2024年 4月 29日 (月)

投資経験者の42.7%がテクニカル分析を活用 チャートを重視する人は、投資満足度が高い?

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   株式やFX(外国為替証拠金取引)などの投資熱が高まるなか、投資経験者の42.7%がテクニカル分析を活用していることが、テクニカル分析を解説する専門サイト「テクニカルブック」を運営するアドバン(福岡市)の調べでわかった。2023年8月14日に発表した。

   チャートを重視する人は投資満足度が高くなる傾向があるほか、テクニカル分析と投資成果に対する満足度の関係や現在人気があるテクニカル分析の手法などが、調査結果から見えてきたという。

「情報」を最も重要視する人、47.9%で最多

   調査によると、投資を判断するために行っている分析方法について、「テクニカル分析を活用していますか」(n=328)と聞いたところ、「はい」(テクニカル分析を行っている)と答えた人は42.7%、「いいえ」(テクニカル分析を行っていない人)は57.3%だった。

   テクニカル分析を活用している投資家は少なく、活用していない人のほうが多数派のようだ。

   次いで、投資判断において最も重要視している要素別に、直近1年間の投資成果に対する満足度を集計。

   その結果、「非常に満足」「やや満足」と答えた人が最も多かったのは、「情報/経済ニュース・企業の業績など」を最も重要視する人で47.9%。「チャート」を最も重要視する人は47.5%で、僅差の第2位だった。

   ただ、「チャート」を最も重要視する人は、「非常に満足」と回答した人が14.6%と最も多いのが特徴。テクニカル分析によって投資の満足度が上がりやすいことがうかがえる。

   第3位は「アナリストや専門家の予想/評価」で44.2%、「インフルエンサーの発言」が38.5%の第4位だった。【グラフ1参照】

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グラフ1 「情報/経済ニュース・企業の業績など」を最も重要視する人は47.9%で第1位(テクニカルブック調べ)

   また、下の【グラフ2】は過去に公開した分析結果の再掲で、投資を判断するために行っている分析方法別に、直近1年間の投資成果に対する満足度を集計したものだ。

   これによると、「非常に満足」「やや満足」と答えた人が最も高いのは、「テクニカル分析」を行っている人の55.7%だった。テクニカル分析の有効性がうかがえる。「ファンダメンタルズ分析」は52.7%。

グラフ2 テクニカル分析に「満足している」人は55.7%、ファンダメンタルズ分析は52.1%(テクニカルブック調べ)
グラフ2 テクニカル分析に「満足している」人は55.7%、ファンダメンタルズ分析は52.1%(テクニカルブック調べ)

重視するテクニカル分析は「チャートパターン分析」

   調査で、「どのようなテクニカル分析を重視しているか、最大5つまで選択してください」(n=140)と聞いたところ、投資家が最も重視しているテクニカル分析は「チャートパターン分析」(ダブルトップ/三尊天井など)で、42.9%を占めたことがわかった。

   第2位は「ローソク足分析」(ヒゲ/つつみ足/明けの明星など)の34.3%、第3位は「ダウ理論」の33.6%だった。

   上位には、「王道」的な分析手法、分析理論が並ぶ結果となったが、なかでもチャートに現れるパターンから将来の相場推移を予測する「チャートパターン分析」が、2位以下を大きく引き離して1位となった。

   テクニカルブックは、

「チャート形状から将来の相場展開を予測する『チャートパターン分析』はシンプルなので、チャートを分析する際に活用しやすい側面があるのかもしれません」

   とみている。

   さらに、第4位の「エリオット波動理論」と答えた人は30.0%、第5位の「ギャン理論」が27.9%、第6位「移動平均線」(グランビルの法則を含む)の25.7%が続いた。【グラフ3参照】

グラフ3 上位には王道的な分析手法、分析理論が並ぶ(テクニカルブック調べ)
グラフ3 上位には王道的な分析手法、分析理論が並ぶ(テクニカルブック調べ)

   また、テクニカル分析を「行っている人」と「行っていない人」に分けて、投資の取引スパン(間隔)について、短期取引(数分/数時間)、中期取引(数日/数週間)、長期取引(数か月/数年)別に集計した。

   それによると、「テクニカル分析を行っている人」(n=140)は、「短期取引」を行っている人が37.1%、「中期取引」が30.0%、「長期取引」は32.9%。「テクニカル分析を行っていない人」(n=188)をみると、「短期取引」が13.3%、「中期取引」は15.4%、「長期取引」は71.3%となった。【グラフ4参照】

   この結果から、テクニカル分析を「行っていない人」の71.3%が「長期取引」を選んで取引していることがうかがえる。

グラフ4 「テクニカル分析を行っていない人」は長期取引が7割超を占める(テクニカルブック調べ)
グラフ4 「テクニカル分析を行っていない人」は長期取引が7割超を占める(テクニカルブック調べ)

テクニカル分析を行う人は、短期取引が多い

   さらに、投資における取引スパン(間隔)を、投資家が使用しているテクニカル分析(第1位~第6位)ごとに集計。下の【グラフ5】をみると、テクニカル分析の手法によって取引スパンに差があることがうかがえる。

   テクニカル分析を行う人は短期取引が多い傾向にあるが、なかでも最も多かった具体的な分析手法は「ギャン理論」で、56.4%にのぼった。わずかの差で第2位が「エリオット波動理論」の54.8%、第3位が「ダウ理論」の51.0%となった。

   逆に、短期取引が極端に少なかったのは「移動平均線」(グランビルの法則を含む)で16.6%だった。

グラフ5 短期取引の中で最も多かった分析手法は「ギャン理論」だった(テクニカルブック調べ)
グラフ5 短期取引の中で最も多かった分析手法は「ギャン理論」だった(テクニカルブック調べ)

   テクニカルブックは、

「テクニカル分析を行っている人はポジションの保有期間が短くなり、かつ投資成果に対する満足度が高くなりやすいことが推測できます」

   としている。

   なお、調査は「現在、投資に取り組んでいる」と答えた全国の20歳以上の男女を対象に、2023年6月1日~2日にインターネットで実施した。有効回答者数は、328人(内訳は、20~29歳が66人、30~39歳が66人、40~49歳が65人、50~59歳が65人、60歳以上が66人)。

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