中小企業の7割が「人手不足」...過去最高 「介護・看護業」は、9割近くが「深刻」

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   中小企業の「人手不足」が、いよいよ深刻だ。

   日本商工会議所が、人材不足や多様な人材の就業に関する状況などを把握するために調査したところ、中小企業のじつに7割近くが「人手不足」と回答。2015年の調査開始以降、最も高くなったことがわかった。

   また、8割強にのぼる回答者が、「仕事と育児の両立推進が必要と感じている」と答えていた。

中小企業の人手不足 2022年2月の調査以降、6割超えて高止まり

   調査によると、「人手不足」と答えた中小企業は68.0%にのぼり、2015年の調査開始以降、最も高くなった。

   このうち、「非常に深刻(人手不足を理由とした廃業など、今後の事業継続に不安がある)」と答えた中小企業が6.9%、「深刻(事業運営に支障がある)」とする中小企業が57.2%と、合わせて64.1%が「深刻な人手不足の状況にある」と答えた。【図1参照】

   人手不足の中小企業は2022年2月の調査以降、6割を超えて高止まりしている。

図1 中小企業の64.1%が「深刻な人手不足の状況」にある(日本商工会議所調べ)
図1 中小企業の64.1%が「深刻な人手不足の状況」にある(日本商工会議所調べ)

   人手不足の事業への影響については、「現有人員でやりくりしている」との回答が77.2%にのぼる一方で、「事業運営の具体的な支障が生じている」と答えた中小企業が21.6%、「事業の拡大を見送った」が18.7%と、2割程度みられることもわかった。

   人手不足への対策(複数回答)をみると、「正社員の採用活動強化」が68.5%と最も多かった。「業務プロセスの見直し」が33.2%、「社員の能力開発」は28.9%、「IT化等設備投資」の25.2%など、業務の効率化や生産性の向上の取り組みは約2~3割にとどまった。【図2参照】

図2 人手不足への対策、「正社員の採用活動強化」が68.5%で最多(日本商工会議所調べ)
図2 人手不足への対策、「正社員の採用活動強化」が68.5%で最多(日本商工会議所調べ)

   さらに、人材を確保するための取り組み(採用拡大、離職防止)を複数回答で聞いたところ、最も多い72.5%の中小企業が「賃上げの実施、募集賃金の引き上げ」と回答。残業時間の削減など、「ワークライフバランスの推進」という中小企業も38.1%にのぼった。

   「多様で柔軟な時間設定」(15.4%)や「兼業・副業の許可」(14.3%)、「場所にとらわれない柔軟な働き方」(12.0%といった、フレックスタイムや兼業・副業、テレワークなどの多様で柔軟な働き方の推進はいずれも2割に満たなかった。【図3参照】

図3 人材確保の取り組み、「賃上げの実施、募集賃金の引き上げ」が72.5%で最多(日本商工会議所調べ)
図3 人材確保の取り組み、「賃上げの実施、募集賃金の引き上げ」が72.5%で最多(日本商工会議所調べ)
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