

「増やしたお金で好きなものを買ったり旅行したい」(26歳、女性)
「別荘購入」(29歳、男性)
「毎月豪遊 旅行三昧 エステ 親孝行」(29歳、女性)
「自分の給料だけでは買えないブランドものなどを買うこと」(26歳、女性)
「年30~40万ぐらいプラスになったら推し活につぎ込む」(30歳、女性)
「毎年値段を気にせず家族旅行に行きたい」(33歳、女性)

   といった声が寄せられた。

「少しでもお金が増えたら...」と考えている人は19.6%

   さらに、「FIREを達成するため」と答えた人は、

「早期リタイアあるいはセミリタイアをするための資金として1億円貯めたい」(29歳、女性)
「45歳までに、資産6000万円を達成し、サイドFIRE出来るようにしたい」(36歳、男性)
「年間配当1000万円」(38歳、男性)
「会社に縛られずに自由に生きていくため」(29歳、男性)
「労働からの解放」(29歳、女性)

   ――といった具合。このほかに、「億り人になる」「億万長者」と答えた人も30件ほどあった。

   また、「奨学金返済」「(パートナーとの)同棲のための資金調達」「結婚式で妥協しないでいいくらい貯める」などの、この年代特有の回答もみられた。

   その一方で、「株式投資によって実現したい目標」について「特にない」や「わからない」という回答も19.6%にのぼった。なにか具体的な目標のためではなく、「少しでもお金が増えたら......」という思いで株式投資に取り組んでいる人も多いようだ。

   調査したトレジャープロモートは、

「Z世代に、株式投資に取り組む理由を聞いた結果を踏まえると、『日常の中で自分の自由になるお金を増やしたい』と願っている人が多いのかもしれません」

   とみている。

   株式投資にはさまざまな投資スタイルがあり、自身の目的や目標に適ったものを選ぶことができる。株式投資を行うZ世代は、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などといった「長期投資」と、金融スキルを身につけてリスクを把握して取り組む「短期トレード」とを、うまく使い分けているのかもしれない。

   なお、調査は事前調査「株式投資への取り組み調査_2023年春」(対象:20~70代の男女2923人)で「株式投資に取り組んでいる」と答えた全国の20代、30代の男女800人を対象に、2023年6月23日にインターネットで実施した。

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